ayumi hamasaki 25th Anniversary Live PART5

※LIVEレポートのため、ネタバレを含みます。
 全部でPART1~5までの5部構成です。
 他のPARTはこちらからどうぞ。

19. Lady Dynamite

本編ラストかと思いきや
痺れを切らしたかのように
鳴り響くイントロ

スクリーンには
この曲だけ撮影OKの文字
歓喜に沸く代々木

ただで終わらないのが
浜崎あゆみの25周年

サプライズはそれだけじゃない
ステージ袖、花道横、アリーナの奥
至る所から
豪華絢爛なDIVA、DRAG QUEENが
待ってましたとばかりに
続々と登場

ダンサーズもそれに続き
一瞬で代々木が
バカでかいディスコへと様変わり

この一夜のためだけに
ここに集ったのは
どうやらTAだけじゃなかったらしい
いや、むしろTAの特別枠とでもいうべきか

文字通り
DynamiteなLady達が
思い思いに
ステージを飾る

みんな堂々としてて
ステージを楽しんでるのが伝わる


「悪いけど黙っててくれる?
 アタシ達の声が聴こえない
 どうしても喋りたいんなら
 ママに言ってね 坊や達」

「悪いけど 道あけてくれる?
 アタシ達そこ通りたいの
 行き先がもしも一緒でも
 初めましてよ 坊や達」


ラストサビに合わせて
スタッフ達もステージ上へと
浜崎あゆみ一座の総出


ayuらしいビッグサプライズ
みんなの最高の笑顔は
まさしくミラーボール並みに輝いていて

ふと2012年のParty Queenが
思い浮かぶ

その後にすぐ思い直す

ううん、今はもう
Lonely Queenなんかじゃないよね



MC


LIVE Tシャツに
ブラックのスキニーとスニーカー
一番ayuらしいアンコールの姿で
花道を無邪気に走る

“今日は 代々木中TAだらけで
ぎっしり埋まったピンクの海を
見ることが出来て本当に幸せです”


込み上げるものを堪えながら
そう話すayu

そして

“浜崎あゆみへのお祝いというよりも
色んなことがありながらも
ずっと諦めずにTAで居続けてくれた
みんなにありがとうが言いたくて”

“TA25周年おめでとう!!”

その笑顔は
要らない鎧も飾りも脱ぎ捨てて
一人の人間として
真っ向からTAと向き合う
ayuらしい笑顔

もう多くの言葉は要らなくて
その表情を見れれば十分
その声が聞ければ十分

お互いに
“諦めずに居てくれてありがとう”
と交わすその一言に
何もかもが集約されている


アンコール1曲目へ行こうとするayuに
会場全体からのサプライズ


代々木中から
その名を呼ぶ声が響き

Who…が流れ始める



スクリーンに映る文字は

“ayuがいてくれたから”

“ayuと出会えたから”

“ピンク色に染めた客席で
いつだって、待っているよ”

