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【COL】Dakota Hudson と Jacob Staliings 獲得

※記事全体にかかる各種データは Fangraphs 及び Savant の数値を参照

印象から言えば、前者はナイスですが、後者には不安の方が大きいな、という Transaction です。


はじめに

現状のCOL (以降⛰️) が獲得する選手をみるとき「TDLまでに売れるか」「2~3年後に化けるか」のどちらかで見る必要があります。

それは当然再建期だから、です。これは以降24年シーズンが終わるまで同様で、コンテンダー様のように「補強ポイント」なんて概念で見るのは失礼にあたります。

従って今回の二人も、その視点で必要性を考えてみます。

Dakota Hudson

契約形態:
1.5M/1年

コメント:
十分に理解出来る獲得といえそうです。

彼は言わずと知れた元プロスペクトで、ドラフトイヤーから注目を集め、19年には174イニングで16勝をあげ、新人王争いでも5位に名を連ねる活躍。

彼の将来は明るいものと思われましたが、20年にはトミージョン手術、本格復帰となった22年からは首の痛みや左肩など、様々なコンディション不良に悩まされる。それでも22-23年で220イニングを消化し、先発としては水準程度の活躍をみせています。

投球の中身に触れると、本格復帰後に球速がダダ下がりし、今や平均でも92マイルを切る直球、呼応する様に球速も球威も下がったシンカー、変化量が物足りないカッター、量はいいが球速と球威が物足りないスライダーと、19年と比べるとグレードダウンしているのが現状。もちろん奪三振率も低いです。

それでも、コマンドは上昇しBB%は改善傾向で、WARも一ヶ月単位で見れば19年よりいいペースで上積みを作るなど、新しい形で活躍しているのも事実。

SPに困ってるはずのSTLがあっさりノンテンダーした事実や、⛰️という「投手はお金積まないと来てくれない過酷環境」に1.5Mで来るあたり、諸々察するものはあります。ただ、そろそろトミージョン後の肘が馴染んでくる頃ですし、右肘以外のヘルスケアが上手く行けばローテーションを埋める期待は持っていいように思います。

何よりまだ29歳。あの Dakota Hudson のキャリアがこれで終わっていいはずがありません。K/9が低くGB%が高い事が許容される数少ないクアーズを踏み台にして、トレードチップとなり、他所でもう一花咲かせるくらいの活躍を期待します。

出典:

Jacob Staliings

契約形態:
1.5M/1年
相互オプション+バイアウト(0.5M~1M変動)

コメント:
はっきり言って理解出来ません。

打つ方に関しては全盛期ですらwRC+が100(平均)に載った事は一度もなく22-23年は70未満。出塁率、長打率も低下の一途を辿っており、いくらクアーズと言えど期待出来ない状況。

守備については、21年にはゴールドグラバーとなったのが記憶に新しいですが、22-23年はDRS、FRMでプラスが作れず。

これでWARの上積みが作れるはずもなく、捕手の守備補正をもってしても2年連続で-0.8を記録。要するに衰えが顕著です。

また、昔から捕手の見切りだけはバカみたいに早いせいで、デプス的には現レギュラーの Diaz (33歳) と プロスペクトの Romo (22歳) との間がスカスカにも関わらず、Stallings (34歳) を獲得してウェイバーにかけたのが Brian Serven (27歳) という意味不明さ。

確かに Serven は昨年ダウンイヤーを過ごしましたが、22年は守備で非凡さをみせ、ブロッキング含めたAgilityも良好、数値的にもDRS +6にFRMも6.8と、生え抜き捕手が育たないチームにおいて破格の成績をみせていました。打撃は”眼球をベンチに置いてきたかな”と疑うレベルで三振の山を築くとは言え、パワーはそこそこあり、もう数年は待っても良かったのかなと思っています。てか、その為にオプション残してたんじゃないんかバカが。

しかも今オフは、Cal Quantrill を獲得 (別途記事予定) した際に、捕手プロスペクト2番手の Kody Huff (23歳) も放出してしまっています。それで Serven をウェイバーにかけて取ってきたのが 34歳のベテラン捕手ですから、理解しろという方が難しいです。

また、Stallings を獲得した際の編成のコメントも最悪で、元々PITにいて今は⛰️の特別アドバイザーである Clint Hurdle が 「”PIT”時代のメイクアップ(自己研鑽的な)、ゲームメイク、守備技術、打撃を絶賛した」という、要するに古巣で見てたヤツが近年の現実から目を背け過去の記憶で絶賛し権力で引っ張ってくる老害カスムーブである事が明言されています。

2億歩譲って Bounce Back するとしても、現レギュラーの Diaz より年上ですし、全盛期は21年(@PIT)の PA:427 Slash Line:246/.335/.369 ですから何がどう Back するのかという話。

契約額が大した事無いのだけは不幸中の幸いですので、ベテランとして投手を育てるという点には強く期待したいと思います。

Appendix : ⛰️捕手事情

現状はレギュラーの Diaz が 33歳で24年オフにFA、プロスペクトと言える存在は22歳の Romo のみですが、肝心の守備面はAAレベルですら脆さもみえており、ビッグリーグデビューまで時間が必要

この状況だからこそフレッシュな Huff (現CLE) や Serven (現CHC) との共闘が必要だったのですが、現実は再建期に2人とも放出となり、スッカスカどころか穴が空いてる状態。

今後はマイナーデプスの優先事項になると共に、コンテンダーに向かう場合はコアと言える選手を狙いに行く必要があるでしょう。

常に投手事情が苦しいチームですが、今後は捕手補強も本腰を入れなければなりませんので、マイナーを観戦する際、ここも注視していきたいと思います。

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