【COL】Daniel Bard 契約延長で何したい?
※画像は mlb.com より。全ての商用的意図を放棄します。
久々のnote更新は、きっとトレードによるプロスペクト獲得記事となるはずだ…!!
そう思ってた私がバカでした。
ここまでズレた行動がとれるとは、私は改めて山頂お笑い団の恐ろしさを実感しています。
何かって?今朝、Daniel Bard と 2024 まで契約延長が発表されました。
契約延長した以上、そこには意図が無いといけません。
ですので、まず初めに「Daniel Bard 契約延長で何したい?」と問いを定めておきます。
この答えを最後で用意する為に、いくつかの事実を拾って、どれほど問題か、言葉を繋いでまいります。
Daniel Bard について
彼の事をよく知らない方に簡潔にまとめると以下の通りです。
という事で、言わばCOLが復活させ、活躍の場を用意したと言って差し支えない選手です。
実際 Bard 自身も Rockies に多大なる感謝の言葉を述べており、契約延長の打診は「狂っている(いい意味で)」と評して喜んでいました。
なら契約延長は喜ぶべきでは、って??
甘い、甘い、甘すぎます。これはそんな単純なものではありません。
ここが問題
年齢
まず彼は、現在37歳のリリーフです。
通常の感覚で言えばここから二年半保有するのはリスクが高いです。
ただ近年リリーフどころか先発でも高齢選手は居ますし、ましてや彼はイップスによって6年ほど肩肘が消耗しておらず、他の投手より寿命が長いという解釈もあるでしょう。
ですのでここはまず、一般論として否定の要素がある、程度にとどめておきます。
他にも問題はたくさんありますから。
金額
リリーフに金かけると身動き取れず弱くなりますよ、と言われて久しい世の中。二年19Mという金額。
執筆時点でオプション等の話が聞こえてこない事から、AAV9.5Mを二年間と想定します。
かつて、とんでもないおとぼけリリーフ三人衆に大金つぎ込んだ時代よりはマシなものの、近年30代後半リリーバーが手にする金額としてはかなり高額と言わざるを得ません。
これも一般論として否定の要素があると言えるでしょう。
ただし Rockies の場合やや状況が違います。具体的には、Kris Bryant が28年、Ryan McMahonとKyle Freelandが27年、Antonio Senzatelaが26年、Germán MárquezとElias Díazが24年までと、長期契約を乱発している状況です。
しかも、しかもですよ??彼らの契約は全員カウントアップ方式であり、つまり Bard が残る 23 年、24 年と、年を追うごとにペイロールがカッツカツになっていくわけです。
そこに???あえての???リリーフに???AAV 9.5M????
自分たちがNYMかLADかと勘違いしている異常者としか思えません。
時期
何故今締結してしまうんですかね??今ってTDLの真っただ中ですよ???
100歩譲ってBardを売る気が無く、延長を打診したかった、つまりTDL抜きにに考えても、年齢的なものを踏まえたら現在の Bard のパフォーマンスが本当に実力か、見極める為にもっと時間をかけてシーズン終盤に打診すべきでは?
去年の成績を思えば、今年がアップサイドかどうかを判断できない状況で複数年契約を結ぶのは下の下です。
つまりこの時期に契約を結ぶ意味は、TDLで彼を売る気が無いと内外に示し、「彼は売らないから○○の取引をしよう」と示す程度の意味しか持ちえません。
ですので仮にCOLがこの夏誰も売れなかったら、ただのバカだと断言して良い契約時期でしょう。
編成
これが最も問題です。
まず現有戦力。
前述の通りアクティブ ロースターの主要選手は長期契約でロックされており、つまりここからクローザーと複数年結ぶという事は、現有戦力で優勝争いを行う必要があります。
ですが現状、野手は fWAR で24位、投手は18位と、このメンバーで全く結果が出ていない状況です。
更にファームに目を向けてみます。
ファーム充実度ランキングは、BAで24位、.comで24位、B/Rで21位、P1500で24位とくっっっそ薄いです。
Zac Veen など期待できる選手は居るものの、所謂 Super 2 が狙えて、上に来て分かりやすいインパクトを期待できる選手は皆無です。
要するに、「上は弱く、下も弱く、金に余裕がない」状態です。
この状態ですべきことは何か?
普通に考えたら、今上にいる選手を若手に変換する事ではないでしょうか。
あるいは、同じようにファームランキングで下をさまよい続けている Nationals のように売りと買いを繰り返す事。
そのどちらもせず、ただただ今居る良い選手に長期契約を提示するだけの、勝利を目指さない編成。
Bard への提示はその極めつけと言っていいでしょう。これをコンテンダーを呼ぶことは出来ません。
まとめ
初めの問いに戻ります。
問「Daniel Bard 契約延長で何したい?」
答「根拠がなく破滅的な状況で、優勝争いしたい」
という事のようです。
本当に希望ない??
一つだけポジティブな情報として、彼の苦労した経験やリーダーシップは、クラブハウスやブルペンで非常に良い存在感を放っているとの事です。
格となる選手が、誰も彼もリーダーシップにかけるので、その点は非常に頼もしく感じます。
願わくば捕手との連携を通じ、野手まで含めたチーム全体に、そのリーダーシップが届く事を強く願って、本noteを締めくくりたく思います。