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安田記念 2023

過去の前後半ラップ

2021年、2022年とペースが遅いレースが続いている。それ以前は、前半の通過が45秒ミドル~後半、後半はその裏返しというラップとなっており、前半から飛ばしていくスプリンター路線から参戦してきた逃げ先行馬の存在により異なる質のレースになるものと思われる。

勝ち馬に目を向けると、その殆どが先頭から4~6馬身の位置で800mを通過しており、差し有利が顕著。道中ポジション、トップスピードとその持続力が重要になる。

各馬ラップ分析

ナランフレグ
昨年の安田記念は47.7-45.0で直線でのトップスピード負け。中間溜めて後半解放するレースでは持ち前のロングスプリントの持続性能が活かせない。(スプリンターSでもL4F44.8なので、この辺りが限界値なのかと思われる。)この後半力ならもっとポジションを取っていく必要があるが、テンは遅いのであるとすれば前半の内に押し上げるパターンしかないと思うが、最内枠ではそれも難しそう。

メイケイエール
昨年の京王杯SC 46.3-46.3(マイル換算した推定値)。この馬はワンペースな流れが得意で、それに加えて楽な追走が出来た場合に力を発揮。前を引っ張る馬がいるのは良いが、その後ろがごちゃごちゃしそうなのは良くない。陣営が逃げを意識しているのはこの馬の特徴をよく分かっているからかと。内枠に入ってしまったので包まれたときに何が起きるかが未知。綺麗な馬場で前が有利なレース展開なら好走できる。

ジャックドール
2000mのレースで馬なりで1600通過1:33.5を出せるので、スピードとしては対応出来る下地はありそう。序盤3F目にコーナーには行って減速するレースでそこから徐々にラップを加速させるレースを得意としているので、今までとは質の異なるレースに対応しなければならない点、序盤ポジションを確保するために力を使って後半どれだけ余力が残せるかという点は未知。目安としては46.0-46.0くらいで走れるか否かに思うが、こちらもやはり前が有利なレース展開が欲しい。

セリフォス
安田記念 47.6-44.8、富士S 46.9-45.1、マイルCS 47.7-44.8。これ見ると、あれ?こんなもん?という印象。44.8くらいに4Fの限界がありそうで、いつもと同じように後方に控えるレースを選択した場合、差し損ねもあるかもしれない。折り合い面でその選択をせざるを得ないと思われる点はマイナス。ドバイターフでは序盤に行きたがる折り合い面の悪さを見せたが、ペースが遅かった訳ではなく、14.0-11.5-11.7-11.4-11.8と前半になし崩し的に脚を使わされてしまった事がL1Fの失速に繋がったとみている。1Fの14.0は海外式のラップなので、日本でなら12.8~13.0くらいで、序盤そこまで遅いレースではありません。しっかり後ろで脚を溜めて、44.8で前を飲み込めるかどうかというところではあるが、その点、高速馬場よりも時計の掛かる馬場は好材料。不安材料が不安視されてオッズに反映されるようならシュネルマイスターよりはこちらを買っていきたいイメージ。

ソダシ
昨年のVM 47.0-45.2、マイルCS 47.1-45.7、今年のVM 46.3-45.9。ソダシのこのラップが目安になる。先行力と後半の持続力は確かなものがあり、溜めるレースよりもワンペースなレース質の方が相対的に得をしそうで、多少ペースが上がっても前が残れる馬場状態なのかがポイント。

ダノンスコーピオン
上がりに限界のあるタイプでかなり乗り難しい馬の印象。NHKマイル 46.2-46.1、富士S 46.5-45.6、マイルCS 47.3-46.0。溜めても弾ける脚を使える訳ではないので、ポジション取ってなし崩し的に脚を使っていく方がこの馬の良さが出る。そういう意味では今回先行馬が揃っていて、それに付いて行きやすい枠並びなので、番手集団の直後を追走出来れば自身の得意パターンには当てはまる形は○。能力的にはセリフォス、ソウルラッシュと差はないし、前走惨敗している事からここはかなり舐められそう。

ガイアフォース
マイラーズカップ47.1-44.4。後半タイムは優秀ではあるが、1.5馬身後ろのシュネルマイスターに捉えられた。これがこの馬の評価基準。スタートポンと出てポジションをもう少し取れて、後半の44.4をキープ出来れば面白いと思う。特徴的にもそれが可能では。但し、スタートが上手い馬ではないので、出負けしたらそこでもう頭の可能性はなくなると思っておいた方が良い。そこから無理してポジション取って後半どうにかなる相手でない。

