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30代、未経験から海外で転職する 実践編

こんにちは、ワールドフリーライターの青星いるかです。
ニュージーランドとセブ島に移住していたことがあります。

今日は30代から海外で、未経験で転職する方法についてお話したいと思います。

結論から言うと、まずは学校や講座に通うことをオススメします。海外だと特に、未経験者の採用はあまりしないからです。即戦力が求められます。

そのためにも、まずは経験の代わりに学校や講座で補ったほうが無難です。海外で学校に通えば、語学力も身につきます。

1.オフィスワークからシェフへの転職

私がニュージーランドに行って、料理学校に入ったのは、30代も半ばを過ぎてからでした。

それまでサービス業や研究所で働き、各種派遣業務に日本語教師など、主にオフィースワークに近い仕事で、

レストランやパン屋さんでシェフとして働いたこともありませんでした。

(学生時代にカフェのウェイトレスや寿司巻きのバイトをしていたぐらいでしょうか)

それで果たして、全くの異業種、しかも外国で就職などできるのだろうか?と、実はとても不安でした。

なので料理学校の見学のとき、先生であるシェフにおそるおそる聞いてみたのです。「日本でシェフの経験を積んでからのほうがいいですか?」と。

するとそのシェフはふんと鼻で笑ってから、「ここの学校で俺が使えるようにしてやるから、そんなのいらん」と言ったのです(笑)

それで私も無駄な時間を使わずに、英語だけを勉強してからニュージーランドに渡り、料理学校に通い始めました。

ふたをあけてみれば、卒業後、有名なカフェにBakerとして就職できたのです!

事情があり辞めてからも、違う会社からジョブオファーをもらうこともできました。

なんだ、できるじゃーん、と不安だった昔の自分にいってあげたいです。

(肉体が資本のお仕事なので、長期的につづけていけるかどうかは、また別の話なのですが)

確かに運も味方してくれたと思いますが、コツコツとひとつづつ進んでいけば、そんなに難しいことでもないと思います。なにせ私にできたので。

周りの人々を見渡しても、そう思います。


平坦だったとは決していえませんし、根気もいります。
泣きたくなるようなこともありました。

でもそれは、新しいことを始めようとすれば、どこにいても同じこと。

できるかできないか、と問うても、他の誰も答えられません。
やるかやらないのか決めるのは、いつでも自分自身なのだと思います。

あきらめなければ、なんとかなるな、と。


そしてやってみた後の方向転換も、いつでも可能。
たとえ思い通りの結果は残らなくても、経験は残ります。

2.パートタイム・ジョブでも経験者しかとってくれなかったので取った作戦

とはいえ、まず料理学校に通いながらどこかのパン屋かカフェでアルバイトしようと思ったのですが、求人には「経験者募集」と書いてあります。

1番下っ端のことをKitchen Handというのですが、それを経験していないと雇ってくれなかったのです。

なので私は違うアプローチを考え、まずは学校が推薦してくれる7日間の5つ星ホテルでのインターンを経験しました。

それで推薦状ももらい、付け焼き刃ながらも経験をつくり、カフェでの仕事をゲットできました。

そのカフェは小さかったので、Kitchen Handといえど、皿洗いだけでなく、マフィンやサンドイッチ、オーダーメニューなども作らせてくれました。

それを学校の同級生に話したら、「運がいいね!それはKitchen Handじゃなくて、Commis chefの仕事だよ」と教えてもらいました。

なので、ヘッド・シェフの了解をえて、就職活動の際の履歴書(CV)には、Commis chefと書くことができました。

それも就職が決まった要因だったかもしれません。

就職が決まった後、中国人の友達に会ってお茶を飲みました。彼女はとても喜んでくれました。

通学途中の道すがらに、彼ら夫婦の営むハンバーガー屋がありました。

同じくオフィースワークから飲食店へ、異国での転身。
キッチンでがんばっている彼女たちを見る度に、いつも励まされていました。

「運が良かったんだよ」というと、彼女は笑顔でこう言ってくれました。

「いや、あきらめずに探したからだよ」と。
たくさんの助けてくれた方々、本当にありがとうございます。

3.海外就職はそんなに難しくないが、続けるのは大変

結局私は、就職はできたものの、プロとしてシェフやパン職人になることは向いていないなとの結論に達しました。

やはり未経験から転職できて英語の要件もそんなに高くない、という利点があるのだから、

長時間労働だったり、体力が必要だったり、多くの大変なこともあるわけです。

他の「手に職」系のお仕事も、特に人手不足分野は似た感じかと思います。

もともと職人になりたかった、そして海外でも生活してみたかった、という方にはおすすめの方法ですが、

海外移住だけに焦点をしぼると、続かないかもしれません。

日本人というよりは、中国人の若い子で親に送り込まれた子が結構いて、海外移住のために!とやらされてる感じで、どっちの為にもなってないよなぁ、とよく思いました。

同じ若い子でも、おじいちゃんが中華料理の達人で憧れてたとか、自分がここで店でも構えて、お母さんを呼び寄せるんだ~とかいう子たちは、

英語が苦手だろうがなんだろうが、ちゃんと仕事をえて、その後の永住権もとっています。

なので元々シェフになりたかったという人か、永住権まで取ってその後の転職につなげるとかいう人には、オススメできる方法だと思います。

4.海外でシェフから編集アシスタント・ライターへの転職

ベーカーの仕事を辞めてから、今度は日本でもかねがね就いてみたいと思っていた、編集アシスタント・ライターの仕事へ応募してみました。

英語力は不安でしたが、アシスタントでの募集だったので、思い切って挑戦してみたのです。

こちらは、日本にいるときに通っていた編集・ライター養成講座で学んだことと、

シェフを経験したのでレストランや・カフェの取材でいきることなどを面接でアピールしてみました。

すると、見事合格!


