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【COL】Adael Amador がコールアップされる意味

結論から言うと、この動きは賛成です。

Brendan Rodgers の IL 入りを受けて、Adael Amador がコールアップされます。

お互いの守備位置は 2B であり、はたから見れば 2B がケガしたので 2B を上げただけ。

ただ、Amador が公式ランキングでチーム1位、全体でも32位のプロスペクトである事を踏まえると、なんだか意味ありげに感じるでしょう。

2B の代替だけなら幾らでもやりようがありますからね。

という事で各現状からその意図を確認して行こうという note です。

COL の現状と今後

まず現状、非常に弱いです。

さすが Fangraphs に万に一つも PS 進出はあり得ないと予測されたチーム。

最も負けたチーム Top3 に入るのは硬いでしょう。

ただし、これが計画的再建なのかと言われたら答えは No.

理由は二つ

①弱い状態が続いても、ドラフトではいい順位は取れ続けません。

②そもそも再建希望とは思えないほど長期契約が並んでいます。

①は簡単に言うと、タンキング抑止のために、二年連続で 6位以内の指名権は得られないようになっています(例外あり)。この例に当てはまると次年度は早くて 10位とかになるんですが、たまに 10位までいい選手がスリップしますので、まあ 10位狙いなんでしょうこの異常な弱さは。

②は以下の通りです。図を張ると万バズするんちゃうかというくらいアホらしい契約が並んでるので URL で勘弁しておきます。

これを見ると、まあ 23‐24年はコンテンド期()の予定だったみたいですが、結果はその真逆。

こうなると、二年に一度ドラフトロッタリーで目玉選手を指名して当たり選手の束が出来たらコンテンドするようなイメージ。

そんなことをする球団は解散するか、しないなら噂される球団拡張+地区再編まで低調のままと予測すべきでしょうね。

されどスモールでもビッグでもないミドルマーケットの強みに気付いたのか、直近二件(Germán Márquez と Ezequiel Tovar)はリーズナブルな複数年を結べています。

これくらい意味のある動きを続けてくれるなら、ミドルマーケットには今後も調停イート型の長期契約は必要ですから、当然 Amador もその対象になりえます。

では本当にその相応しいか?その判断材料を得るために、まずは現レギュラーと比較してみましょう。

Rodgers の評価

まず Brendan Rodgers といえば 2022 年に 2B としてゴールドグラバーとなった守備職人。

かといって打撃が非力ではなく、wRC+ 100 前後、OPS .750 程度は期待して良い選手。

ただ、尋常では無いほどケガが多く、プロスペクトの殻を破れない時代が続いたのもケガの影響、ビッグリーグデビュー後も度々ケガで離脱しています。

その影響もあってか、球団も彼をアイコンにしようとしている素振りはなく、生え抜きレギュラーでは珍しい長期契約未締結、昨年はトレードの噂もありました。

つまり彼との付き合いは長くて彼のFA取得時までと思われます。順当なら26年オフですが、このペースではいつになるやらわかりません。

つまり、Rodgers と Amador が比較されるべきは、取り急ぎ三つ。
①守備
②打撃
③健康度

では Amador はどうなのか、次項で語ってみます。

Amador の評価

まず初めに断っておく必要があるのは、彼は各サイトによって評価のブレが大きい選手という事。中でもヒットツールと守備については公式、BA、FG、BPで別人かというレベル。

そこで、あえて彼らの評価は引用せず、もはや観戦が MiLB メインになった私の主観のみで評価してみます。

①守備
結論としては、ビッグリーグ平均かやや下程度。つまり、打てる事を前提として 2B にいる事を許容される、もしくはコアに相当するレギュラーが出てくれば 3B にコンバートすべき程度の守備力。逆立ちしても Rodgers にはなれないでしょう。

②打撃
適切な期待値は「wRC+ 100 前後、OPS .750」。つまり丁度 Rodgers の現状と同じくらい。ただ、Rodgers と明確に違う点が2つあります。

1つはムラの有無。好調期にあるとボールの見極め、狙い球へのアプローチなど非常に優秀なものの、不調期はプレート規律が混乱し、何も期待出来なくなる傾向があります。
この手のムラは Raw Power と体格の良さがあると許容されがちですが、彼は6フィート(183cm)と相対的に小さい方、しかも現状で既に横幅が出来るほど筋肉も獲得していますし、肉体的な意味での天井の高さを感じない彼のムラは許容し難いのではと考えます。

2つ目はスイングメカニック。予備動作が多く、空振りを許容しないとハードヒットが狙えない、というのがテクニカル面での適正評価かと。デビュー前に K% は少なく済むだろうと言われた Rodgers や Tovar でさえ苦しんでますから、Amador は25-30% 程度の K% は積み上げる可能性があります。

つまり現状では Rodgers の貢献度をやや下回るが、21歳ですし、今後の改善に期待と言うところでしょう。

③健康度
至極平均程度の強さをもつと考えます。22年は555 打席、23年は離脱もありましたが 322 打席に立ち、今年も AA で既に 209 打席を積み上げています。現状は Rodgers ほどのケガ体質という事は無いと言っていいでしょう。

よって私見をまとめると、以下のようになります。
①守備 Rodgers >> Amador
②打撃 Rodgers ≧ Amador
③健康度 Amador >> Rodgers 

こう考えると、ツール的に Rodgers と同程度か下の彼をコールアップする目的は、ビッグリーグへの適応というより、見極めの要素が強いと思われます。

「健康な Rodgers」あるいはそれ以上のポテンシャルを示したら、リーズナブルな長期契約を提示しようと。

サイト毎に評価が違うように、球団もまた見極めあぐねているのかもしれませんね。

さいごに

という事で、編成上の見極めに必要なコールアップであって、満を持してのデビューとかでは無いですから、過度に期待せず、ゆるーく観る分には楽しみにしていいと思います。特に、ワクワクする好調期の無双"感"がビッグリーグでも顔を出すのかは注目かと。

彼が上手いこと居場所を見つければ Rodgers の放出、あるいは今年噂が噴出した McMahon (3B) の放出なんかも有り得そうです。

あるいは、今年の全体3位指名権で誰を一巡目指名するかも、球団が今の野手陣をどう評価するかの確認にはなりそうですね。(これはまたなんかの形でnoteしたいですね)

てな感じで、Amador 自身が編集したプレー集を置いておきますので、どうか気軽に見守って頂ければ幸いです (誰)


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