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【MIL】2022年シーズン総括【投手編】

ブルワーズ担当のあなんです。


2022年、ミルウォーキー・ブルワーズは86勝76敗の地区2位。2018年から4年連続進出していたポストシーズンを逃しました。

そんなブルワーズを先発・リリーフ・野手に分けて総括していきます。

今回は先発、リリーフ編。

○ 総括 〜先発〜

今シーズンは怪我に泣かされたシーズンでした。

NLの先発WAR推移
太いネイビーがMIL

開幕時点では、Burnes・Woodruff・Peralta・Houser・Lauer・Ashbyと、一定以上の活躍が見込める6人がいました。そのため、ローテにも非常にゆとりがあり、先5人をローテで回しつつ、谷間で2年目のAshbyを挟む算段でした。実際、スタートダッシュは絶好調。7人目先発として契約したUreñaを4月末にあっさりDFAしたほどです。


しかし、5月末にWoodruffとPeraltaが離脱すると事態は急変。AAAからSmallとAlexanderをデビューさせ、ChiChi Gonzalezをウェーバーで獲得するなど、とにかく枚数不足に悩まされます。ちょうど大型18連戦の真っ只中だったこともあり、この問題は深刻でした。そして、慣れない中4日先発が祟り6月下旬にAshbyも離脱。Burnesも本調子とはいえないピッチングがオールスター明けまで続きました。


7月後半に入って復調したかに見えましたが、8月に再降下。頭のPIT、CINシリーズを1勝5敗。LADシリーズではHouserとBurnesが炎上して2試合22失点を喫するなど、散々たる結果におわります。この月の先発勝利数はわずか5勝。NLワースト2位タイです。


9月は、前月からfWARが伸びており(0.9 → 3.2)、復活したように見えます。しかし実際は、試合の経過に拘わらず早めに交代させられており、先発が崩れるのを意図的に抑えていただけ。この月は初めて、1試合あたりの先発イニング数が5を切っています。早めの降板に関しては、怪我がちだった先発陣を考慮しての策だったと感じます。しかし、これがハマらず、中旬にPeraltaが離脱。そして開幕からローテを守ってたLauerも怪我でILに入りました。


開幕ローテ6人のILムーブまとめ
赤がILに入っていた期間

このように、5月末から先発は入れ替わり立ち替わりでILに入っています。2人の離脱以降、6人がそろい踏みした週は一度もありません。


確かに開幕前は期待値の高い6人が揃っており、WS制覇を狙えるローテだったのは間違いありませんでした。しかし、彼らしかいなかったというのもまた事実。離脱時に穴を埋められるプロスペクトが全くいなかったのです。尤も、プロスペクトの薄さは開幕前からわかっていたことではありますが。


そしてそのしわ寄せがブルペンにきたわけですが、、、(リリーフ総括に続く)。


○ 総括 〜リリーフ〜

NLリリーフfWAR

6月までは勝ちパのHader・Devin・Boxberger、今年飛躍の年となったGottとMilnerがフル回転。抜群の安定感で地区首位キープに貢献していました。一方で、投げすぎ感も否めず、TDLでのブルペン補強は必須という状況でした。


そして運命のトレードデッドライン。前月から徐々にボロが出ていたHaderを放出して、代わりにTEXからBush、SDからRogers、SFからRosenthalを獲得しました。狙いはHaderの穴埋め、そして開幕ブルペン組の負担軽減でした。


しかし、これが揃いもそろって大外れ。全くといっていいほど機能しませんでした。むしろ8月を境にMILブルペン全体で被本塁打が急増。僅差の場面で幾度となく一発を喰らいました。

そして9月。過労死寸前の開幕ブルペン組に追い打ちをかけたのが、先ほども挙げた先発投手の早期降板。もう彼らに1, 2点のリードを守る余力はなく、ただただBlown Saveを重ねました。今季MILのBS数は計29回ですが、うち16回を8~10月の2ヶ月強で占めており、この期間では両リーグワーストの数字です。


春先から酷使してきたブルペンの運用に関してはベンチワークだけの問題ではないと感じます。ロクに点をとらず、彼らを出さざるをえない状況にした打線に問題があります。これは次回の打線編で。


