【MIL】コンテンド?リビルド?明日はどっちだ!【2023年シーズン戦力分析】
先日、Twiiterで選手名の表記についてアンケートをとったところ、200人以上の回答が得られました。回答してくださった皆さん、ありがとうございます。
私はずっと英語表記を貫いていますが、その理由としては、自分自身が読み慣れている、そして表記揺れを抑えるというのが挙げられます。ただ、あまり詳しくない他球団の記事を読むとルビに助けられることもあるので、難しいところですね。
改めて、回答してくださった方々、ありがとうございました。
それでは本題。
今回はシーズン直前の戦力分析と注目ポイントをお話しします。
〇 退団&入団選手
はじめに退団&新加入選手を一気におさらい。
◇ 投手
先発はベテランのMileyと若手のJunkを獲得。大量に退団したブルペンはコントラーブルな若手で補った形です。得意の魔改造に期待ですね。
◇ 打者
資金面で大型補強のできないフロントは、バウンスバック候補を獲得し、さらに複数のトレードを敢行。出来る限りの立ち回りで戦力低下防止に努めました。
○ 戦力分析
ここからは先発・ブルペン・野手に分けて戦力分析を行ってきます。
◇ 先発(5)
ローテのメンツは昨年とほぼ変わりません。全員がそろって万全の体調で過ごしてくれれば地区優勝がぐっと近づくメンバーです。
昨年から大きく変わったのはデプス。ここ数年間ローテを張ってる5人(Burnes・Woodruff・Peralta・Lauer・Houser)に加えて、オフはJunk・Miley・Wilsonを獲得。AshbyやAlexanderもいるなか、これでもかってくらい頭数を増やしました。
ただでさえ入る隙のない強固なローテで、獲得したとてMILでは出番がないと思っていましたが、ST前後でAshbyとHouser、Alexanderが開幕アウト。やはりデプスは大切ですね。
◇ リリーフ(8)
ブルペンでは世代交代がやってきました。守護神は今年からDevin。セットアッパーはBush・Guerra・Strzeleckiらが務めるでしょう。ただ彼ら3人がSTであまり奮わないのは気がかりです。左のリリーフはMilnerのみで、Smallがリリーフ転向するという話でしたが、先日マイナーに降格しました。マジで左リリーフどうするの???
最大の懸念点は未知な部分が多いということ。これまで絶対的なリリーフ陣がコンテンドを支えてきましたが、今年はそうした、全幅の信頼を置けるリリーフがあまりいません。オプション切れの若手が3人、Strzeleckiは2年目、Milnerは昨年ブレイクした苦労人、後述するVarlandはルーキーです。今年は後半どたばたする場面が増えるかもしれません。世代交代に不安はつきものなので、こればっかりは仕方ないです。
個人的に注目しているのはPeguero。Renfroeのトレードでエンゼルスからトレードで加入した右腕です。STでも十分アピールしていましたが、オプションが残ってるということでマイナーへ。ただ、シンカーがグレードアップされていて、より縦に鋭く落ちている印象をうけました(statcastデータがないので主観的です)。元々出力の高い投手で、特にスライダーの球速はトップレベル。ポテンシャルは高いので陰ながら応援していきます。
最大のサプライズは、ルール5ドラフトで獲得したVarlandのロスター入り。昨年夏に2Aでリリーフ転向したばかりで、3Aでの登板経験はないのですが、飛び級でロスター入りを果たしました。
Varlandはドジャースから獲得した右腕で、弟のLouie Varlandはツインズに所属しています。スプリングトレーニングでは8.2イニングで35人と対戦し、ホームランを3本許す一方、1四球17奪三振、K/BBは驚異の17.00という、予想を遥かに上回る成績を残しました。HaderやKnebelといった奪三振マシーンの系譜を受け継いでくれることに期待します。
◇ 野手(13)
野手は退団選手の穴をピンポイントで埋めています。
捕手:Narvaez → Contreras
外野:McCutchen・Renfroe → Winker
内野:Wong・Peterson → Miller・Toro ・Anderson
しかし、裏を返せば大きな上積みというものがありません。昨年は一発でしか得点を稼げない不健全な打線でしたが、オフもアベレージ型の打者獲得には動かず。まぁこれがフロントのなせる最大限の立ち回りですのでボヤいてもしょうがない。
ひとつ留意すべき点は、今シーズンから導入されるシフト制限。TellezやWinkerなどのプルヒッターはこの恩恵を受けるとみられます。アベレージが上がると予測される選手は彼らを含め多くいるため、多少は繋がりがみられるかなとも思っています。
ここからは個々について。
スプリングトレーニングで猛アピールしたのがBrosseau。38打席でホームラン6本を含む12安打を放ち、OPSは1.532を叩き出しました。昨年はプラトーン起用にとどまりましたが、今年は出場機会が増えるかもしれません。
