留学生って、最高にかっこ悪い。
やられた。気を抜いていたら、他の日本人留学生の「じぶん意識高いですオーラ」にまんまとあてられてしまった。自分もアメリカでの留学体験をブログにあげているから、周りから見たら私も同じように見えているのかもしれないけれど...。でも、一つ言わせて欲しい。決定的に違うところが一つある。
私は、「留学したら、自分の価値が自動的に上がる」とは、一切思わない。
***
自分の留学体験を元にビジネスをやろうとしている人をたまにwebで見かける。海外進学、留学情報に飢えている日本人は意外とたくさんいるので、その人たちにサービスを提供することに関しては、大大大賛成だ。
けれど、海外留学して成長した自分、成功した自分のストーリーを前面に出して、「あなたも僕みたいになりたいでしょう?」という宣伝の仕方を見ると、私はどこかで「違う」と思ってしまう。
最近、携帯からインスタグラムを消したのも、それと似た理由からだ。「留学先で、こんな素敵なところに行ったよ!」「外国人の友達を作ったよ!」「私こんなに頑張ってて、こんなに外国語もできるようになったの!!みてみて、私すごいでしょ?」 留学してる自分かっこいい!! という雰囲気。もううんざりだ。
海外留学って、そんなもののためにするものだろうか。
***
インターネットの世界では、そりゃあ自分を外の世界に見せたいように着色して発信する。当たり前だ。発信する彼らも、留学中に一度は、大変な思いを一度はしているはずだ。言葉が通じない苦しみや、カルチャーショック、挫折、孤独感。日本で培った常識や自信は、全て裏切られる。長期留学中は、嫌でもかっこ悪い自分と向き合うことになる。そんな苦しい中で、自分を奮い立たせるために、「周りに見せたい自分」をSNSに投稿する人もいるだろう。だとしたら同情の余地はある。
留学する人の多くは、学びたいことがあって留学に来る。それが言語だろうが文化の違いだろうが、何であれ、自分を成長させたくて留学に来る。けれどその動機が「もっと自分を好きになるための留学」、いやそれ以上に「就活で有利になるための留学」だったとしたら、私は悲しい。特に、後者のためにアメリカの大学に編入した日本人には、何人か会ったことがある。苦しい。なんで、って思う。なんでそんなことになっちゃったの、日本?と何度か思った。
高校時代、国内で進みたい大学と学部が定まらなかった私は「自分が将来やりたいことを探しに、アメリカの大学に進学したい」と思った。アメリカの大学では、学部変更が簡単にできるからだ。進路相談でそれを先生に告げた時には、「日本の大学に行かなかったことで、日本での就職に困るのではないか?」と反対された。
でも、自分のやりたいことがわからないままで、どうやって将来就きたい職のことまで考えられるの? という気持ちは、誰に何と言われても消えることはなかった。
日本で進学して、就活を終えた同期の友人たちはよく言う。「やりたいことがないから、みんなとりあえず就職するんだよ」と。
それが間違っているとは別に思わない。ただ、私にはその考え方が、しっくりこなかっただけなんだ。
幸いにも、この4年間、日本で自分が受けてきたのとは全く違う教育システムに身をおいて、自分が将来進みたい方向も見つかった。
自分がこの先一生関わっていきたい分野が見つかり、次はその分野への関わり方ーーつまり職業ーーを絞っている段階だ。大学卒業後は、美術館で学芸員としてインターンをさせていただけることになった。自分は美術館学芸員になりたいのか、そうではないのか。このインターンが一つの判断材料になってくれればと願う。
***
留学を通して達成したい目的が何であるかは、人によって違うだろう。けれど、これだけは共通している。留学は、その目的に近づくための手段でしかないのだ。
だから、「留学」と言う肩書きと、そこから語れる「自分のストーリー」だけでは、自分の市場価値は上がらない。
そこから自分が他人のために何をしてあげられるのか、の方が大事であって、そのためには自分のスキルやアイデアを、もっと発展させていかないといけないんだ。
だから、留学しただけで自分に箔がつくと思ったら、大間違いだぞ。...なんてね。
最後になりますが、最後まで読んでいただいて、ありがとうございます...!
インターン中の様子はこちらからどうぞ!
読んでいただき、ありがとうございます!