○ 総括 〜個人編〜

ここからは、個人に目を向けます。評点は通ってる大学の成績評価と同様、A+、A、B+、B、B-、C 、D、Fの8段階。DとFは落単です。


〇 Corbin Burnes

32G 12 - 8 ERA 2.94 202.0 IP 243 SO BB 51 WHIP0.97 bWAR 4.1

評価:A+

今年もブルワーズのエースとして君臨。開幕ローテメンバーのなかで唯一通年でローテを守った。細かい指標は昨年と比べて悪化しているが、なんだかんだ1年頑張った。奪三振243はNL1位。


〇 Brandon Woodruff

27G 13 - 4 ERA 3.05 153.1 IP 190 SO BB 42 WHIP1.07 bWAR 2.7

評価:A

1か月の離脱が響き、規定投球回には10イニング及ばず。それでも復帰後は18登板中13回QSを記録する、非常に安定したピッチングをみせた。安定感だけならBurnesより上回っていた印象。1年投げ続けていたら間違いなくA+。


〇 Freddy Peralta

18G 4 - 4 ERA 3.58 78.0 IP 86 SO BB 27 WHIP1.04 bWAR 1.0

評価:C

開幕2ヶ月は5~7回を2、3失点でまとめていたが、5月末に肩の怪我で60日ILへ。8月頭の復帰後は登板間隔と投球イニングを慎重に管理するも、9月上旬に再び離脱。結局シーズンの半分近く故障者リストで過ごし、期待を大きく裏切る1年に終わった。


〇 Adrian Houser

22G 6 - 10 ERA 4.73 102.2 IP 69 SO BB 47 WHIP1.46 bWAR -0.8

評価:D

奪三振マシーンが多いMILローテで唯一のシンカーボーラ。打たせてとるピッチングが持ち味だが、今シーズンは四球が原因で失点する試合が多かった。7月頭に離脱した後は不安定なピッチングが続き、8月のLAD戦での炎上を最後にブルペンへ幽閉(と思いきや、すぐにローテに穴が空いて復帰)。オフのトレードの弾候補。


〇 Eric Lauer

29G 12 - 7 ERA 3.69 158.2 IP 157 SO BB 59 WHIP1.22 bWAR 1.5

評価:A

ローテ5番手として開幕を迎えたが、気づけばBurnesに次ぐ2番手へ。自身初の2桁勝利を飾った。昔の投球フォームと比較すると、テイクバックが小さくなっており、これが飛躍の要因の一つとみられる。


ちなみに、Lauerといえばこれ。
Nobody likes Dodgers(^o^)


〇 Aaron Ashby

27G 2 - 10 ERA 4.44 107.1 IP 126 SO BB 47 WHIP1.43 bWAR -0.5

評価:B+

5月末のダブル離脱以降ずっと先発を任された。コマンドは日によってまちまち。調子よいときは左右関係なくシンカーとチェンジアップで空振りを奪っていたが、悪いときは全く変化せず簡単に外野まで運ばれていた。ただし負け数ほど悪くはなく、順調にレベルアップしている。


7月末に5年$20.5Mの延長契約を結びました。

【年俸内訳】
サインボーナス:$1M
23年:$1M
24年:$1.25M
25年:$3.25M
26年:$5.5M
27年:$7.5M
28年:$9M club option (+$1M buyout)
29年:$13M club option

最短でのFA権取得は27年オフだったので、それまでのサラリーを確定させたことになります。金額は非常にリーズナブルで、ブルワーズにとってはありがたい契約になりました。


〇 Jason Alexander

18G 2 - 3 ERA 5.40 71.2 IP 46 SO BB 28 WHIP1.62 bWAR -0.8

評価:B-

6月にデビューした29歳のオールドルーキー。スリークォーターよりやや低い角度からシンカー、スライダー、チェンジアップを投げてゴロを量産する。デビュー戦で97球7回3失点の好投をしたが、徐々にコマンドの粗さが露呈。Ashby同様、甘く入った動かない変化球を痛打されていた。今年はローテ事情に応じてブルペンとローテを行ったり来たりしていたが、来年はコアメンバー次第でローテに入るとみられる。


