明日も２１時半からサブミッションを伝えます。柔術ではなく、サブミッションを伝えるって話。

世田谷にあるIglooで生粋の柔術家である山中健也さんや米倉大貴さんと練習をさせてもらったり、彼らのレッスンする姿を見て柔術に対する自分の向き合い方に変化を感じています。

僕が柔術のコンペティションに出ていたのは2004年から2005年までです。その期間で黒帯にもなり、パンアメリカン選手権に出たり、日本国内ではトップでした。それ以来、柔術の試合は2016年にプロ柔術をしたくらいです。当然、道着を着た柔術の練習はしていないし、柔術の世界的な流れも追っていません。僕が離れている間に柔術はまったく別物になっていたし、MMAと完全に切り離されています。

MMAが先にある柔術と競技柔術

僕はMMAを見据えて柔術をしているし、MMAので一部として柔術を捉えているから、殴られるポジションは排除するし、サブミッションを極めることをゴールとします。

ただ現代の柔術家の多くはMMAを見ていないし、MMAを志して柔術を始めるのではなく、柔術をやりたいから柔術を始めています。これは柔術としてはいいことだと思うし、MMAを混ぜることなく柔術道場として成り立つ例が出ているから、喜ばしいことだと思います。

目指すところが違うから、柔術論になったときには話が合わないし、2019年か18年に話題になった青木真也の柔術論の賛否のような話になるのです。僕個人はポイントをとる技術には夢中になれないし、格闘技は投げて抑えて極めるものだという強い信仰があります。

山中さんや米倉さんの技術と研究心。

彼らは日々研究して、練り上げています。見かけると練習をしているし、37歳になろうとする僕には到底出来ないであろう練習量をしているのです。ウエイトトレーニングして、グラップリングプロ練習して、研究して、プライベートレッスンして、柔術練習して、クラスを１日にするなんて、どうかしてる。こう書いていていると異常さが際立つし、ゆとりが全くないです。

彼らを見てそう感じるのだから、彼らが崇拝するルーカスレプリや橋本選手は想像を絶する領域なのであろうと思っています。。

そんな彼らを見ていて、自分が道着を着た柔術を教えるのは失礼にあたるのではないかとの想いが湧いてきたのです。そもそも今の柔術を教えることはできないし、僕自身に興味がない。強い弱いは別にして、今の柔術を教えることができないのだ。

僕の出る幕はないのかなと思った。

オレは何を教えたらいんだろうと思ったときに。。

だが。。そんなことはない。僕には誰にもないものがある。
人は歪であることが好きだと再三言ってきたけれど、歪だからこそ発達した部分がサブミッションとコントロール術だ。これに関しては日本で右に出る者はいないだろうし、MMAと合わせて教えることができるのは僕だけであろう。

セミナーやクラスは毎回好評です。何故、僕のMMAグラップリングは支持されたり、好評なのかを考えると見えてくるものがあります。

現在進行形の現役だから技術屋としての意味がある。

現在進行形で実戦に立ち続ける現実がそこにあるから。引退して指導に回ると技術に関しては停滞しているし、日本では技術屋は現役で活躍している選手がほとんどだと思います。

指導者とはいいアドバイザーであればよいと思っています。指導者と技術屋を一緒にしがちですが、僕の中ではまったくの別物です。

これに関してはパラエストラ八王子の塩田さんと会話の中で、ジムを持つとどうしてもジムの運営に割く時間が増えて技術を練る時間が減るから、今の技術は外注してでも入れないとダメだと話になって、僕だけが感じている問題でもなさそうです。

トライフォースやカルペディエムなどの柔術道場の運営が好調なのは（外からそう見える）システムや理念はもちろんだが、現在進行形の技術を現役選手がインストラクターを務めることでアップデートし続けていることもあると思っています。その意味では一人の先生がずっとやる八百屋スタイルの個人経営は、コミュニティを維持することに尽力しないと難しいし、同じジムでも異なる形態だよなと思います。

現場で競い合うからリアルがある。
だからこそ現役で居続けたいし、現役を辞めたら向き合い方は変わるし、変えなければいけないと思っています。現役だからこそ出るリアルな技術は信用と信頼があると思っています。

　先週の１回目は多くの人が集まってくれて、クオリティが高いものをいい温度で届けることができたと思っています。そうなのです。人数が集まってくれることで温度が上がって、気持ちいい温度でできるのです。今週も１４日金曜日の２１時半から開催します。会員様以外でも２０００円で参加していただけるクラスで丁寧に回って教えていける規模ですので、安心して参加してください。

それでは明日会いましょう。朝７時博多発の便で東京に帰ってきて練習したので、さすがにぐったりしています。明日は元気に迎えるためにゆっくり休みます。