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【COL】補強評価と注目ポイント

いつも3000字以上は書かないと決めており、今回もなるべくオーバーしないようにしますが、今回ばかりは長文になるだろうと、始めに述べておきます。

長いのは嫌なので、なるべく簡潔には書きますが、結論からいれば今年優勝争いする可能性は皆無なので「余程暇で無い限り注目するチームではない」と言えるでしょう。

にも関わらず、何故だがそんなチームに注目しなければならない、そんな物好きに向けたnoteです。

補強評価

はじめにオフに獲得した選手にコメントします。

投手陣

まず、Rockies はクアーズフィールドという超打高球場をホームとしている関係上、最近TORなんかで流行っている「無走者で一発浴びるくらいなら全然良いから質の良い球どんどん投げようぜ」というコスパ良い戦略は取れません。

空振りと長打が表裏一体である事が明らかなFBRにおいて、針の穴を通すようなコマンドが無い限り、クアーズでは打ち損じを期待する事の優先度が高まっています。

そのため投手のドラフト、外部補強、あるいは育成までもが、グラウンドボール>奪三振という異常な方針になっています。

例で挙げれば、2022年に60イニング以上投げた投手の内、奪三振率が10を超えたのは抑えのDaniel Bardのみで、その全員がGB%>FB%となっています。しかも、そのBardですらGB%51.7という異常っぷり。

このことから、どのような経路の投手獲得であっても、GB%/FB%をみれば、「ああ、またそういう理由ね」と納得できるのです。

その意味で、Brent SuterNick MearsNick GarciaPhillips ValdezFernando Abad, さらには一時のイメージから一転して技巧派になっている Brad Hand 辺りの獲得は、GB%枠と言っていいでしょう。ある意味Rockiesらしい補強。

ですが、明らかのその意図と異なる選手も獲得しています。

まずなんと言っても Pierce Johnson 
実は彼もGB%は50を超えるのですが、なんと奪三振率が13%!!

元々彼は地元デンバー育ちという事もあり、球団としては、今年一年結果を残せば、お得意の長期契約提示も有り得そうです。

野球はクアーズだけでやるわけではありませんので、彼のような奪三振率が高い投手も必要である事から、この補強はナイスと言えそうです。

次に Connor Seabold
BOSからクレームした投手ですが、奪三振率9.33で、FB%>GB%という珍しいタイプ。まだ27歳ですし、アウェイで活躍できる投手として期待したい。

最後に Jeff Criswell
直球こそ93-6mphなものの、スライダーとチェンジアップの質が良く、コンスタントに空振りを奪えます。

彼もまだ24歳という事で、今後期待したい良い補強と言えるでしょう。

 野手陣

正直ここは駄々被りしない限り評価できるのですが、見事に被りませんでした。

というのも、コアだけがすっぽり抜けた野手陣においても、Blackmon や Grichuk といった居たらそこそこ使わないといけないベテランや、二年以内にデビューしてくるプロスペクトが野手に集中している事から、補強のしようがないからです。

ですので、Brendan Rodgers がケガをしたら Macmahon を2Bにして Mike Moustakasを、Grichuk がケガをしたら Jurickson Profar を補強したのは、実に理に叶った補強だと考えます。

また、二人とも、転売対象である C.J. Cron が居なくなっても活かしようがあるのも良いポイント。

という事で、補強に対する総合的な評価としては上々、5段階で言ったら3はあげて良いのかなと思われます。

いや、3なのかい、って思われるかもしれませんが、同地区の補強と比較したら、決して4なんかあげられません。

あくまで既存戦力の邪魔をしなかった、という点だけ評価できると言えます。

注目ポイント

結論

ハッキリ言いますが、ありません。

大袈裟とかウケ狙いとかではなく、声を大にして、ここは注目だよってポイント、ありません。

こういうのって、脂が乗っていて、誰が考えても楽しみにできる選手を挙げるべきだと思っているのですが、そういう意味ではやっぱり、ありません。

強いていえば圧倒的な守備力でゴールドグラバーとなった Brendan Rodgers だったのですが、早速ケガしたので、もう、ありません。

そもそもどの媒体でも地区最下位、30球団全体でも30-26位を予想されてるチームに、みどころなんて、ありません。

とは言っても、個人的にはいくつかあるので、みどころというにはやや弱く、不確定要素も含まれる、という事を念頭において、以下にポイントを挙げてみます。

Kris Bryant の起用法

以前にも述べましたが、球界屈指のUTバットマンたる彼を捕まえておいて、LFに幽閉するなどあってはなりません。WARの観点では、お金をドブに捨て続けているのと同義と言えます。

ただ、今年は少しその機運に変化の兆しが。具体的には、Blackmonで埋まっていた RF、一時的に空いた 3B、Cron 転売想定での1Bなど、様々なオプションが ST で試用、あるいは球団コメントとして出てきました。

個人的には一向に埋まらない CF も出来るだろうと思っていたのですが、去年の長期離脱を考えるに、もはや1㍉もセンターラインで期待してはいけないでしょうから、LF以外で起用されるだろう彼が、どのような打撃成績を残すのか?は注目ポイントと言えそうです。

Germán Márquezの逆襲

ハッキリ言いますが、各種予想サイト、彼の事を舐め過ぎです。

サービスタイム6年ちょっとで、クアーズホームの先発投手が、合計fWAR17.3ですよ?これがどれだけ偉大な事か。

確かに去年は調子が悪く、ほぼすべての指標が落ちましたが、それは球種の豊富な彼が抱える、コンビネーションのあやとして重要な直球の質が落ちた事が原因。

その分析が完了し、STでは新しいアプローチで直球の質を改善しました。

後は変化球とのコンビネーションを調整するだけで、かつての輝きを取り戻すと確信しています。

Ezequiel Tovarの育成

今年本格デビューするプロスペクト。Rockies には Story 以降まともな SS が居ないこと、マイナーデプス上も薄い住所な事から、彼へかかる期待は非常に大きいです。

また、昨年は実質的にAAAを飛び級してメジャーデビューするなど、球団内の期待も大きく、今年は開幕戦から末永く正遊撃手として期待されています。

ただし、AA 自体に評されていた「三振が少なく、守備が上手い」という評価は、MLB と AAA のわずかな出場機会で懐疑的な状況になっており、三振率は25%、守備はDRS-3、OAA-1、RngR-1.0 という結果。ちなみに三振は ST でも AB 52 に対して 10、守備も 19 試合で 2 エラーしています。

Rockies はマイナー組織も打高環境な為、そこでの守備が上手い=MLB でもやれるというイメージを持たれがちですが、ただでさえレベルが上がり続けている MLB に飛び級でデビューさせたツケを払う形で、打撃と守備の両面で分かりやすく壁にぶつかる可能性があります。

その為 Brendan Rodgers のようにしっかりと AAA を経験させ、大きく育てた方が良いという判断の元、シーズン途中のマイナー降格もありえます。ただし、名に見えて分かる俊敏性や、体格に似つかわしくないパンチ力など、高い才能を持っている事は、AA を観ているファンなら誰でも知っています。何よりまだ21歳ですから、焦る必要はありません。

プロスペクトランキングやROY投票等による追加指名権に釣られて才能を潰すのは余りにも惜しい素材ですから、球団には育成に重きを置いた適切な判断が求められると言えるでしょう。

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