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[フィクション]2019年プロ野球ドラフト会議の解釈~詳細編~

※以下の文章はフィクションです。如何なる権利の侵害も意図しておりません。

こんにちわ!

フィクションとつければ何言っても許されると思ってるシリーズドラフト編最終回です。

本 note は妄想のまとめが99%、ドラフトの見方共有が1%くらいです。よって大部分がフィクションである事を念を押させていただきます。

前回までの概略

ドラフトを振り返った時に、上位指名の中に他球団に補強をさせない事に比重をおいた指名があったと感じました。中でもパ・リーグのセ・リーグに対する対抗心は相当のものであったと感じています。本 note では前回上げた各選手の指名が何故そう感じさせるか、私なりの理由を列挙します。

指名順の確認

二位指名以下、ウェイバーでセ・リーグ六位から始まる事が確定していたため2019年は以下のようになっていました。この順番が上位指名の繰り上げに大きな影響をもたらしたと感じています。

偶数指名
ヤ→檻→中→公→広→ロ→神→楽→べ→ソ→巨→西
奇数指名
西→巨→ソ→べ→楽→神→ロ→広→公→中→檻→ヤ

埼玉西武

※この球団については別途単独で取り上げるので簡易的に触れます。

まずライオンズの補強ポイントは、宮川哲を確保した時点で、以下の二点が急務でした。

① センターの期待出来る外野手
② 即戦力中継ぎ

① に関しては佐藤直樹、宇草が抑えられた時点で選択肢が減ったのは事実なので一旦置いておきますが、② に関しては確実に確保するべきでした。

ですが2位と3位を連続指名できるタイミングで彼らの選択肢は以下の通りでした。

浜屋将太
松岡洸希

浜屋に関しては先発の機会が多いものの、中継ぎも出来、ポテンシャルの大きさを発揮していたため、同じ左腕の橋本侑樹と坂本裕哉が確保された後におけるまずまずの選択肢だったと考えますが、松岡洸希はBCでの成績を考えても”即”戦力とは言い難いです。

では何故3位にしたのか?

後日談で潮崎がほれ込んだなどといういかにも感ある後付けが出てきましたが、そうではなく、注目度の高さ故でしょう。

元々彼は投手経験が薄く、プロに入ってもしばらくは身体作りやフォーム固めに時間を割くと思われますが、BC選抜による巨人及びオリックスとのファームでの試合で注目度をあげ、報道では多くのセ・リーグの球団が名乗りを上げています。

BC出身者は育成での入団も多いものの、まだ若く投手経験の少なさから肩肘の消耗が少ないと見込まれた彼が、数少ない支配下指名ではないかと言われていました。ので恐らくセ・リーグ球団が3位以降で指名するという予想を立てたのでしょう。

要するに、セ・リーグがまだ指名していない折り返しの三位の段階で先に確保してしまおうという発想だったと考えています。(もちろんポテンシャルも評価して)

ですが、彼のポテンシャルは抜きにして、この時点では以下の大or社卒投手が残っていました。即戦力を確保するのであれば他の選択肢もあったはずです。

※のちに支配下指名を受ける主な即戦力投手
伊勢大夢、津留崎大成、村西良太、杉山晃基、 岡野祐一郎、鈴木健矢、滝中瞭太

後から振り返れば、外国人補強に目途が立っていたため素材型を三位で確保したとも言えますが、そちらの方も。。。。

本題からずれるので、これ以降の埼玉西武に関しては後日のnoteで触れさせてください。

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ソフトバンク

まず当時のデプスを見てみます。

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このチームの場合、補強ポイントの解釈は難しいところはありますが、今回指名された二名がどうであったのかで振り返ってみたいと思います。

佐藤直樹

妥当ではあると思いますが、この年薄いCF候補である事を踏まえると、抽選が成功した場合は二位以下で指名できなかった可能性を考えた場合、この選択には他球団の補強をブロックした意思が見て取れます。

何故か?

