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女子の試合ではなぜ首投げをよく見るのか。そしてMMAにアジャストした投げはどうすればいいのか。

女子選手は首投げからの袈裟固を上のレベルでも見るには何故だろう。

先日、知り合いから、こんな素朴な質問をいただきました。
ロンダラウジーは別格だったとしても、日本人選手は多くの選手が使うし、相手が逃げられないケースが多い。これは男子では見られない光景だし、男子選手では袈裟で抑えると逃げられたりバックを取られるリスクを加味して攻防の中から排除する傾向にあります。使わないからこそ練習でたまに使ったときに効果的でスパイスとして入れたりはしますが、メインに置く技ではないし、むしろリスクがあるから使ってはいけない文脈においています。

そもそも日本人女子選手の柔道出身者の割合が高い。

日本は柔道大国です。ファイトスポーツの女子の中ではダントツの競技人口を誇るのが女子柔道です。母数が多く競争があるから、女子柔道の選手が身体能力が高いし、実際に女子柔道の選手を教えていると身体能力が高いし、幼少期から組み合っている選手独特の体幹の力を持っています。

女子柔道から選手が流れるのは当然だし、MMAに少しアジャストすれば今の女子の競技レベルであればすぐにトップ戦線に躍り出ることができるはずです。実際に渡辺華奈、浜崎、三浦彩佳、平田樹、大島(修斗)、キングレイナ、中井りんと思いつくだけでも柔道出身の選手が多い。この中で渡辺選手と大島選手は強化選手にまでなっているはずなので柔道選手としての格が違う。

ほとんどの選手が首投げを使うし、MMAで柔道を全面に出して闘っている。

首投げのリスクと技術的に未成熟だから通じる首投げ。

首投げは失敗すると相手にバックを取られるリスクがある。今の女子のレベルだとバックを取られても体力でひっくり返せるのかもしれないが、男子ではその攻防が命取りになるのでほぼない。それは前に書いた通りだし、僕の場合は首投げに来てくれたら喜んでバックをとってフィニッシュに向かう。そのくらいリスクのある動きだ。

ただ今の女子の場合はフィジカル的に柔道出身者が圧倒している場合もあるし、競技レベルがまだまだ未成熟だからこそ、首投げと袈裟が決まってしまうのだと思います。

現状は女子だから決まっている技だと思うし、あれを見た柔道出身の男子選手が真似をすると痛い目に遭います。そもそも男子の場合は柔道出身の選手が来てもすぐに活躍することはないし、柔道出身の僕は柔道よりも格闘技をやっている時間の方が長くなっています。

でも投げ技はタックル系のテイクダウンと比べてすぐにサイドを取れるし、四つ組からのテイクダウンが有効であることは事実です。これはうまく使って自分のゲームに役立てたい。そこで投げ技をうまく使ってリスクを少なく有効にテイクダウンする策を書いていきます。

オーバーフックで投げる。メリットとリスク。

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