Yelichはパワーが戻りつつあり、打率.223ながら長打率は.543、OPSを.800台に乗せています。全盛期とまではいかないまでも十分復活を期待できます。
WBC出場組でいうと、UríasとTellezのメヒココンビは快調な一方、AdamesとToroには当たりがみられません。新加入のWinkerとContrerasにも快音がみられず、このままでは昨年よりさらに寂しい打線になる気がしてなりません。
前回の記事で要注目と話した、HiuraとVoitの控え一塁手対決ですが、Voitがロスタースポットを勝ち取りました。Voitは39打席に立ち、スラッシュラインは.316/.333/.526。ホームランも2本含む4本の長打を放つなど十分なアピールに成功。1年+クラブオプションのメジャー契約を勝ち取りました。
一方、Hiuraはマイナーオプション切れということでついにDFA。トッププロスペクトとして2019年に華々しいデビューを飾った男は5年目のシーズンをメジャーで迎えられませんでした。
プロスペクトに関しては、11月のロスターセットで40人枠に入ったTurangがアクティブロスター入りを果たしました。開幕戦スタメン出場が実現すれば、2005年のJ.J.Hardy以来フランチャイズ史上7人目の開幕戦デビューとなります。
なお首脳陣はTurangをセカンドで起用する方針です。Uríasをホットコーナーにおいて大丈夫なんですかね。オフェンス・ディフェンス両方の面で。UríasとAdamesの二遊間コンビが一番安定していると私は思います。
外野プロスペクトトリオのMitchell・Frelick・Wiemerですが、MitchellはSTでも結果を残し、センターのレギュラーを確保。FrelickとWiemerはAAAで開幕を迎えますが、今年中の昇格は確定的です。
○ 注目ポイント
各媒体が予想しているように、ブルワーズの立ち位置は昨年よりずっと厳しくなっています。他球団に目をやると、カージナルスは若手とベテランのバランスがよく、カブスもSwanson・Mancini・Bellinger・Taillonを獲得し確実に戦力アップしてきました。パイレーツ・レッズも昨年ほどカモにはできないでしょう。
そんなタフな戦いが予想される今シーズンの注目ポイントを2つ挙げました。
◇ 野手プロスペクト集結
今年は満を持して野手プロスペクトがメジャー級に集結します。昨年は野手のデビューがMitchellのみでしたが、今年は内野手のTurangがすでにアクティブロスター入り。プロスペクトランキングトップ100にランクインしているFrelickとWiemerも今年中の昇格が見込まれています。今年はマイナーにも目を向けていきたいです(個人的な決意)。
◇ 2025年問題を巡るフロントの動き
こちらが大きな問題。
2024年オフに現在の主力が一斉にFAとなります。
先発ローテの4人だけでなく、ファーストとショートのレギュラーまでも同時にFAとなります。ご存じ資金の乏しいブルワーズは、彼ら全員とエクステンションするなんて不可能です(Attanasioが売却すれば別か?)。
昨年は首位街道を走っていた夏、Haderを残り1.5年で放出しました。この前例を鑑みると、今年もチーム状況に応じて上記メンバーを放出する可能性が極めて高いです。フロントのトップは交代しましたが、オフの動きを見る限り(いい意味でも悪い意味でも)スタンスは変わっていません。
今年もポストシーズンを目指すという姿勢に変わりはないでしょう。しかし、その姿勢を最後まで維持するかどうかは前半戦次第。前半戦で成績が奮わなかったり、1.5年組が不調であれば躊躇なく彼らを放出して利確をはかるでしょう。そしてそれは同時に“2023年シーズンを捨てる”ことであり、2024年以降の青写真を描き直すこととなります。
今シーズンは、7月までの戦いとプロスペクトの仕上がりに要注目です。このふたつの要素が残り1.5年組の売買、ひいては2024年以降の歩む道を決めます。
(追記)
最近放出が濃厚となったのがBurnes。
先日、Burnesはスコット・ボラスと代理人契約を結びました。
今オフBurnesは年俸調停でフロントと対立し、公聴会にまで発展し、両者に軋轢が生じていました。もはやエクステンションなどありえないとみられていた中、ボラスと契約。これで今年中のお別れが決定的となりました。
2021年にサイ・ヤング賞を獲得し、まだ1.5年保有できるBurnesは引く手数多。ドジャースをはじめとした球団が手を挙げるのは間違いなく、昨年のHaderより格段に良い対価を得られるでしょう。
以上です。
開幕戦は2年連続でカブスとリグレーフィールドで戦います。昨年は寒さでBurnesの制球が定まらず大乱調。今年は寒さ対策を万全にしてStromanに投げ勝ってもらいたいです。
最後までありがとうございました。
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