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第1章 自分をどこまで信用する?~認知エラーについて

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい…
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#バイアス

🅂1 自分をどこまで信用する?

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂1 ▽錯視というのがあります。下の図はミュラー・リヤーの錯視としてよく出てくるものです。私には上段の線が長く、下段が短く見えます。横線の長さは同じですが、両端についている短い斜線の効果で私のような錯覚に陥るというものです。 ノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者で「ファスト&スロー」の著者であるダニエル・カーネマンは、この錯覚に逆らうために私たちにできることはたった一つしかない、といっています。 「羽根

🅂21 「もう一人の自分」を知る

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂21 ▽この章では行動経済学によって明らかにされてきた数々の例を参考にしながら、私たちの日常的な認知エラーについて考えてきました。ここで、🅂12で記載した内容の一部を再掲したいと思います。システム1やシステム2の働きと認知エラーについてもう一度確認し、その対処方法を考えていくためです。 (1)私たちは日常的に意思決定を行いますが、即決できるものは別にして、何らかの課題について思考を始めると、まず①情報収

🅂12 少しだけまとめてみると...。

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂12 ▽セクション2~3のサンクコストのあと、セクション4からセクション11まではヒューリスティックについて記載しましたが、やや長くなりましたので少しまとめてみます。内容は以下の通りです(それぞれのセクションのタイトル名とは違います)。 ▽セクション4では、システム1・2の役割とどのようにヒューリスティック(置き換え処理)を行うのかを記載し、結果のいい加減さにも触れています。セクション5では、まずエキス

🅂10 思い込んだら後には引けない…。

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂10 ▽確証ヒューリスティックとは、私たちが直感で「正しそうな答え」を思いついたときに、これに頑なに拘ってしまうものです。アンカーがめったにない閃きとともに降りた来たために、ついつい跳びついてしまうということなのでしょうか? ▽確証バイアスをWeblio辞書(デジタル大辞泉)で引くと「自分の願望や信念を裏付ける情報を重視・選択し、これに反証する情報を軽視・排除する心的傾向」とあります。私はこの言葉を意味