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第1章 自分をどこまで信用する?~認知エラーについて

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい…
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#ヒューリスティック

🅂1 自分をどこまで信用する?

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂1 ▽錯視というのがあります。下の図はミュラー・リヤーの錯視としてよく出てくるものです。私には上段の線が長く、下段が短く見えます。横線の長さは同じですが、両端についている短い斜線の効果で私のような錯覚に陥るというものです。 ノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者で「ファスト&スロー」の著者であるダニエル・カーネマンは、この錯覚に逆らうために私たちにできることはたった一つしかない、といっています。 「羽根

🅂12 少しだけまとめてみると...。

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂12 ▽セクション2~3のサンクコストのあと、セクション4からセクション11まではヒューリスティックについて記載しましたが、やや長くなりましたので少しまとめてみます。内容は以下の通りです(それぞれのセクションのタイトル名とは違います)。 ▽セクション4では、システム1・2の役割とどのようにヒューリスティック(置き換え処理)を行うのかを記載し、結果のいい加減さにも触れています。セクション5では、まずエキス

🅂11 好き嫌いで決めます!!

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂11 ▽私は人事企画の仕事を何年か担当しましたが、採用グループの仕事は隣で見ていてもなかなか大変だったように思います。面接を受ける学生側からすると、面接官は高圧的だったり好き勝手なことを言ってるように見えるのかもしれませんが、実際は大きなプレッシャーで頭を抱えています。1名の採用につき3億円近い人件費投資、100名で300億円です。彼らが働く40年間、しっかり利益を出してくれる人材を採用しないと、会社は傾

🅂10 思い込んだら後には引けない…。

「A little dough」 第1章 自分をどこまで信用する? 🅂10 ▽確証ヒューリスティックとは、私たちが直感で「正しそうな答え」を思いついたときに、これに頑なに拘ってしまうものです。アンカーがめったにない閃きとともに降りた来たために、ついつい跳びついてしまうということなのでしょうか? ▽確証バイアスをWeblio辞書(デジタル大辞泉)で引くと「自分の願望や信念を裏付ける情報を重視・選択し、これに反証する情報を軽視・排除する心的傾向」とあります。私はこの言葉を意味