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【COL】Dexter Fowler 引退

※ヘッダー画像は USA Today Sports より。
※全ての商用的あるいは著作権侵害の意図を放棄して投稿します。

Dexter Fowler が引退を表明しました。

彼のキャリア ハイライトといえば Cubs、あるいは Cardinals の印象が強いように思いますが、実はキャリアは Rockies から始まっており、下部組織から数えると10年近く在籍した事になります。

アマチュア時代は右打ちだったものの、球団がその才能を見出し、その後の彼の象徴の1つである両打に変更して成功したり、在籍時に出場した北京五輪で、日本に勝ち銅メダルを獲得したメンバー、つまりMLB全体で見てもプロスペクトだったという事もあって、メジャーデビュー前後の期待値は高かったように記憶しています。

https://npb.jp/olympic/2008/olympic_score_jpn9.html

ただ、彼が在籍時に飛び抜けたインパクトを残したか、と言われればそれは No で、どちらかというとフラストレーションの象徴だったように思います。

具体的には、守備です。上述の Fangraphs を見て頂ければ分かりますが、CF としての DRS が 2010 以外全てマイナス。2桁マイナスも2度記録(キャリア通算では5度)しています。

盗塁の多さから想像がつくように脚は速く、またCFを任せたくなるほどに身体能力も高く、かつて 2009年の NLDS では、当時 Phillies の Chase Utley を飛び越えるというエピックも作り出しています。

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それだけに打球判断の悪さ、その初動の遅さは本当に気になるところでした。チームが2007にワールドシリーズに出場し、ポストシーズン常連の機運があった事も手伝って、その未来を担うと思われていた彼の守備は、チームの負けや凋落と関連付けられて、槍玉に上がることも多かったように記憶しています。(無論、クアーズ・フィールドという魔境がそれを助長した事は言うまでもありません)

ただし、そんな彼の守備が明確にハイライトされた試合があります。

彼と同じく、球団の未来を背負っていた Ubaldo Jimenez が球団史上初のノーヒットノーランを達成した Braves 戦です。

序盤から Jimenez はいつもの調子で四球連発。しかもバットに当てられるとフライボーラー傾向だった彼。つまり Fowler の守備相性とは最悪です。

しかもこの日に限って CF には計 6 度も打球が飛ぶという試練が訪れます。そこまで難しくないフライでも、いつも通り数歩遅い判断を身体能力で補う綱渡り状態。ノーヒッターが掛かっていたことも手伝って、その緊迫感はいつも以上だったように思われます。

しかし、その時は訪れます。

7回裏、Jimenez のゲロ甘外角を Troy Glaus がシバキ上げます。その直感、野球好きなら誰もが二塁打を連想する鋭い打球が左中間に。

この日5回目のCF打球であること、守っているのが Fowler な事、更に彼が、セオリー通り外角に構えた捕手をみて右中間寄りに守っていた事も考えると、最悪な状況でした。誰もがここでノーヒッターは潰えただろうと。

ましてやここは Braves ホーム。打球を見てアトランタの民は歓声を上げます。

その、次の瞬間👇🏻

なんとあの Fowler がスーパーキャッチ‼️‼️‼️

まだノーヒッター継続と緊迫感は続くものの、周りが驚いてる事からもその凄さは伝わってくるでしょう。

実はこの年、Fowler は COL 在籍時で唯一 DRS 0(他はマイナス)を記録しており、更にこのスーパーキャッチの前には4回打球が飛んでいます。それだけコンディションが良く、また目も身体も慣れていた事も、記録達成に一役買ったのかも知れません。

その後は大記録達成まで一人の打者も出さず、ノーヒットノーラン完了。Jimenez は後の世に名を残すわけですが、その影には間違いなく Fowler のスーパーキャッチがあった事を、少しでも覚えて頂けたら嬉しいです。

改めて引退おめでとうございます。

※ノーヒッターのハイライト動画 (ちなみにこの試合の ATL の先発は川上憲伸です)


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