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いつ、どこで、なにが

 「四次元年表」はまたの名をWhen Where What Databaseという。
いつ、どこで、なにが、だけが必須項目だ。もちろん、検索をかけて関連を見たりしたいからいろいろなタグはつけるが、デフォルトでは表示されない。
 この情報過多の時代に、「いつ、どこで、なにが」なんてどうやってでも手に入るだろう、わざわざデータベースにする必要があるのか、と思う方も多いと思うが、これが簡単には手に入らない。わたしは毎日、四次元年表の動作確認をかねてさまざまな入力をするけれど、その三つがすっとそろわないことは、予想以上に多い。

 例えば今日は、若田光一引退会見を登録しようと思った。2024年3月29日。ところが、「どこ」かわからない。たぶんJAXAだろう。でもJAXAもいろいろだ。集まる記者のことを思えばたぶん東京だろう。でも、東京事務所か、調布の本社か、どっちだろう。都内ではないが、相模原キャンパスという可能性は? あるいは筑波とか? 仕方ない、東京事務所にしておこう。のちのち修正という手もあるし。
 どこでもいいじゃん、というのが常識的な見方だ。でも、そこにこだわるのが四次元年表だ。全ての情報を地図に落とそうというのだから。

 以前、南極の昭和基地開設を登録しようとしたときは、日付がわからなかった。1957年、は、すぐにわかった。が、1957年のほかの事象(まだ登録されてないが)との前後関係を考える上で、日付は欠かせない。なのに見つからない。さんざん探して、ある隊員が「今日は昭和基地の上陸記念日です」と書いているブログを見つけた。1月29日。なるほど南半球は夏だ。
 Wikipediaがあるでしょう、と思ってはいけない。筆者が興味を持っていない情報は落ちる。ちゃんと書かれている場合でも、長々しい記事の中から拾い出すのが一苦労だ。参考文献一覧からじぶんで調べて、というのも多い。参考文献がついていなければ路頭に迷う。孫引き、玄孫引きになると、見捨てられた情報は迷宮入りである。
 いつ、どこで、と書くのに何文字もいらない。なのに、か、だから、か知らないが、この基本が軽んじられる。
 
 すべてのできごとは必ず、ある日、ある場所で起こった。それは偶然か、必然か、判断するのは難しいだろう。けれど少なくとも、それを記録しておくのは、けっしてムダではない。

四次元年表 プロトタイプ

三次元表示 プロトタイプ

四次元年表の使い方


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