推測ですが、ドラフト時点で福田秀平が抜け、柳田と長期契約する事はほぼ決まっていたでしょう。そう考えると、周東や上林もCFの可能性を残しつつ、柳田が向こう何年も君臨する事を考えた場合に、21歳の非即戦力CFを一位で指名する必要が薄いです。

元々ソフトバンクは前年度のドラフトにおいて、投手偏重の指名を行ったため野手を上位指名する事に違和感は無いのですが、だからと言って彼が外れ一位ですか、というのが正直な感想です。

つまり、福田秀平の争奪戦をある程度予測していたため、他球団が欲しいだろうCFをブロックし、福田秀平流出の痛手を相対的に最小限で留めにかかったのではないでしょうか。

実際、福田秀平は5球団の争奪戦、また、CFが必要なチームはコンバート直後で指標がマイナスな西川に宇草を被せて指名した広島など、CFが出来る外野手は大抵の球団で需要がある状態でした。

言い換えれば、福田秀平を21歳に若返らせつつ、同様のポテンシャルを持つ選手を他球団に渡さないという、CF をリフレッシュした上で二重に得をする選択を下したのかな、と思っています。

恐ろしいですね。ええ。

海野隆司

驚きでいえばこちらの方が大きかったです。

デプスを見ればわかる通り、プロスペクトと思われる九鬼と栗原を抱えているからです。後者はコンバート案も良く聞きますが、恐らく捕手と両方できてこその案でしょうから。

これについてもやはり他球団を意識した指名だったと感じています。

前提として、初めの note で触れた通り 2019 年は捕手がトレンドであり、実際ほとんどの球団が支配下で指名しています。

中でも大卒か社卒の指名をした球団は中日、西武、日本ハム、広島、ロッテと五球団に及び、更には以下の通り巨人と阪神も海野を検討していました。

海野は守備面でいえばこの年はおろか前後数年で一番という評価をするスカウトもおり、守備面だけで一位の価値があるという評判も少なくなかったです。

その海野を比較的捕手に困っていないソフトバンクが指名したことで、検討していたはずの巨人、阪神(及びDeNA)は高卒捕手を、ロッテ以外の球団は4巡目以降の指名に回すなど、海野が二位で消えた影響が大きく出ているように見受けられます。

しかしながら、甲斐が離脱すれば捕手が薄くなるのは当然ですが、そろそろ一軍で機会を、と言われている九鬼と栗原に被せる形で同年代の海野を指名したのは、やや持て余し気味になる可能性を孕みます。

そこでソフトバンクは次の動きを見せます。それが市川の戦力外です。ドラフトの後に市川を戦力外にをした事を考えても、海野が獲得できる可能性は半々だったのだろうと感じます。また、市川を先に切ると、海野の指名を警戒し他球団が先に指名してくる可能性もあり、後で彼を切ったのかなと思っています。

つまり、守備No.1の海野が指名できず他球団にダメージを与えられない場合は必要に応じて高卒捕手などを指名して市川はキープ、指名出来た場合はリリース、という二段構えだったのではないでしょうか。

ドラフト会議は17日でしたね。彼の戦力外は21日に通告されています。

恐ろしいですね。ええ。

要するにソフトバンクの場合、ただでさえ充実している投手陣に、前年度のドラフトを投手偏重とした事で、他球団のお目当て野手をブロックしても勝てる状態が出来上がっているという事なのです。

この状態は2020、2021と続いていくでしょう。

恐ろしいですね。ええ。

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東北楽天

まず、当時のデプスを振り返ってみます。

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このチームの場合、着々と投手が出て来ているものの、野手のプロスペクト特に10代のスター候補が不足しているため、投手のトップレベルは毎年補強しつつも、野手のプロスペクトを集める時期であると言えそうです。実際二位で指名した黒川は、打力とそのキャプテンシーは高く評価されており、将来球界を背負って立つ人材と考えられます。

そう考えた場合、彼の指名はどうだったのでしょうか。

小深田大翔

確かに2B/SSを見た場合に、SS候補はベテラン、残りは2Bか一軍レベルに物足りないと考えた場合に、守備面で二遊間どちらでも融通の利き脚力もある小深田は理想的です。

ですが、外れとはいえ一位にすべきかと考えた場合、打力の面では評価が分かれる選手です。よって、大阪ガスを得意先にしている球団とはいえ、他球団の動向を意識した指名なのは間違いないと思っています。

何故か?
これは、二位指名の順番を考えれば辻褄が合いそうです。

楽天イーグルスは、二位指名の順番が8番目、つまり全体で20番目となっていました。さらに、二位指名で先に指名出来る球団を見た時に、小深田が残っていない可能性もありました。

具体的には、後に以下のムーブを起こした球団が指名する可能性もあったという事です。

・エスコバーで内野守備を強化したヤクルト
・中島卓也の去就が不明だった日ハム
・菊池涼介ポスティングでピレラを保険にした広島
・福田光輝を下位で指名したロッテ
・一長一短な二遊間陣を抱える阪神

