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自粛を自粛した不要不急の路上プロレス。目隠し乳隠しと大仁田厚でスッキリしたよねって話。

自粛要請が延長。センバツ高校野球も中止が発表された日。

僕はさいたまスーパーアリーナの控え室にいた。
DDTの路上プロレスに出るために。2015年に初めてプロレスに参戦したときは格闘技関係者からは湿っぽい反応があったのだけれども、今は青木真也がプロレスをしても当たり前のこととして通り過ぎている気がする。5年も好きで続けているし、プロレスラーとしての顔も認知されているひとつの現れだと思っている。

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ちなみにさいたまアリーナの控え室に演者として居るのは、2015年末の桜庭和志戦以来になる。さいたまスーパーアリーナは2006年の大晦日から様々な思い出が詰まっている。勝って泣き、負けて泣き。男なら泣くんじゃないと言われても、そこには毎回涙があった。毎回が勝負であり、人生を賭けた大一番として挑んだから積み上がった物語があるのだろうと思う。

控え室にいるレスラーたちは揃ってどこかにストレスを抱えているように見える。
それもそのはずだ。政府の自粛要請から発したイベントの中止自粛ムードはDDTも例に漏れず、3月のこれまでの大会が中止になって道場マッチに切り替わっている。お客さんの前でお客さんの熱を感じて、共に創っていくことを価値としているレスラーにとって、演者として人の役に立つことができないストレスはパッと例えが浮かばないほどだ。

スポーツは無観客でいいかもしれないが芸事は無観客ではダメだ。

格闘技選手やアスリートの方々は無観客でも試合ができればいいのだろうけれども、演者やレスラーからすれば無観客では満たされないのである。僕も無観客で試合をしても選手や職人としては満足できても、演者としての面では全く満足ができない。

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那須川天心の「お客さんと創る」言葉の重さ。

那須川天心さんと解説で一緒になった際に無観客試合について尋ねてみたことがあります。那須川さんは「お客さんと創るから、僕はどう創っていいかわからない」的なことを仰っていて、演者として共感したし、トップアスリートだけではなく、演者としても一流の稀有な存在なのだなと感じました。

感染症対策が重要なのも重々に承知しているし、今が大事な局面であることはわかっているのだけれども、演者としては相当なストレスを強いられる局面であるし、経済的なダメージも大きく、何とかしてイベントをできないかと皆が四苦八苦しているのが正直な現状だ。

不要不急の路上プロレス。

そんな中で路上プロレスをabemaTVが生放送してくれる。
ここから1週間は視聴できるのでまずは見てほしい。まずは話は見てからだ。

「不要不急」をタイトルにいれてくる。劇薬大仁田厚もそこにブレンドする。
DDT高木社長やabemaTV関係者の現状に対する「このままじゃいけない!」気迫を感じるし、そうなれば選手サイドも気合が増すのは当然のことだ。なんだかんだで仕事は浪花節で行われることが多いし、最後は気合なのは格闘技もプロレスも仕事も共通している。

青木真也が目隠し乳隠しルールでチャンピオンに挑戦する。

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