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思えば遠くへ来たもんだ。

「好きなことを仕事にする」

最近よく耳にするフレーズだ。

会社に属さず、やる意味のわからない仕事に明け暮れず、組織の歯車にならない働き方。その一つがブロガーで、その一つがユーチューバーで、アフィリエイトや広告の収入や企業からの直接の『原稿料』で生活をする。

好きな時間に働ける。好きな人と仕事ができる。全て自分の意のままに…まるでそれが一番魅力的な生き方のように言われている。

「これからは、みんなそうになるよ」なんていう人もいる。

でも、本当にそうだろうか?


井上あお35歳、沖縄生まれ。

去年の今頃は「この先ずっと沖縄で生きていくのかなー」なんて思っていたのだけれど、現在、関東近郊のベッドタウン的街に住んでいる。

学生時代の友人に会うと、たいてい初めに聞かれることは「それで今はどこで何をしてるの?」。

大学を卒業後13年間で経験した仕事は、バイトも兼業も含めると9つ。5年以上続けた仕事もあれば、半年だけお世話になった仕事もあるし、一度に多くの仕事を掛け持ちしていたこともある。

私自身が半年先の自分を予想できないのだから、友人たちにしたら更に訳がわからないだろう。

やりたいことは全てやって来た。むしろ、途中からはやりたいことしかやって来なかった。

そんな私だからこそ言えると思う。

「『好きなことを仕事にする』は、全然うらやましいことじゃない。」

「『好きなことを仕事にする』のは、苦労しかない。」

そう思うようになるまで、様々な過程があるのだけれど…。今まさに「好きなことを仕事にする」ために新しい世界に飛び込もうとしている人たちに、私の経験を届けたい。

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