阪神は海野同様、報道もありましたね。

この状況を見た時に、20番目に小深田が残っていると言い切れなかったのでしょう。同一リーグに確保されるのもさることながら、まんまとウェイバーが先になったセリーグに獲られるのもなんだか癪ですしね。

また、大社卒の内野手は他にも候補が居たのですが、結果的に指名されたのは小深田のみでした。次年度にSS候補が沢山いる事を踏まえても、この年にプロが評価していたSSは小深田のみと考えれば、楽天が一位で指名したのも納得できます。

要するに彼に関しては、楽天の事情として一位相当の評価を下したが、その早さには他球団にとられまいとした意思を強く感じたというのが私見になります。

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オリックス

まず、当時のデプスを振り返ってみます。

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この球団も投手は続々と人材が出て来ており、上では大城、福田を中心に二遊間を固めつつ安達とも契約延長、下では一年目にして太田と宜保が頭角を現し廣澤及び岡崎とハイレベルな競争に入るなど、年齢を考えても二遊間の盤石さは12球団でトップレベルであり、一方で外国人が退団し頓宮が捕手再挑戦となれば1B/3B、LF/RFといったDHに相当する打力を期待出来るプロスペクトの指名は必須だったと言えそうです。

そう考えた時に、一位で左腕のエース候補を埋めた後のチョイスとして、彼の指名はとても驚きました。今振り返っても一番違和感あるかもしれません。

紅林弘太郎

彼の評判は二年生の時から変わっておらず、186cmの体格に似つかわしくない身のこなしから守備が高く評価され、一方で打撃は粗さも癖もあり、プロ入り後に改善が必要といったものだったと理解しています。

よって好意的に解釈すれば、太田と宜保へ競争を促す存在になり得ると言えますが、年の近い廣澤と岡崎の活かし方が難しくなる点や、戦力として薄いかつドラフトのトレンドであった捕手に手を伸ばさなかったのが非常に不可解です。

この時点であれば、佐藤都志也、海野隆司、郡司裕也誰でも選び放題でした。にもかかわらず、後に育成で高卒捕手を指名するものの、本指名はゼロです。

また、そもそも頓宮を指名した時点で、彼の強みと弱みを把握しており、弱みである捕手としての守備力を理解していたはずですから、百歩譲って頓宮を捕手として見ても、その守備力が即時戦力にならない事は理解しているはずなのです。

さらにドラフト前に高城を戦力外にしていますから、この時点で捕手の上位指名は決定的と睨んでいたのですが、それをスルーし二位で一番厚みのある二遊間候補を指名したわけです。

書き起こしてもやはり不可解ですから、これは他球団に紅林を渡さんとしつつ、更に二遊間を厚くする意味があったのではないでしょうか。

ん?何々?

一位で石川を抽選した同球団が三塁手を狙えるコア候補として紅林を代替的に指名したんだって??

確かに一理あります。
もしそうであるなら方向性は事前の補強ポイントとズレが無いのですが、後に指名された高卒内野手を振り返った時に、紅林がファーストチョイスかと言われれば些か疑問です。

何故か?

本指名を受けた高卒内野手は以下の通りですが、

高卒内野手
① 石川昂弥
② 森敬斗
③ 紅林弘太郎
④ 黒川史陽
⑤ 菊田拡和
⑥ 上野響平
⑦ 韮沢雄也
⑧ 遠藤成
⑨ 小林珠維
⑩ 川野涼多
⑪ 田部隼人
⑫ 長岡秀樹
⑬ 武岡龍世

事前のスカウト評を踏まえると、私は以下のように二分割できると考えています。

打力期待型(守備位置3B以上)

石川昂弥
森敬斗
黒川史陽
菊田拡和
韮沢雄也
遠藤成
小林珠維
長岡秀樹
武岡龍世
守備力期待型 (SS/2B)

紅林弘太郎
上野響平
川野涼多
田部隼人

つまり、黒川、菊田、韮澤、遠藤、武岡など、打撃や身体能力に一定の評価があるが、守備面では二遊間でなく3B以上に収まるだろう評価の選手、言い換えれば紅林の逆かつ三塁手を狙えるコア候補にふさわしい選手が残っていたわけです。

もちろんオリックスの評価が他球団と違った可能性もあるものの、だとしてもどちらかと言えば守備型に属する紅林を二位で選んだのは、正遊撃手候補たる選手を他球団に渡したくなかったのではないでしょうか。

