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🅂7 ファイナンシャル・プランとは

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂7

➤ファイナンシャル・プランとは
 🅂6まではライフ・デザインについて記載してきました。そしてこのライフ・デザインを実践しようとする時に、資金面からサポートするのがファイナンシャル・プランになります。🅂1で記載しましたが、ざっくりとしたライフ・デザインができると、これに合わせたアクション・プランが必要になります。ただ、ライフ・デザインは私たちの長い人生の設計図ですから、アクション・プランといってもその詳細を今から事細かく決めるわけではありません。マイルストン毎に、あるいは短期的な課題毎に決めていけば十分でしょう。一方でファイナンシャル・プランは、長い期間も俯瞰してみていく必要があります。その為便宜上、人生の一般的なモデルを想定しながら作成していくというのが、「初めの一歩」ということになります。

 ➤「行動が資金の必要性を生む」という原則
 ファイナンシャル・プランにはまず前提となるアクション・プランが必要ですから、これは「行動が資金の必要性を生む」ことを意味しています。ところが実際にファイナンシャル・プランを作っていくと、逆転現象が起こったりします。シミュレーションの段階から、ある年代で資金的に余裕が出ると、もともとライフ・デザインにないようなものに資金を使おうとします。つまり、お金の一時的な余剰が、想定外の行動を生んでしまうのです。例えばちょっと車好きの方が「ポルシェを買う」といったことをイベントにしてしまいます。これは本末転倒なのですが、誰しも陥りやすいとても魅力的な罠です。本当に1千万円以上もする車が欲しいなら、自分のライフ・デザインの中に初めから織り込んだ方がいいでしょう。ポルシェが※非地位財になる方ならそれもありです。(※地位財・非地位財については下記をご参照ください。)

 もちろんライフ・デザインは、流動的で不確実なプランですが、「行動が資金の必要性を生む」という原則は変わりません。ここを明確にして行動しないと、思わぬ散財をする羽目になり、本当に想定外の資金が必要になった時に、多くの選択肢を失ってしまいます。

ファイナンシャルプランは修正を繰り返しゆっくりと詰めていく
 ライフデザインもそうですが、人生という長いプロセスを考えた場合、あまり詳細なプランは意味がありません。そもそも人生の前提条件がどう転ぶかわからないからです。ファイナンシャル・プランとは、あなたの人生に必要な資金面でのガイドラインです。大きく外れていないかどうかチェックし、必要に応じて行動や計画の修正を行えばいいのです。その結果に一喜一憂するものではありません。車を買えばその年のキャッシュ・フローは赤字になりますが、これをファイナンシャル・プランに折り込んでおけば、計画通りということになり済々とやっていけるものです。詳しくは後述しますが、私の場合は家計の精算はほぼ年に1回のみです。最初は月単位で家計簿を作るのもよいかと思いますが、ある程度生活パターンは固定化するので、収支で動きのあるものは限られてきます。何年か続けることで、自然に生活形態にあったプランが出来上がっていきます。

➤ファイナンシャル・プランの横軸と縦軸
 前述したファイナンシャル・プランの一般的なモデルとは、人間の価値観の共通する部分を前提にしたものをいいます。価値観が多様化したといっても、その基礎的な部分はある程度似通っています。結婚するかどうか、子供を育てるかどうか、こういった選択肢を決めていくことでベース・プラン出来上がります。まずは基本的なイベントである就職・独立・結婚・子育て・住宅購入・退職老後などに関するの選択を行い、次にこれをベースに私たちのライフ・デザインに合わせ付加的な部分の追加・修正などをおこなっていきます。厚労省や日本FP協会などが提供している、ライフ・シミュレーションを試してみると具体的なイメージがわきますので、ぜひ一度トライしてみてください。

 さてこう考えると、プランの横軸は決まってきます。前述した人生の一般的なモデルから「ライフ・イベント表」というものを作成します。これが横軸のベースになります。下図のように家族構成と年齢を基礎情報とします。

ライフ・イベント表

 次にこのライフイベント表にぶら下がるのが、毎年の「キャッシュ・フロー表」になります。「キャッシュ・フロー表」は、収入と支出を管理します。またその結果としての余剰資金はストック明細表という形で管理していきます。下の表は年単位で詳細をシミュレーションするためのものです。まず何年かの実績をおき、それを基に試算していきます。今回は縦軸をざっと眺めていただくだけで結構です。

ライフイベント表/キャッシュフロー表/ストック明細表


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