以降、リリーフ。

〇 Devin Williams

65G ERA 1.93 60.2 IP 14.2 K/9 4.5 BB/9 WHIP1.01 bWAR 2.1

評価:A+

今季も7月までセットアッパーとして君臨。開幕直後は劇場型を繰り返していたが、5/13~8/4にかけて30試合連続無失点、開幕から8/4まで被HR数ゼロと圧倒的な支配力をみせた。登板数65試合は自己最多。9月からクローザーに固定されると、10/1までセーブ失敗はゼロ。Haderに代わるクローザーは君だ!!また、オールスターにも初選出。WBCもアメリカ代表として出場する予定。


〇 Brad Boxberger

70G ERA 2.95 64.0 IP 9.6 K/9 3.8 BB/9 WHIP1.23 bWAR 1.1

評価:A+

勝ちパターンの一角として主に7回を投げた。70試合登板はチーム最多。Devinと共に1年間ブルペンを支えた功労者である。来季はクラブオプション($3M)があり、個人的には行使してほしい。


〇 Hoby Milner

67G ERA 3.76 64.2 IP 8.9 K/9 2.1 BB/9 WHIP1.18 bWAR 0.4

評価:A-

今シーズンが飛躍の年となった31歳の変則左腕。球速は平均90mphにも満たないが、シンカーとカーブ、チェンジアップを低めに集める丁寧なピッチングで抑えていた。変則投手のわりには左右を苦にしてなかった印象。


〇 Trevor Gott

45G ERA 4.14 45.2 IP 8.7 K/9 2.4 BB/9 WHIP1.02 bWAR -0.4

評価:B

敗戦処理として開幕を迎えたが、5月から4人目のリリーフとして勝ちパにつなげる役割を担う。別の記事でも書いたが、8月に離脱していたのが痛かった。


〇 Brent Suter

今年はロベルト・クレメント賞にノミネート

54G ERA 3.78 66.2 IP 7.2 K/9 3.0 BB/9 WHIP1.20 bWAR 0.3

評価:B-

今年は開幕から打ち込まれ、敗戦処理にまわされる。後半戦は唯一安定して複数イニングを投げれる便利屋として重宝したが、昨年と比べるとやはり物足りなかった。


〇 Peter Strzelecki

30G ERA 2.83 35.0 IP 10.3 K/9 3.9 BB/9 WHIP1.23 bWAR 0.5

評価:B

6月にMLBデビューした27歳右腕。初めはMLBとマイナーを行ったり来たりしていたが、徐々にMLBに定着。10/5にはキャリア初セーブを記録した。フォーシームのコマンドが良く、スライダーの曲がりが大きい。個人的に来季は彼に注目する。


ちなみに名前の読みが初見殺し。現地実況では「ストーズッキー」と発音していた。


〇 Jandel Gustave

評価:C

27G ERA 3.86 28.0 IP 8.7 K/9 3.5 BB/9 WHIP1.29 bWAR 0.1

主に負け試合で登板。シンカーでゴロを量産するタイプ。8月以降一度も登板しておらず、サヨナラボークの印象しかない。読み方は「グステイブ」ではなく「グスタベ」。


〇 Matt Bush

評価:F

25G ERA 4.30 23.0 IP 11.3 K/9 3.1 BB/9 WHIP1.04 bWAR -0.4

TDL加入組の1人。100mph近いフォーシームが全く通用せず2日に1本は被弾する散々たる内容。正直顔も見たくない。から写真も貼らない。あと2年いるってまじ?


〇 Taylor Rogers

評価:D

24G ERA 5.48 23.0 IP 14.1 K/9 3.9 BB/9 WHIP1.30 bWAR -0.5

Haderのトレードで加入。スライダーのコマンドが定まらず四球連発→被弾というシーンを何度も見た。9/6COL戦でサヨナラ満塁弾を打たれ、グラブを叩きつけようと振りかぶったとこで思いとどまり、ベンチに帰ったシーンが印象的。今オフでFA。


○ Trevor Rosenthal

登板なし

Youは何しにMilwaukeeへ????


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