きっとみんな
目の前のayuへと
伝えたい想いは同じ

「これからもずっと
 この歌声があなたに届きますようにと
 これからもずっと
 この歌声があなたに届くようにと」

ayuの涙と
TAの涙


ayuが、
浜崎あゆみが
丁寧に一つずつ
大切に大切に紡いできた
TAとの絆が
代々木の隅々まで行き渡って
私たちの胸に強く強く響く



さらには
大きなお祝いのケーキと
よっちゃんのサプライズ登場


ayuも本当に嬉しそう
懐かしい二人のMCが
繰り広げられる

どんなayuも
隣で見てきたよっちゃん
その姿がステージに無いことに
戸惑いもあったけど
変わらない二人の姿を見て
一気にアットホームな空気に


25年経った今
その笑顔を
見れたことが
本当に本当に何よりも嬉しい

諦めずにいてくれてありがとうと
伝えられるこの時間が
本当に本当に何よりも嬉しい



20. Humming 7/4

お決まりの
ダンサーズ準備はいいかい?
バンド準備はいいかい?
TA準備はいいかい?
ってことは代々木全員準備はいいかい?
から始まるアンコール

「そこから見る景色はどんなかって
 名もなき人が興味深く尋ねる
 君が思う通りのもんだろうって答える
 だって説明するだけムダさ」

「僕が憧れているものは
 よくあるありふれた景色なんだ
 誰にわかってもらえなくたって
 こうして願う事だけは 否定しないでよ」

2004年のリリース曲だから
もう約20年も前の曲だけど
今のayuでも
この言葉の通り

頂点に立った
浜崎あゆみが
見た景色はどんなもんかと
好奇の目を
向けられては
説明したところで
思っているようには伝わらない
真実はayuにしかわからない

ひっそりと
願い続けた
“よくあるありふれた景色”
今のayuの目には
映っているかな

母になり
一座やTAとも
また違う家族の繋がりに触れて

身を滅ぼすほどに
愛した大切な
part of Meとは
笑って思い出話をするようになり

きっと
叶わなかった願いの方が多かったはずで
失い、手放し
もう二度と手に入らないものも
たくさんあったはずで

それでも

だからこそ

浜崎あゆみとayuが
願い続けた景色は
今その目に
映っているかな



21. Boys & Girls

ド定番すぎる
Boys&Girlsへと続く

ayuとTAとが
交互に歌う
その掛け合いが嬉しい

長かった無歓声が明けて
今まで以上に
ずっとずっと
喜びが増す一曲


「一体何が欲しくて
 一体何が不満で
 一体どこへ向かうのとかって
 聞かれても答えなんて
 持ち合わせてないけどね」

「輝き出した私たちなら
 いつか明日をつかむだろう
 はばたきだした彼女達なら
 光る明日を見つけるだろう」

もう何千回と聞いてきたこの曲も
この不測の事態を超えた今だからこそ
その歌詞が
改めて響く
何が起きてもおかしくない
こんな世の中で
こんな時代で

何が大事で
何が欲しくて
何が幸せなのか?


もう一度
この時代を
歩き出す私たちなら

光る明日を
必ず見つけられる

大事なことに気付かされる
そして
背中を押される

間奏では
サイン入りボールを渡す演出もあって
少し前までは
極端に接触を閉ざされて
出来なかったこと
数年前まで当たり前だった光景が
当たり前じゃないんだってことは
こんな部分でも
気付かされる


ひとしきり
会場を盛り上げた後

最後に
何度も
TA!TA!と嬉しそうに
叫ぶayu

会えなかった時間
すれ違った時間
その全てを埋めるように
代々木が一つになる


ayuの芯はブレない
デビュー当初からずっと


そんなに多くのことなんか
誰も望んでない

あなたはあなただけの
幸せを見つけて
あなたらしく
笑顔でいてねって

ただそれだけを
ずっとずっと
歌にして伝え続けてきてくれた

こんなに情報が飛び交って
飽和状態の今の時代
それが一番難しいことかもしれないと
大人になって思う

無邪気に
ただ欲しいものを欲しいと
素直に言えたのは
遥か遠い昔で

言えずに押し込めたその言葉を
人知れずしまい込んだその夢を
本当はまだ燻って残るその想いを

浜崎あゆみの創る世界が
いつも
呼び覚ましてくれた

何度でも何度でも
うずくまっている
本当の自分を
呼び起こしてくれた


22. Just the way you are


最高の盛り上がりの後
記憶に新しい
センセーショナルなイントロ


心の内を映したかのような
オレンジの暖かい照明の中
歌い出す

「どうして自分は周りと違う?
 どうしたらみんなと同じになれる?」

「違うことは悪いことと
 自分を押し殺して
 隠れるように馴染めるような
 道を探していた」


ひとつひとつの
言葉を
渡すように
ayuが
ありったけの想いを込めて歌う


「ねえbaby,just the way you are
 変わらないでいい
 世界中がもしもNOと言ったって」

「ねえbaby,just the way you are
 僕は君の側で
 君が君でいることの
 素晴らしさを伝え続ける」


それは
浜崎あゆみが
ステージに立ち続ける理由と
25年目の覚悟のように聴こえた


「誰かより偉いわけじゃない
 誰かより劣ってもいない」





いつもの三方礼のあと
ayuからの
メッセージ


“いつも みんならしく居てね
みんなのままで居てください”


ayuの涙と笑顔で
幕が閉じる


23. Ivy

このライブが始まる直前
TAブログで
とある呼びかけがあった

“みんなの手放してしまいたいものを
紙に書いてきてください
ayuもダンサーズも
それぞれに用意します
今日のこの代々木 ラストの曲で
それを頭上に掲げて
一緒に破り捨て去りましょう”と


浜崎あゆみは
どこまで行っても
浜崎あゆみだ

やること成すこと全てに
浜崎あゆみにしか
創れない世界が滲み出る

そう感じると同時に
ayuが捨て去りたいもの
ステージ上で
手放したいものは
何なのか
一抹の不安も正直あった

ただでさえ
今日のこの場でみんなに報告があると
言っていたayuに
不安を覚えていたTAも多かったと思う

“いつかのその日”が
着々と近づいてきているんじゃないかって
やっぱりどこかで
思ってしまう

そんな私たちの
予想を遥かに超えた
ラストの曲はIvy


「色んなことがありました
 色んな朝を迎えました
 色んな愛に出会いました
 色んな形がありました
 色んな罪を犯しました
 色んな人を傷つけました
 色んな間違いもありました
 色んな出来事学びました」

