人生初のお笑いライブ@ルミネtheよしもと

 行ってきました、ルミネの平日公演。

 生のお笑いの破壊力ってすごいな!テレビではお笑いの本当の面白さに辿り着けないと痛感した。芸人さんの「生の声」に対して我々観客が「生の笑い声や拍手」を届けることで、漫才は成立するんだなぁ。

 お笑いを初めて生で観てこれ以外にも感じることがあったし、各コンビのネタに対しても色々と感想が湧き上がったので、その全てを忘れないように記録したいと思います。


 まずは各コンビのネタから。

 1.和牛

 今日のメンツの中ではトップクラスで人気のコンビだったから、終盤じゃなくていっちばん最初に出てきたことに驚いた。前説が無かったから、確実に笑いがとれる和牛をトップバッターにすることで場の空気を温めるっていう思惑があったとみた。

 めちゃくちゃ面白かったな!何かと神経質な水田さん、っていうつかみから始まって、気づいたらクラブに行く行かないの話になってた。着眼点とか水田さんの動きや表情が面白かったし、川西さんのツッコミも面白かった。どこがどう面白かった!って的確に言語化できるわけではないけど、めちゃくちゃ面白い漫才を見たっていう後味がはっきり残ってる。

 あと多分水田さんからファンサ?もらえたので大満足。



 2.NON STYLE

 和牛→ノンスタの流れ、贅沢すぎでは!?人間ドッグのネタをやってたけど、面白いっていう感情しか残らないくらい面白かった。

 一つ前の和牛のネタで出てきた仕草とか、観に来てた子どもの笑い声とかをアドリブで漫才に入れ込んでて、生の醍醐味を感じた。他の芸人さんのネタの中のウケた要素を拝借したり、お客さんの状況を漫才に組み込んだりするの、劇場でしか見られない技術だよなぁ。他の状況を使って自分たちのネタをさらに面白くさせるっていう瞬発力とか技術を目の当たりにして、テレビでは見られない芸人さんの力量を知った。



 3.天竺鼠

 川原さんが自転車に乗って出てきて、いい意味でめちゃくちゃやりたい放題やってるって感じだった。こうやって舞台を自分の思うがままに使う姿も、テレビでは観られないよね。

 自転車で出てきたことに瀬下さんがツッコんで、それを受けて川原さんのフリートークが始まって、それにツッコむタイミングを見失った瀬下さんが困惑して、川原さんが「やめてって言ったらやめたのに」って言って、「そんなタイミングあるか」みたいに瀬下さんがツッコむ、、、っていう流れだった。

 フリートークはどれもお客さんに語りかけてる感じだったし、客層に沿った内容の話をしてたから、台本のあるネタを見てるっていう感じがしなかった。川原さんが即興で喋ってたように感じたし、瀬下さんもそれに即興でツッコんだりコメント返してるように見えた。もしこれが台本通りだったら、台本を感じさせないくらい気ままなネタを作れることにすごさを感じる。逆に台本がなかったら、舞台に上がった瞬間に客層を把握して、それに合う話を瞬間的に拵えられることにすごさを感じる。どっちにしろすごい。

 天竺鼠のネタはM-1用の台本がしっかりしてるものしか見たことがなかったから、こんなにフリーダムなネタをやることに新鮮な驚きを感じた。途中で川原さんのナスのキャラも出てきて自分の中が沸いた。この辺がコントみたいで楽しかった。一つのネタの中に漫才っぽいところとコントっぽいところが入り混じってたから、天竺鼠のネタ見てる時は時間の流れがあっという間に感じた。



 4.チョコレートプラネット

 チョコプラのネタを生で見たって、経験として箔が付く気がする。会話のネタとして自分の中に貯めておきたい。チョコプラのネタ見たって誰にでも自慢できるよね。

 多くのコンビが出るライブでどうやってコントやるんだろうっていう疑問を持ったけど、セットを立てるんじゃなくて衣装で設定を表しててなるほどと思った。2人ともカフェの店員さんみたいな格好をしてた。

 新人バイトの松尾さんに先輩の長田さんが挨拶を教えるんだけど、松尾さんが緊張しまくって語尾に「っみ」をつけるっていうネタだった。夏休み特別公演で子どものお客さんが多かったから、子どもでも分かりやすくてシンプルに面白いネタを持ってきたんだろうな。「っみ」っていう響きとか、「っみ」を我慢すると松尾さんの人格が変わるとか、我慢しすぎると体内に「っみ」が溜まって吐き出さないといけなくなるとか、全ての設定がシンプルで何も考えずに笑えた。途中で松尾さんのボビーのものまねがあったのもめちゃくちゃ面白かった。



 5.オズワルド

 今日の本命!「お世話になってます」から「一旦辞めさせてもらいます」までを生で聞けたの、オズワルドファンとしてさすがに嬉しすぎる。テレビで観るときは「一旦辞めさせてもらいます」をはっきり聞き取れないけど、いざ劇場に行くとちゃんと聞き取れたので嬉しかった。

 テレビ用の漫才とか賞レース用の漫才だといきなりネタの本題に入るけど、劇場でやる漫才はつかみがあって新鮮だった。オリンピックの話で、めちゃくちゃ時勢を取り入れてた。こういう時事ネタを織り込んだつかみが聞けるのも、生の漫才の魅力だと感じる。