例えば、
・数は多いが今一歩抜け出せず上野を指名した日ハム
・平沢に加え西巻を拾う必要があったロッテ
・小深田を指名したものの二遊間のスター候補は不在の楽天
・二遊間のタレントの優先度が定まらず川野を指名した西武
・彼をかなり早い段階から調査していて結果田部で代替したDeNA
・静岡にて大規模な視察を繰り返したと報じられた巨人
・小幡はいるものの競争相手が必要な阪神
・長岡と武岡を指名したヤクルト

など、紅林の需要は高かったわけです。

反対を言えば、相対的に二遊間が充実しているオリックスが紅林を指名してしまえば、他球団の二遊間育成戦略にダメージを与えられるわけです。

西村監督の意向等もあったかもしれませんが、やはりオリックスの二位紅林は他球団の編成をブロックする意図が強かったと感じています。

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広島東洋

※この球団については別途単独で取り上げるので簡易的に触れます。

まずカープの補強ポイントは以下の通りでした。

①即戦力捕手
②即戦力中継ぎ
③CF候補の外野手

①に関しては曾澤翼が残留したにも関わらず石原貴規を指名しクリア、②はパス、③が彼だったと考えています。

宇草孔基

端的に言えばこれは同一リーグ、具体的には巨人、阪神、DeNAの編成をブロックした意味が強かったと考えています。また、西武もその対象だったでしょう。

巨人は二度にわたりコメントを出すなど積極的になっており、ただでさえ丸佳浩を取られていますし、育成で宇草と特徴の近い外野手を獲得しています。また、ベイスターズは蝦名を下位で指名、阪神は育成で大卒外野手を獲得しています。

指名された大卒以上の外野手を個々の選手評で見た場合、最もコメントが出ている一人が宇草でした。更にカープは、地元広島に本拠地を置くJR西日本の佐藤直樹を狙っており、一時期は相思相愛かのような報道もありました。

彼を取られた時点で、抱える数だけは多いため中位以降でよさそうな外野手の補強を急ぐ必要が出てきたわけです。その意味で、他球団が注目する宇草を早めに指名したのではないでしょうか。

彼自身が即戦力か否かは置いておいても、同一リーグの補強ポイントとなっている有望な外野手を渡すわけにはいかないでしょう。現に宇草の後は高部、蝦名、片岡と、大卒以上は限られた選手しか指名されていません。

つまりプロの間で上位相当と評価されていたのは佐藤直樹と宇草の二名であり、その一人がまさかの一位で消えたので、4位になったメリットを生かし指名に踏み切ったのだと感じました。

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まとめ

いかがでしょうか。少しでも「他球団の編成をブロックしたのかもなぁ」というのが伝われば幸いです。

誤解のなきよう申し上げておきたいのは、彼らが入団した球団でフィットしないと言っているのではありません。長所を考えた場合に、より適した球団が存在したというだけであり、別の言い方をすればプロの間で取り合いになったポテンシャルの高い選手とも言えます。

また、フィットする球団に入れば活躍が約束されているわけではありません。むしろウィークポイントががら空きのチームは、伝統的にそのポイントが育たない事も少なくありませんし、過度な期待を背負わされて潰れる可能性もあるわけです。

さらに言えば、この妄想が正しかったとして「セリーグがドラフトの敗者か?」と聞かれれば No だと思っています。

私が思うに、二位以降の指名順位がセ・リーグからになる時点で、ある程度の報復、つまりパリーグが繰り上げて指名してくる事は予想できたはずです。その上で報道を使って餌を撒いた可能性さえあると思っています。

実際巨人の補強ポイントとして海野や宇草、阪神に海野、小深田、松岡洸希は適切と言えたでしょうか?私はデプスの観点で考えても、優先度が高いとは思えませんでした。

つまり、本当に目的とする選手がいて、その選手を取られないために駆け引きにおけるカムフラージュで報道をうまく利用した可能性があると思っています。(それが誰かは妄想の精度が落ちるので止めます)

無論、来年以降は交互にこの状態が発生しますから、駆け引きは逆になり、今度はパリーグが上位指名を報道でかく乱してくる可能性もありますね。そういった見方もドラフトの楽しみ方の一つかなと、個人的には思っております。

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以上。
全てはタラレバですが、彼らの入団自体に不満があるわけではありません。私は紅林選手以外は実際に観た事があり、その素晴らしさも十分に知っていますし、プロに入った後でどのように進化するか今から楽しみです(✿✪‿✪。)ノ。

彼らの成功を心からお祈りする事で、本シリーズを締めさせていただきます。


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