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歴史と歴史学の間

 朝9時からデータベース論、16時40分から人文情報学研究、6時間超の空き時間! 図書館に立てこもって、Unityのコード書いて過ごした。途中ちょっとランチ兼お散歩に出て、にわか雨に降られた。雨宿りで入った区立スポーツセンターがおしゃれだった。
 今日の講義は二つとも3年生の選択科目なので、火曜、水曜の1年生必修、に比べると、人数が少ない。特に人文情報学研究は5人。よっぽど人気ないのか、と思わないでいただきたい。小規模な我が母校ではめずらしくない。こういう贅沢なことをしているから、潰してしまえ、とか言われちゃうんですよねえ。
 データベース論には宿題が出なかった!

未来の過去としての現在

 「超新星の爆発」は宇宙の歴史だけれど、ふつう、歴史学の対象ではない。望遠鏡のない時代、記録として認定されている超新星爆発は世界で7件しかないというが、そのうちの3件が、日本の『明月記』一冊に併記されている。こうなると、それは歴史学の対象といっていいだろう。
 1181年、客星を観た藤原定家は、この珍しい現象について陰陽寮に問い合わせる。すると、1006年、1054年にも記録があります、との回答。定家はこれを日記に記す。この事実は何重にも私の心を揺さぶる。陰陽寮の観測力、記録力、保存力、そしてなにより、200年近く昔の事象について回答できる検索力。目の前の事象に驚くだけでなく過去を顧み、それを書き留めた定家、それが2024年の私にまで伝わるという感動。
 陰陽寮の1006年の記録は、今、どうなっているのだろうと思わずにいられない。国立天文台か、国立古文書館か、あるいは宮内庁か、どこかにひっそりと残っているだろうか。それとも『明月記』が伝聞の二次資料として残るだけなのだろうか。
 記録を残し、それが残る、という単純な事実の裏にある、奇跡的な偶然、日本が基本、平和な国であったことの恩恵を考えると同時に、それを未来にどう受け渡していくのか、その覚悟と技術について学ぶ講座となりそうだ。

三つの超新星爆発については、すでに『四次元年表』に登録済みです。
四次元年表

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四次元年表の使い方

 
 


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