 ネタは「東京のお母さん」だった。畠中さんの頭のおかしさが炸裂してて最高でしたね。東京のお母さんと東京のお父さんと自分っていう3人家族は成立しない。

 あと伊藤ちゃんのツッコミ、本当に耳に心地いい。有楽町蟹で伊藤ちゃんの生声を聞いたことはあったけど、漫才のツッコミっていう状況で声を聴くとより良さを感じる。ツッコミの緩急とトーンの高低のバランスが本当に気持ちいい。



 6.コロコロチキチキペッパーズ

 コロチキは絶対にコントをやると思ってたから、漫才やっててめちゃくちゃびっくりした。自己紹介をして、西野さんだけ拍手めっちゃもらえるのにナダルは1拍手だったっていうつかみ、面白すぎた。お客さんが参加できる時間があるのが楽しい。

 お題に沿うものをせーので言って、それが重なったら勝ちっていうゲームをするネタだった。西野さんが言うものがことごとく珍しいもので、何回かやってからナダルが「お前、モテたいんか?」ってツッコんで、振り返ったら確かに全部モテそうなもので面白かった。何気なく言ってるであろうものが実は伏線だったっていうのが気持ちよかった。

 伏線回収がこれだけじゃなかったのも気持ちよかった。ナダルが言ってるものは全部熟女ウケを狙ってるものっていうことが後々判明して、それを踏まえて一番最初を振り返ると確かに熟女にウケそうなものだったから、この伏線も最初の最初から考えられていたのが鮮やかだった。

 笑える面白さもあったし構成の妙もあったから、コロチキの漫才をもっと見たいと思った。M-1出て二冠獲ってほしい。


 

 7.インディアンス

 今日出てた8組の中でダントツ一番笑ったし、客席のウケ具合も桁違いだった。後半の方は全てのボケに対して拍手笑いが起きてた気がする。インディアンスの漫才はM-1とかで度々観てるけど、M-1でかけてる勝負ネタより面白かった。多分あのボケを畳みかける感じって、生で観た方が面白いんだろうな。一息つく間もなくボケが繰り出されるから、本当に笑いすぎて酸欠になりそうだった。たぶっちゃんすごい。

 出てきた時に、一つ前のステージに出てたトレンディエンジェルの真似してたのも生ならではだった。あれは実際やると難しいらしい。

 サザエさんのネタ?だった。ネタの中核がサザエさんだったのか、ネタの要所要所にサザエさんが挟まれてたのか忘れちゃったけど、サザエさんのボケがめちゃくちゃ出てきてたね。次回予告やるときに緊張しすぎるタイコさんって、目の付け所が面白すぎる。



 8.コマンダンテ

 9組の中で唯一、初めてネタを見るコンビだった。最初はめちゃくちゃローテンションだなぁって思ったけど、そのローテンションがネタに欠かせないことがわかってクセになった。これから注目していきたいコンビ。

 輪唱とか探偵とか道でぶつかった人が転校生だっていうシチュエーションをやりたいんだよねっていうネタ。探偵のくだりの中で度々挟まれるCMが面白かった。



 9.レイザーラモン

 ピンでの活動のイメージが強くて、2人並んでるのを見るのが新鮮なまであった。あとHGさんのスーツ姿を初めて観てびっくりした。

 これはもう、漫才を観てるというよりショーかサーカスに参加してる気分だった。HGさんが寝転がったRGさんを足で持ち上げて立たせるっていうパフォーマンスをひたすらやるネタだったんだけど、HGさんの筋力に改めて恐れ入った。足だけでRGさんを持ち上げられるの、どれだけの筋肉があれば可能なの!?持ち上げられてるRGさんも顔真っ赤にしてたから、持ち上げられるのもめちゃくちゃ大変そうだと思った。最後持ち上げられたまま直立してたの、観てる側も達成感があった。




 各ネタの感想はこんな感じです。

 初めて生でお笑いを見た所感としては、前のネタとか客席の状況が即席でネタに組み込まれるのがとても楽しいということと、サンパチマイクの集音力がすごいということ。

 前者はネタの感想の中にもかなり出てきてたけど、その場の様子とかを受けてネタが柔軟に変わっていく様を見るのが新鮮でとても楽しかったです。テレビでネタを観ても、こういう柔軟性とかこれを可能にする芸人さんの頭の回転の速さを目の当たりにはできないから、この辺は生でお笑いを観ることの最大の楽しみであり醍醐味だと感じた。

 後者は生でというより、劇場っていうスペースで漫才を観たからこそ気づけたことだと思う。テレビの舞台だと下の方に集音マイクがいくつもついていて、芸人さんがサンパチの前を離れて喋っても声の大きさが一定に聞こえるけど、サンパチ以外にマイクがない劇場だと、サンパチから離れたところの音は全く拾われないことに気づいた。だから少しでも横を向いて喋ったときはマイクを通さない地声が聞こえたし、その地声でも客席に十分響いてるっていうのが興味深かった。テレビの漫才を観ると芸人さんの声量は必ず一定だけど、劇場だとそうはいかないのが面白い。



 というのが全ての感想と気づきです。生のお笑いの魅力にどっぷりハマったので、早速他のチケットも取ることにしました。

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