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デザインと性能のどちらを優先しますか?

こんにちは。こんばんは。吉田です。

宮城県仙台市で工務店と設計事務所を営んでいます。

Architect innovation株式会社という名前の会社です。

注文住宅の設計、インテリア、工事を行っております。

本日は“デザインと性能のどちらを優先しますか?“
について書かせていただきます。

今日はデザインと性能について書きます。

昨日は以前からご相談をいただいておりました
お客様のご自宅に伺わせていただきました。

他社が施工した完成1年の現場です。

ずさんな施工。
断熱材の施工不良。
床の傾き。

とてもひどい現場でした。

その施工会社は今は無く、どうしようもない状況で
行政に連絡をして、そこから弊社にお問い合わせをいただきました。

本当にひどかったです。

それでも、
笑顔で笑い話のようにお話ししてくださる奥様。
冷静に事実をお話ししてくださるご主人様。

すごく辛かっただろうなと思います。

久しぶりに怒りを覚える現場でした。

なんとかご協力したいと思います。

その打合せで感じたことがありましたので書きます。


みなさんはデザインと性能のどちらが大切ですか?

どちらか一つだけと言われたらどちらの選択しますか?

『そんなこと言われても、両方重視したい』

『デザインなんて特にこだわりない』

『性能はそこそこでいい。それよりも絶対デザイン優先』

こんな風に思われると思います。

でも、安心してください。

そこそこの性能は確保できます。
絶対に。


まず、性能と言われて何を思い浮かべますか?

宮城県にいる以上、欠かせないのが

耐震性と断熱性

何度も起きている大地震に備える為の耐震性。
1年間を通して寒暖差や気候に耐えうる室内環境を作る断熱性。

これらが必須です。

まず、断熱性とは何かを書きます。

暖かくするために入れるのが断熱性と勘違いしている人が多くいます。
これは、お客様という一般の方だけではなく、建築業界に携わる人でもわかっていない人が多数います。

断熱性をわかりやすく説明できる人もいないのではないでしょうか。

断熱とは、

“熱を断つ”書きます。

熱を断つんです。

外が暑い日に暑さの影響を受けにくくするのが断熱材。
外が寒い日に寒さの影響を受けにくくするのが断熱材。

外が暑い日に室内でエアコンを作動して、冷たくなった室内の空気を
外に逃げにくくするのが断熱材。

外が寒い日に室内でエアコンを作動して、暖かくなった室内の空気を
外に逃げにくくするのが断熱材。

です。

こんなこともわからずに設計や施工に携わる人間がいるから
宮城県で施工する断熱材の的確な厚みもわからないんです。

壁・床・天井だけではないんです。

屋根に入れる断熱。

外気に接する床。

外気に接する天井。

ガレージ内部、など。

様々な状況と場所で施工する断熱材の厚みは異なります。

断熱材の種類もたくさんあります。

熱伝導率と熱抵抗値の関係も知らない人が多いでしょう。

これは、一般のお客様では知らないのは当然です。

知るはずもない。

知る術もない。

昨日のお客様は笑顔で
『自分たちが知らないことが悪かった』と、おっしゃってましたが

そんな訳ないじゃないですか。

断熱材の正しい施工なんてわかるはずないじゃないですか。

何も気にしなくていいいんですよ。

こんなの当たり前に施工なんですから。

建築の施工会社に勤めている人間が調べて施工するのが
当たり前なんですから。

外気に接する床と天井は特に考え方が難しいのかなとも思います。
僕は何が難しいのかわかりませんが。

とにかく
断熱材は連続して全ての室内を包むように施工すること。

そして、正しい場所に正しい断熱材とその厚みを。

これを守れば、正しい性能はでます。

高い数値では無くても、普通に暮らせる性能値はでます。

もっと深堀していくと
性能はU A値で表します。

以前はQ値(熱損失係数)という数値で表しました。

以前は全棟長期優良住宅認定取得の会社にいて
その全てを担当していたので、その計算などには慣れています。

今はUA値(外皮計算)と名前を変えましたが、基本的な考え方は同じ。
(これの基準を決めてるものもありますが、これを書いていくと
とんでもない長文になるので、後日にします。)

これの数値の争いになっているのも今の建築業界。

『うちの会社はUA値0・25だよ』

『うちの会社は0・3だよ』

だからなんなの?って感じです。

0・25から0・3にする為にどんなことをするかわかりますか?

