【MIL】スプリングトレーニング直前!! アクティブロースター争い
ブルワーズ担当のあなんです。
今回は、スプリングトレーニング(ST)で繰り広げられるポジション争いについてお話しします。
〇 先発(5)
NRIの選手まで並べてみましたが、先発に関して語ることはありません。マイナーオプションのないHouserとWilsonはロングリリーフとしてブルペン待機になるでしょう。
19年ドラフト1位のSmallはロングリリーフで開幕を迎えます。昨年は先発としてデビューするも、登板機会は2試合のみ。AAAでは制球難に苦しみ、終盤はリリーフに回されていました。出力が低く、コマンドも怪しいSmallをリリーフ起用するというのは非常に不安ですね。
〇 リリーフ (8)
ブルペンは世代交代が始まりました。3年以上ブルワーズにいる選手はDevinのみ(傘下は除く)。フレッシュな顔ぶれが並んでいます。
開幕ベンチにはオプションのないメンツを優先的に入れてみましたが、40人枠内にもパワーピッチャーが多く、スプリングトレーニングが終わっても競争は続くとみられます。
NRIにはHaderのトレードで獲得したGasserや、イスラエル代表としてWBCに出場するStockなどがいます。日本でプレイしていたRea(レイ)とVieira(ビエイラ)もいますね。
Erceg(エルセグ)は、22年終了後にマイナーFAになっていましたが、すぐに再契約を結びました。27歳の彼のキャリアは山あり谷ありです。大学では二刀流プレーヤとして名を馳せ、2016年にドラフト2巡目(全体46位)でブルワーズに入団。キャリア序盤は打者として非常に高い評価を受け、2017年のチーム内プロスペクトランキングでは7位にランクインしていました。しかし、19年にスランプに陥ると、もともと酒好きだった彼はアルコール依存症と鬱病かかってしまいました。当時の苦悩は下の記事で語られています。
その後、恋人や恩師などの支えもあり、21年に二刀流として復帰、シーズン中盤からは投手に専念していました。昨年はAAとAAAで49試合61イニングを投げ、防御率4.55。フォームの再現性に欠け、ストライクをとるのに苦労している一方で、速球は常時96-98mph出しています。2023年最大のサプライズになるポテンシャルを秘めていて要注目です。
ちなみに、彼のグローブには6/10/20(2020年6月10日)という刺繍が施されていますが、これは禁酒宣言をした日だそうです。
○ 捕手 (2)
トレードで獲得したContrerasはレギュラー確定です。守備が改善されれば向こう4年は安泰ですね。
NRIとしてキャンプに参加するQueroはベネズエラ出身の20歳で、2019年の国際ドラフトで入団しました。パワフルなバッティングと地肩の強さが売りで、打撃・守備双方でプラスの評価を受けています。
○ 一塁手(1)
STいちばんの注目ポイントはここ。Tellezとプラトーンを組む右打者の争いです。
先日、ナショナルズからFAになっていたLuke Voitとマイナー契約を結びました。ここ2年は怪我の影響で成績は低迷。昨オフにノンテンダーFAとなると、ST直前まで買い手が現れないという状況でした。
彼の持ち味はとにかくパワー。強い打球を打つ力があり、20年にはア・リーグHR王に輝きました。しかし三振も多く、昨年のK%はリーグ下位4%、whiff率にいたっては最下位クラスです。
あれ、似たような人がブルワーズにいますね。右打者で、パワーが売りで、でもアプローチが壊滅的に悪くバットに当たらない。
そうです。Keston Hiuraです。昨年の成績を並べてみましたが、出場試合数の違いはあれど瓜二つ。一塁の守備もともに平均以下。そっくりです。
何より厄介なのは、左右の相性。
下の表はTellezを含めた3人の昨年の左右の成績です。
対左の成績は左打者のTellezのほうが良く、対右の成績は右打者のHiuraのほうが良い。Hiura(Voit)とTellezのプラトーンはお互いの良さを打ち消してしまうのです。じゃあプラトーン争いではなく、正一塁手争いでは?という話ですが、アプローチの優れたTellezを2人が押し退けるというのは厳しいでしょう。
いずれにせよ、VoitがHiuraのライバルであることに変わりはありません。マイナーオプションのないHiuraは、3月が勝負の1か月。早ければST終了と同時にDFAされてしまいます。
いやぁ感慨深い。18年のPSで知ってからブルワーズを(薄目で)追っていた私には、Hiuraがスターに見えたんですけどねぇ。
○ 遊撃手(1)
・Willy Adames (R)
Adamesについて言及することはありません。唯一気になるのは、エクステンションの有無。本人はエクステンションの意思はあると語っていますがどうなるやら。
○ 二塁手・三塁手 (5)
UriasとAnderson以外は当落線上にいます。全員打撃が大きな課題。バウンスバック候補がたくさんいるこの中で、誰が抜きん出るか注目です。個人的にはルーキーのTurangに期待しています。
○ 外野手(4)
レフトYelich、センターMitchellは確定。外野を全てこなせるTaylorは今年はライト。ただ、肘の捻挫(elblow sprain)で3月中旬まで欠場するため、開幕戦はAndersonが座るかもしれません。2年目のMitchellがMLBの壁にぶつかったらTaylorがセンターにまわるでしょう。この辺は柔軟に動かせそうです。
NaquinはVoit同様、アプローチに難があるもののパワーツールに定評があり、バウンスバックの可能性は十分にあります。ロースター入りを果たしたらTaylor / Andersonとライトでプラトーンを組めますね。12月まで外野は左打者ばかりでバランス悪かったですが、Andersonの加入でいい具合に整った感じがします。
NRI選手で注目なのは、プロスペクトランキングTop100にランクインしたFrelick(フレリック)とWiemer(ウィーマー)。Frelickはアベレージ型のリードオフマン、Wiemerはパワーヒッターという対照的な2人ですが、双方足が速く、昨年の盗塁数はそれぞれ21と30です。守備に関しては、2人ともセンターを守れる足と肩があり、Mitchellがいる現状はFrelickがレフトでWiemerがライトに移る見込みです。ちなみにFrelickはイタリア代表としてWBCに出場します。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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