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ドール服作り②制作のための準備運動

オリジナル作品作りに取りかかる。子どもの頃はファッションデザイナーになるのが夢(その次が漫画家で、その後がイラストレーターで、その次がグラフィックデザイナー)だったことを思い出しながら、デザイン画を描いてみる…も、いざそれを型紙にしようとしてもカタチにならない。ちょっとしたギャザーやタックも難しい。…全てを削ぎ落としたシンプルドレスから始める(無印良品みたいね)。

ニンゲンの服作りとは全然違うことばかり。

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パーツが小さすぎて布端の始末はジグザグミシンではなく、「ほつれ止め液」を使う。それもつけ過ぎて生地がゴワゴワになったり風合いを損ねたりしないように、小筆で布端だけに塗っていくのだ。出過ぎたほつれ止め液に憮然としていると、ドール服用副資材を販売している会社のツイッターが「筆で塗ると良い」と教えてくれた。

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手間をかけてフレアースカートの型紙を作ったのにリカちゃんには似合わなくて、四角い布にギャザーを寄せたのの方が可愛かったのには忸怩たる思いであった。写真はドレス作りに疲れて、気分転換に縫ったペチコート。ゴムの代わりに通しているのはシャーリング用のゴムカタンで、細糸用のとじ針を使った。

ボタンやスナップもヒト用では大きすぎるので、直径3〜5mmくらいのものが通販されている。リボンもレースも細幅。生地は薄手の方がいいし、毛糸類も極細。「ガリバー旅行記」で大人国に行ったガリバーが織りが粗くてゴワゴワの服を着せられている記述を思い出した。

普段使わないような細い編み針や小さな待ち針、手芸用かんしやピンセットが必需品。確か持っていたハズと、道具箱をひっくり返す。おかげで、作り始めて数日は、いたるところに手芸道具や材料を広げてゴミ屋敷のようになってしまった(熱しやすい自分の性分を考えると、当分はこれにかまけているだろうからと、ドール服制作の観点で分類し、整理し直して、今は多少の常識を持つヒトらしい部屋になっている)。

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ソーイングがうまくいかないので、息抜きにアランニットを制作してみる。手編み雑誌の編み図を思い出しながら、ゲージを取って、リカちゃんサイズに落とし込む。これも目数が少ないので、ニンゲン用のような細かい増減は不要と後で悟る。それよりも細い糸と少ない目数でどのように「アランニットらしさ」を表現するかの方が重要なのであった。…だけど、それに気づいたのは数枚編んでからで、季節も春めいてきて、これ以上突っ込んだ研究をしたくなくなった時期であったので、この問題の解決は次の秋まで持ち越しとなった。せっかく昨夏に罪庫になっていた毛糸を断腸の思いで処分したのに、パピー2PLYやキッドモヘアなど買い込んでしまって、毛糸在庫は超過気味のままだ。

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縫い代の始末に悩み、(写真では見えていないけど)後ろのアキとマジックテープの付け方に苦労し、胸のレースモチーフをちょうど良い大きさに編めずにやり直し、と、試行錯誤の連続の結果、何の変哲も無いドレスが出来上がった。何の変哲も無いけど、リカちゃんを採寸し何度も修正して起こしたパターンで、縫製方法も納得いくまでやり直して決定し(ボツのドレスが失敗作入れの紙袋に溜まっている)、確認したところ、きちんと縫えていて、最低の技術的なものはクリアできたのかな、と、私としてはホッとしている。ニンゲン服と違う意識しないといけないポイントを発見し、ドール服作りの一歩を踏み出す前の準備体操終了という感じ。

ドレスの魅力や個性をすぐに構築するのは難しいと思うので、しばらくは「上手に縫う」とか「キレイに仕上げる」という、練習や努力で改善するところを中心に修行しながら考えていくつもり。それをしながらだんだんとデザインの幅を広げていきたいな…っていうか、衿と袖付けができるようになる日が早く来ますように。

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