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第1章 自分をどこまで信用する?~認知エラーについて

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい…
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#行動経済学入門

🅂1 自分をどこまで信用する?

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂1 ▽錯視というのがあります。下の図はミュラー・リヤーの錯視としてよく出てくるものです。私には上段の線が長く、下段が短く見えます。横線の長さは同じですが、両端についている短い斜線の効果で私のような錯覚に陥るというものです。 ノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者で「ファスト&スロー」の著者であるダニエル・カーネマンは、この錯覚に逆らうために私たちにできることはたった一つしかない、といっています。 「羽根

🅂19 夏休みの宿題と異次点間選択(3)

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂19 ▽前回までのお浚いを少し。 🅂17では異時点間選択において夏休みの宿題を例に、「後回ししたり前もって計画的に進めたり」という異時点間選択を決めているのは何かということを検討しました。その結果「時間割引率」の高低(個人差)や双曲性(個人の割引率の変化)が大きく影響していることが確認できました。 🅂18では、こうした当初の判断が時間の経過によって、どういう影響を受けるかという視点を加えました。結論として

🅂18 夏休みの宿題と異次点間選択(2)

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂18 ▽前回は「宿題を後回しにする」という選択をする方は、「指数割引で割引率の高い人」か「双曲割引のひと」の可能性があることを記載しました。とはいうものの、私自身は「双曲割引」(後回し傾向が強い)であるにも関わらず、予め計画をたてて宿題を事前に済まそうとするタイプでした。ではなぜそうした判断をしていたのでしょうか、その辺りの原因をもう少し考えてみます。前回はあくまで「夏休み当初の決定」に絞り込んだ検討をし

🅂17 夏休みの宿題と異次点間選択(1)

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂17 ▽戻り梅雨も過ぎ去っていよいよまたあの暑い夏の日差しが戻ってきました。子供たちにとっては待ちに待った夏休みの始まり、私の子供の頃は1年の中でこんなにわくわくすることはなかったように記憶しています。夏休みといえば、「夏休みの友」をはじめとした数々の宿題の山。私は夏休みの初めに一通り予定を決めて、早めに済ましたいと思っていました。夏友はたいてい1週間くらいで終わるのですが、そのほかの工作や自由研究といっ

🅂13 おいしいビールは一杯目だけ⁉

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂13 ▽東京はこのところ6月とは思えない猛暑続きで、家で仕事をしていても夕方になるとキリっと冷えた生ビールが恋しくなってしまいます。ところでこのビールですが、1杯目は思わず「うまっ!」と声に出してしまうほどですが、2杯目、3杯目とおいしさが半減していくような気がします。私はビール好きですが、最近は身体のことを考慮して普通は350ml缶1本にしています。美味しいビールを出してくれるお店でも、せいぜい2杯です