「そうして 今ここにいる」


この曲は
ただただ苦しい

だけど

今までのIvyとは違う
そう感じる

なぜなら
歌い出した後の束の間

ふっと微笑むayuがいたから


「ああ 今少しだけ過去を振り返ったよ
 そして頷いた後で大きく手を振った
 ああ前を向き直って 未来を見つめてるよ
 君の居る未来だけを 真っ直ぐ見つめてる」


まっすぐに
花道を歩き出す
その表情には
覚悟が見える


「まだまだ嫌われていますか
 まだ許されはしないですか
 まだまだ誤解されてますか
 まだ信じてはもらえませんか」

「君だけは解っていて」


それぞれの紙を手に
ダンサーズが後へと続く


「ああ 今日懐かしいあの子を見かけたよ
 自分だけの道を選び進んでた
 ああ 遠ざかる背中に精一杯のエールを
 送っていたよ 見えなくなるまで」


センターステージを
囲むように並んだダンサーズ
それぞれが頭上に
手放してしまいたいものを
掲げる


ayuの合図と同時に
みんながそれを
破り捨てる


客席で
TAも同時に
破り捨てる


「色んな笑顔を見ました
 色んな涙もありました
 色んな道にわかれました
 色んなこと 色んなこと」


「ああ 自分自身さえ 幸せに出来ずに
 一体誰を幸せにできると言うのか
 ああ 隣で同じ方向を見つめてる
 君と掲げたこの愛に胸を張っている」

「ああ 僕たちはもう限りある時間に
 ほんの一瞬さえもう 後悔したくない
 ああ 長いとは言えない人生の中で
 どれだけ心の底から笑えたかどうかだよ」


ストレートで
何の飾りもない
余計な気負いも
不安もない


真っ直ぐすぎるIvy


隣で同じ方向を
見つめながら
ayuと掲げたこの愛は
絶対に絶対に
失くさない

あなたから
受け取った
たくさんの
大切な想いと夢は
絶対に絶対に
失くさない

これ以上はもう
言葉にならなかった

だけど
確かに
ここにある
この想いがあれば

私たちは
これからもずっと
それぞれの場所で
自分の人生を生きていける

たとえ
”いつかのその日”が来たとしても

自分の足で立って
自分の手で選んで
生きていける


それを
この25年の月日が
証明してくれてる


ねえ ayu
同じ時代を生きている今
どうしようもなく
痛いほどに
あなたがいる人生で良かったと
改めて強く強く思うよ

浜崎あゆみという
私たちの
生きる希望を

命を削って
守ってきてくれたこと
その全てにありがとう

その全てに
ありがとう


「最後は君の
 笑顔が見たいから」


ダンサーズ一人ひとりを
見送った後

一人残ったayu
その手に掲げた紙には

“浜崎あゆみがキライ。”

その10文字に
息が止まった


ayuが手放したかったものに
胸が張り裂けそうだった


言いようのない感情と
これまでの25年の情景が
脳裏を走った




TAに見守られながら

それを
破って捨てる



これを
破り捨てられるようになるまで

25年という時間が
必要だったの・・・?

そのことが
痛くて堪らなかった



“自分自身さえ 幸せに出来ずに
一体誰を 幸せに出来ると言うのか”


この言葉を
ayuは
浜崎あゆみへと
伝えたかったのかもしれない


“浜崎あゆみ”として
“浜崎あゆみ”のままで
幸せを願ってもいい
幸せになっていい

やっと
ようやく
そう
許してあげられたのかもしれない



破り捨てる瞬間の
あの表情は
一生忘れない


潔さと
強さと
かっこよさと
深い愛が
混ざり合う
あの笑顔





その笑顔に

心が震えて

身体中に
電撃が走ったかのようで


全身全霊で

目の前の浜崎あゆみを

支える

ラストピースで居続けることを

もう一度

強く強く誓った





23年間
ずっと追いかけ続けた
私の憧れの人は

一生敵わなくて
一生追い続けるであろう
その人は



今日も
強くて美しい


何度も
この心を撫で
認めて救って
許してくれた
その人は


今日も
真っ直ぐな言葉で
この手を握って
この背を押してくれる

 

この先もずっと
私たちの物語は
続いていくよ

何があっても
どんなことが起きても


続けていくから





新たな未来へ
その笑顔が
ずっとずっと
あるように


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