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YASHIMA

東京都の芸術家支援「アートにエールを」に応募していた企画が採択され、「屋島の戦い」を扱った曲『屋島懐古』の演奏動画「YASHIMA」を作成した。この度、無事に公開と相成ったので、ご興味のある方にはぜひご高覧いただければうれしい。もしも、ご感想などいただけるようであれば、たいへんにありがたい。

私を含め、他に3人のアーティストが参加してくれてこのような形になった。コロナ禍がなければ、このような形でのコラボをすることはなかったかもしれず、禍福は糾える縄のごとし、という言葉に深く首肯するものである。自分にとっては初めて、本格的な動画表現に挑戦した機会となったが、本当にいろいろな意味で勉強になった。

動画での表現というのは一見、気軽そうに見えるが、とんでもない。ごまかそうと思えばごまかせてしまうけれども、それをすれば一定以上の視聴者に見透かされることになる。創作をするということは常に真剣勝負であることは間違いないのだが、この自粛期間にいろいろな業界で歪みが生じている中、自分に対しても世界に対しても厳しさを持ち続けることができるかどうか、そこに一流の表現者であり続けられるかどうかの分岐があると、そう教えてもらった。

これについてはまた機会を改めて書く機会があればいいと思っている。現在の自分の実力と向き合い、表現者としての精神的な未熟さと向き合い、世界の厳しさと向き合う、本当にいい機会だった。これを可能にしてくれた人、すべてのものに感謝を捧げたい。

それにしても、自分ひとりだけでアート作品を創り上げる人間の凄まじさよ。こういう気付きを自己完結のサイクルで行える人はまさしく孤高である。本来琵琶など、たった一人で孤独に弾くものなのかもしれない。けれども、こんな風に誰かとともに表現したくなってしまうのは、(私の場合)自分ひとりでは決してたどり着けない領域に切り込むことができるから。その発見の喜びは大きすぎ、そして私が前に進む原動力であり続ける故に、どうしても手放せない。

ああ、精進、精進せねば。

(見出しの写真は、動画撮影を快諾してくれた国立の宇フォーラム美術館)

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