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【MIL】ブルワーズ2年ぶりの地区優勝!!

日本時間9/27、優勝マジック1で迎えたブルワーズはカージナルスと対戦し1-4で敗戦。しかしカブスがブレーブスに敗戦。ブルワーズは2年ぶりの地区優勝を決めた。


開幕から安定した強さを維持したブルワーズ。シーズン序盤はパイレーツ、中盤はレッズ、終盤はカブスとそれぞれ競り合ったが、最後は2位に6.0ゲーム差をつけて地区優勝を飾った。


今回はそんな2年ぶりの地区優勝の要因について3つ挙げた。

以降、記載のない限り日本時間9/24時点の成績です。

①新加入選手の戦力化

オフに獲得した選手の活躍なしでは地区優勝はありえなかっただろう。


特筆すべきはブレーブスからトレードで獲得したWilliam Contrerasウィリアム=コントレラス。彼はチームに大きなインパクトを与えた。ホームランこそ減った(20→17)ものの二塁打が倍増(14→36)。最大の課題だったディフェンス面もキャンプでのトレーニングで見事に改善。チームトップ、かつMLB捕手トップの5.2fWARを叩き出しリーグ屈指の捕手となった。


また、Contrerasと同時に獲得したJoel Payampsジョエル=パヤンプスとエンゼルスから獲得したElvis Pegueroエルビス=ペゲーロはキャリアハイの活躍。5月後半から7回・8回を任されると、6〜7月でPegueroは29試合中23試合で無失点、Payampsは22試合中19試合で無失点。打線の振るわなかったこの期間、2人はクローザーのDevin Williamsデビン=ウィリアムスとともに幾度となく僅差で登板し勝ち星を拾った。


さらに、トレードデッドライン(とウェイバー)で獲得したベテラン3人の活躍も外せない。 Carlos Santataカルロス=サンタナは加入後46試合で9HR/27打点、Mark Canhaマーク=キャナ打率.300/OPS.842/32打点。前半戦あれだけ得点力不足に苦しんだ打線は彼らの加入で生まれ変わり、8月以降のチーム得点圏打率/出塁率/長打率は全てMLBトップだ(.316/.407/.529)。


ヤンキースからウェイバー経由で獲得したJosh Donaldsonジョシュ=ドナルドソンも11試合でホームラン3本を含む13打点。気性の荒い印象が強いが、かつてのMVPはチームメイトから慕われており、Donaldson自身もミルウォーキーを居心地よく感じているそう。ベテランの加入は成績面だけでなく、若手のお手本としても良い影響を与えた。


②堅実な働きを維持したルーキー

今年もMLB全体でルーキーの華々しい活躍が目立った一方、お世辞にもブルワーズにそのようなルーキーはいない。シーズン前半にデビューした打者は4人だが、いずれもOPSは.700以下でwRC+は100以下。fWARも1.0を切っている。同地区のルーキーElly De La Cruzエリー=デ=ラ=クルーズJordan Walkerジョーダン=ウォーカーと比較してもその差は歴然だ。

日本時間9/22時点

しかし、彼らも間違いなくチームに貢献した。Wiemerウィーマーは守備範囲の広さを生かしてファインプレーを連発。ヤンキースからマイナーFAで加入したPerkinsパーキンスも守備固めがメインながらライトのDRSはTatis.Jrに次ぐNL2位TurangトゥラングはセカンドとしてNL1位のDRS・2位のUZRを記録した。


Monasterioモナステリオ
はアベレージヒッターとしてヒットを積み重ね、7月と9月は打率.300超。7月後半にデビューしたFrelickフリレックもOPS.700中盤をキープし守備でもWiemer同様ファインプレイを連発して投手を救っている。ちなみに、今季ブルワーズは7度サヨナラ勝ちを収めたが、そのうち6度がルーキーによるサヨナラヒットである。


また、オールスターブレイク直前にデビューした22歳のリリーフAbner Uribeアブナー=ウリーベは30試合に登板し防御率1.26。常時100mph近いシンカーと横に大きく曲がるスライダーで打者を制圧し、失点した登板はここまでわずか3試合だ。

ルーキーがチームに大きなインパクトを与えたわけではないが、シーズンを通した彼らの地道な貢献が地区優勝を手繰り寄せたといえる。


③厚みのある投手デプス

先発陣は開幕から故障者が続出。キャンプ前のAshbyアシュビーHouserハウザーに始まり、開幕後はWoodruffウッドラフLauerラウアーMileyマイリーが次々離脱。昨年同様ローテ再編を余儀なくされた。


しかし昨年と大きく変わった点は、彼らの穴を埋める存在がいたということ。なんといってもColin Reaコリン=レイは数字以上の貢献を果たした。5月に一度特集したが、それ以降も安定した投球を維持。8月に降格するまで18試合に先発し5イニング以上を投げた試合は15試合。イニングイーターとして稼働し続けた。途中加入のJulio Teheranフリオ=テヘランも打ちこまれた日でさえ5回を投げ切り、リリーフの負担を最小限に抑えた。彼らはまた、プロスペクト(Robert Gasserロバート=ガッサーなど)の早期昇格を防いだという点でも非常に価値があったといえる。


8月頭にWoodruffが復帰するとMLB屈指のローテが揃い踏み。シーズン序盤不調だったBurnesバーンズPeraltaペラルタも本来の実力を取り戻し、疲弊するライバルを横目に圧倒した。8月以降の先発防御率(3.32)、被打率(.196)、WHIP(1.00)はぶっちぎりでMLB1位。8/26から9/24にかけて28試合連続1ケタ被安打のNL記録を樹立した(MLB記録は1968年BALの30試合)。


リリーフも同様にデプスの厚さが垣間見れた。序盤でStrzeleckiストレヅレッキーMilnerミルナーに疲労が見られると、6月からPegueroPayampsが勝ちパに定着。終盤その彼らが疲労で打ち込まれると、今度はUribeと5月にツインズから獲得したMegillメギルが台頭。不調のリリーフを即座にフレッシュなリリーフに代えられる層の厚さは、ブルペン勝負の目立ったシーズン中盤から終盤にかけて大きく役立った。


以上、地区優勝の要因を3つ挙げた。


ブルワーズにはスターと呼べる選手はおらず、ひとりひとりのネームバリューは他のコンテンダーと大きく劣る。タイトル・賞レース争いに食い込んでいる選手も1人2人しかいない。


それでもNL3位の勝率で地区優勝を果たした。これは全員が各々の役割を全うしたからに他ならない。スタメンであれ守備固めであれ、誰か1人でも欠けていたら掴めなかっただろう。


ポストシーズンも同様だ。ひとりひとりが体調万全にして挑めばワールドシリーズ制覇も夢ではない。


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