アシスタントだと思っていたのですが、ふたをあけてみると署名入りの記事をいきなり初月から何本も書くというお仕事が待っていたのでした。

私はこの時には夫がフルタイムの仕事を得ていたので、パートナー・ビザという働けるビザを持っていたのですが、

働く内に社会学部をでていたので、編集の仕事でビザも申請しない?というオファーもいただくことができました。

ただこちらも、人数が少なく、経験者も不足していて激務!だったので、結局は辞めてしまいましたが、

署名入の記事が書けて、雑誌になったというのは大きな喜びでした。その時の感動は今も忘れません。

これも、やはり全くの未経験ではなく、講座に通っていたからこそ、対応できたなぁと思っています。

5.英語圏ではまず学校に通って手に職をつける

アジアでは今、日本企業も含めて求人が増えているようで、日本で仕事を探してからその会社にサポートをしてもらいビザを申請という方法がとれるようです。

(国にもよると思いますが、もともとビザか永住権を持っている人向けの求人はそんなに多くなく、ビザサポート可と書いてあるものが多い印象です)

一方、ニュージーランドでは働けるビザなしで仕事を探すのは、とても困難です。

(これは多分、オーストラリア、カナダなどの英語圏でも似た状況かと思います)

インターネットの求人には、「NZで働けるビザか居住権保持者」 「Applicants for this position should have NZ residency or a valid NZ work visa」 と書いてあることがほとんど。

よっぽどの経歴や実績があって、最初からマネジメントができたり、新規にビジネスをNZで展開するための責任者、

などでなければ最初からビザをだしてくれる仕事を得たという話は、ほとんど聞いたことがありません。

会社側もなるべく手間は避けたいし、少なくとも自分の会社に利益をもたらせてくれる人物なのか、試用期間をもうけて調べてから雇いたいのでしょう。

(NZでは90日の試用期間の後は、解雇しにくいシステムなのも、ひとつの理由かもしれません)

移住希望者は世界中から集まり、すでに働ける権利をもっている人も多いので、基本的に買い手市場です。

日本から、NZの旅行会社のガイド業に応募して、見事ビザサポート付で採用された友人がいますが、

彼女にしても以前にNZ滞在歴があり、英語も採用時からとても流暢だったと思います。

20代のうちは、ワーキングホリデーという制度で、1年間働けるビザがでるのですが、

30代になると、この働けるビザを得るため、まずこちらの専門学校に通うのが一般的です。

時間とお金は余分にかかりますが、英語学習と職業訓練の2つを兼ねられるので、全くの異業種への転職にも、とても有効かと思います。

英語力によっては、専門学校の前に語学学校から始める必要がある人もいるかもしれません。

あとこちらでは、学歴と職歴・スキルがマッチしているか、問われる場面があります。

ニュージーランド現地の人(KIWIと呼ばれています)もそうなのかは、確かめたことがありませんが、移民としては色んな場面で学歴と仕事との相関性を見られます。

裏を返せば、職業訓練としての学校が機能しているということでもあり、プレゼンテーションやプロジェクト、実習などが

実際の職場の場面で役にたつようにプログラムされています。
(なんじゃ、こりゃ!と脱力するようなものもありますが)

20代でもワーキングホリデーのあとに、学校に入り直す人も少なくありません。

ワーホリの後、日本に帰ってお金を貯めて、今度は専門学校に通うために戻ってくるというのもよく聞きます。

実際に来て滞在し、働いてみて、自分に何が必要かわかる。
そして準備してまた戻ってくるという、とても堅実な方法かもしれません。

まとめ

今はコロナのこんな時代で、渡航もできない国が多いですが、日本で失業してしまって海外に行きたかった人にとっては、逆にチャンスかもしれません。

今のうちに、語学力を磨き狙いを定めておけば、渡航解禁となった時に移住へのステップが踏めます。

日本も安全ではありません。ニュージーランドなどは、早々にロックダウンをし、ほとんど感染者がいない状態にまでもっていけています。

私たちは永住権を結局取れなかった(私が途中で放棄してしまった)ので、今まだニュージーランドにいる夫もビザが切れたところで帰国する予定ですが、

永住権があったらまだニュージーランドにいたかもしれません。

年齢的にも日本で転職するぎりぎりのところ(40代)なので、結果的には帰ってきたかもしれませんが、

ニュージーランドでの経験は他のなんにも代えがたい貴重な経験となりました。

コロナのことも鑑みて、やはり日本一国にしか滞在できないというのは不安も残るので、フィリピンの永住権を取ろうと話しています。

生活が大きく変わるなか、これをチャンスの機会と捉え、今までなかなか踏み出せなかった方がいらっしゃったら、一歩進んでみることをオススメします♪


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