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証言!『DREAM』(14)「無知を知った初の全米デビュー戦」

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証言!『DREAM』(14)「無知を知った初の全米デビュー戦」

 今回は2009年大晦日の『DREAM』×『戦極』の対抗戦を終え、年が明けた2010年。『ストライクフォース』でのギルバート・メレンデス戦を中心に振り返る。実はこの一戦で“バカサバイバー”は数多くの気づきがあったという。いったい何を気づかされたのか!?(聞き手◉“Show”大谷泰顕)

◉『STRIKEFORCE NASHVILLE』(2010年4月17日、アメリカ・テネシー州ナッシュビルのブリヂストン・アリーナ)

STRIKEFORCEライト級タイトルマッチ(5分5ラウンド)
○(王者)ギルバート・メレンデス vs.青木真也(挑戦者)×
5R終了 判定3-0(50-45、50-45、50-45)

以下、今回の記事の一部を紹介

#センスがないマッチメイク
#年頭のイベントに不参加した理由
#無知を知った初の全米デビュー戦
#それでもお前をかつぐ


センスがないマッチメイク

――“バカサバイバー”、まず、前回の『Dynamaite!! 2009』(2009年大晦日、さいたまスーパーアリーナ)の補足をさせてください。
青木 あ、そこから。
――あの大会では、北京五輪柔道金メダリストという、直近の五輪で金を取った日本人の石井慧が吉田秀彦とのMMAデビュー戦を闘ったじゃないですか。
青木 ありましたね。
――それに関してどう思っていました?
青木 なんとも。
――なんとも?
青木 ええ。ただ、あの時に石井がズラしたじゃないですか。
――ズラした?
青木 世間のニーズに並走しなかったっていう。
――ああ、そういう意味での並走か。
青木 それと、あれはただ試合をしただけでしょ? 
――吉田秀彦と?
青木 そう。だからハネなかったんですよ。
――ただ試合しただけだったから。
青木 ええ。しかも、あの時の相手が吉田っていうのもどうかと思いますけどね。
――どうかと思うっていうと?
青木 吉田×石井っていうセンスはどうかと思いませんでした?
――あれは最初、有明コロシアムでの『SRC』で実現するはずの試合を、『Dynamaite!! 2009』にスライドさせたんですよね?
青木 そうだったと思いますけど、それにしたってセンスねえなあと思いましたよ。
――今から10年くらい前の話ですけど、いくら石井が現役の柔道五輪王者だったとしても、そう簡単にMMAに対応できないことは、試合前からわかっていましたもんね。
青木 その当時ですらそう思っていたし、MMAの黎明期と違うわけだから、長く近代柔道をやっていればいるほど、急に順応なんてできないです。
――ええ。
青木 だからあれですよ。
――あれ?
青木 大晦日にあったフロイド・メイウェザーJr.×那須川天心。
――ああ……。
青木 それと同じだと思っていたから。
――このサイトで試合が発表された段階から、正面から向き合ったら結果は見えていることを、“バカサバイバー”は語っていました。
青木 だからバカだなー、と思ってましたね。
――ちなみに視聴率でいうと、16.4%を取って、民放第1位を獲得しています。
青木 そうなんですね。今の倍以上だ。
――そうなりますね。それと、さいたまスーパーアリーナに関して言えば、あの大会を最後に、スタジアムバージョンでの仕様で、格闘技の大会が開催されていませんね。
青木 いや、それに関してはちょっと違いますよ。
――違う?
青木 そもそもゲート収入をアテにするコンテンツではないわけだから、いまの格闘技は。

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