建築コストは間違いなく上がります。

微量でも上がります。

じゃあ、そのコストアップ分と引き換えに得たUA値で
快適性を感じられますか?

『これがUA値0・25のお家か〜』

『これがUA値0・3のお家か〜』

って感じられる人いますか?

100人いて、何人いますか?

そんなとこでせめぎ合いしてるよりも

基本の断熱材施工を勉強しろ!
という感じですね。

屋根断熱にした時に小屋裏換気は必要なのか?
これすらわかっていない人もいます。

真っ当に断熱材のことをわかってから取り組む話です。

僕のブログにこんな性能のことを書かないのは、
当たり前だからです。

サッカーで言うなら、『試合中も練習中も走るんだよ』と、指摘されているようなものです。

走らないでサッカーしようとしてるのが理解できません。

次は耐震性です。

日本は地震国です。
日本で家づくりをする場合、地震への対策が必要になります。
つまり、住宅の地震への強さが大切ということです。

地震への強さを表す指標を“耐震等級“と言います。

耐震等級は【1】【2】【3】と3種類あります。
どうなると【1】でどうすれば【2】になるのか。
まずはこれをご説明します。
建築基準法で建物を作った場合、耐震等級は【1】になります。

【2】とは【1】の1.25倍の性能を持たせたもの。

【3】とは【1】の1.5倍の性能を持たせたもの。

ざっくりとご説明するとこんな感じになります。

【1】等級以上で建てることは義務ですが、それ以上にするのはお客様次第になります。

お客様が「耐震等級3で建てて欲しい」とおっしゃればその通りにしなければいけません。

ここで注意しなければいけないのが、【耐震等級3相当】と【耐震等級3】の違いです。

【耐震等級2】も同じです。

これらを証明するには、然るべき機関に図書を提出して検査を行い、証明書を発行してもらいます。

それによって、【耐震等級3】と言えるわけです。

【耐震等級3相当】というのは公的には認められていないものです。

耐震等級1より1.5倍の壁量があるだけみたいなものです。

【耐震等級3】か【耐震等級3相当】にするかはお客様次第ということです。

しっかりと選択してください。


耐震等級にはまた【損傷】と【倒壊】に分かれています。


この辺りの詳しいお話は事務所にお越しいただけたお客様にお話させていただきたいと思います。

木造の基礎にはスパン表があります。
木材にもスパン表があります。

今までこの部分をブログに書いてこなかったのは当たり前だからです。

デザインやインテリアの部分に突出していたのは、

デザインやインテリアは生み出すことが難しいからです。

①おしゃれを生み出せる人

②おしゃれを生み出すことはできないが、おしゃれがわかる人

③ ②のタイプの方でお金を優先する人

④お金だけを優先する人

⑤ダサい人

どんなお客様にも理解していただけるデザインを提案したいからです。

必要最低限の事でイキがっても意味がないからです。

もっと建築を勉強しましょう。
いいものをお客様に提案するために。

本日は、“デザインと性能のどちらを優先しますか?”
について書かせていただきました。
 
宮城県全域、仙台市内で建築工事、建築設計、デザイン全般を
行わせていただいております。

家づくりで何か気になる部分がございましたら、
お気軽にご連絡いただけますと嬉しいです。

本日もありがとうございました。
 
GOOD   DESIGN   ×   ARCHITECT    INNOVATION

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