ドルチェモア
朝日杯 45.9-48.0、NHKマイル 46.8-48.1。現状ここでは能力が足りていない。

シャンパンカラー
NHKマイル 47.4-46.4。例年に比べレベルの低いNHKマイルの勝者でこちらも能力足りていない。

ソウルラッシュ
富士S 46.8-45.3、マイルCS 47.4-45.4、マイラーズ 46.9-44.7。ラップだけ見ると、ダノンスコーピオンの上位互換みたいなラップで、能力はこちらが上の評価。一線級相手にちょっと足りないレースが続いているが、前走は大外枠から好ダッシュでポジションを確保しつつ、前に壁が作れない中でもしっかり折り合って優等生なレースぶり。高速馬場での下り坂ロングスプリント戦で最後に外から飲み込まれた形ではあったが、上位2頭はこのコースと展開に能力と適性がばっちり嵌まったイメージで、苦手なレース質を3着に踏ん張った事は評価出来る。東京へのコース替わりと時計は出ても傷み始めた馬場はこの馬にとってはプラス。道悪適性から人気してしまいそうなのは。

イルーシヴパンサー
前年東京新聞杯 47.8-44.5、前年安田 48.0-44.5、京都金杯 46.9-45.8。前半脚を使うと後半の脚に大きく影響する印象。中山記念でも序盤追って先行したが、直線でモタモタして間を割れなかったのは、余力も不十分だった可能性も考えられる。持続力よりも加速の良さや一瞬のトップスピードが持ち味なので、内前目をロスなく回ってくるレースを教えた方がいいと思う。この枠並びとジョッキーだと無難に外を回してきて脚をなくしそう。

ナミュール
東京新聞杯 46.3-45.5、VM 47.0-45.8。後半のラップに限界があるタイプで、VMでは挟まれた不利があったにしても伸びなさすぎに見えるが、そもそも溜めるより流れたペースで押し切るようなレースの方が合う可能性が考えられる。同じようなポジションを取りたいダノンとソウルラッシュとの争いで、鞍上に前に行く勇気があるかがポイントだと思う。この辺りのゾーンを狙うのなら抑えておいても。

レンドモンレーヴ
秋色 46.7-45.3、京王杯SC 48.1-44.6(マイル換算した推定値)。出遅れ、出負け癖が続いているのが気になる所。秋色Sのタイムは富士Sのソウルラッシュを上回るタイム。スタートまともに出ればテンのダッシュは割と問題ないので、好位追走ゾーンでのポジション争いに勝てるかどうかがポイントになりそう。

シュネルマイスター
前年安田 47.2-44.5、マイルCS 47.5-45.3、マイラーズ 47.4-44.1。高速馬場で前半しっかり脚を溜めれば後半の脚に繋がっている。高速ロングスプリント戦を得意としており、前走はその勝ちっぷりがかなり強く見えるけど、この馬の得意条件が全て嵌まった勝利で、今回は雨が降った後の馬場で高速馬場性能よりもタフな馬場での加速性能が問われる条件代わりであり、それで2~3倍のオッズであれば積極的に嫌いたいと思う。

マテンロウオリオン
東京新聞杯 46.6-45.6、マイラーズ 46.7-45.0。上位の馬とは力の差がある。良くて掲示板までと見ます。

カフェファラオ
前年安田 47.0-46.3。瞬発力勝負では全く力足りていなかった昨年の安田記念。雨でぐちゃぐちゃの不良馬場になってようやく足りるかどうかと思います。

ウインカーネリアン
マイルCS 47.4-46.0、東京新聞杯 45.8-46.0。東京新聞杯では、ほぼ前後半平坦なラップで前が止まらない高速馬場で逃げ切った形。マイルCS見ると控えて良さが出るタイプではなく、飛ばして後ろの脚を削ぎ落とす展開に持ち込む事がこの馬の着順を上げるためには必要。意地でも逃げるか番手に控えるかはよく分からないが、前々走控えて凡走、前走逃げて結果を残しているので、ハナを主張してくるのではないか。

ソングライン
前年安田 47.4-44.9、VM 46.8-45.4。持続力の高い終いの脚も持っており、スローのレースで序盤の機動力を活かして、他の差し馬よりもポジションを取れることが武器。今回は、同じゾーンを狙う馬が多数いるため、大外枠に入ってしまったのはマイナスと思われ、本来取りたいポジションよりも後ろになってしまう可能性が高いように思う。能力は高く、東京でのパフォーマンスは常に安定しているため、相手には押さえておきたい。

テンスピ

12.6~13.0の間に10頭が分布されたカオスな状態。ここから隊列がどうなるかはちょっと読みづらいけど、中が譲らなければ7~8枠の馬はポジション落とすか大きな距離ロスを被ることになりそう。

現状馬場が分からないので結論は出せないが、今のところ本命候補はダノンスコーピオン、ソウルラッシュ、ナミュール。最終的には内外のトラックバイアス確認してから。相手候補は、ジャックドール、セリフォス、ソダシ、ガイアフォースあたりを候補としたいので、内が乾いて生き返る馬場展開に期待したい。(その場合は本命はダノンかな~)


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