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「フリーエージェント社会」
上手く制度設計と価値観をつくることができればイノベーションの担い手として活躍できる雇用形態ですが、"非正規"という呼び方からなんとか脱却させることができないだろうかと思います。あわせて、正社員の新しい呼び方も社会をアップデートしていくためには必要だと思います。
過去の記事でインディペンデントコントラクターという呼称を引用しましたが、多くの人にとっては馴染みのない言葉ですよね。スポーツでいうフ
「同一労働同一賃金」
単に言葉の選び方の問題だけかもしれませんが、初任給といっている限りは、年功序列、しいては終身雇用という制度を依然として残し続けようとしている、もしくは残るものだと思い込んでいる勢力を感じとってしまいます。個人的には、同期入社の社員の間で昇級や賃金の格差があるというよりも、同期でなくても同じ仕事をしていれば、同じ成果を出していれば同じだけの給与が支払われる方が労働意欲と生産性は高まる方向に振れると
もっとみる「作り変えることのできる社会システム:非常時に直面して」
出口の見えない新型コロナウイルスが引き起こしたこの情勢を、どのようにコントロールし、通り抜けていくのか。そのプロセスが次なる社会を形づくることは確かだと思われます。
科学技術の歴史はコントロールできなかったものをコントロールできるようにする挑戦の積み重ねであるともいえます。制御(コントロール)の対象が自然に近く、その挙動が能動的であるほど制御することは難しい問題になります。ウイルスという存在はま
「どう変える非正規社員」
非正規の働き方に対する捉え方、非正規という働き方のデザインの仕方で正社員というものは大きく変わっていくのではないかと考えられます。
プロジェクトベースで複数の仕事を並行してこなす働き方であるインディペンデントコントラクターという言葉に馴染みがなく、非正規という言葉が社会に馴染んでしまったことは、柔軟な働き方、働き方改革の促進にとって不幸な下地となっているのかもしれません。非正規雇用は働き方改
「トランジスタの気持ち」
科学技術に関していえば、産業界では2019年もAIを中心に多くのニュースが社会を賑わせたと思われる。シンギュラリティに関する議論はまだまだ熱を持って語られていて、AIによって無くなる仕事やAI時代に身につけるべきスキルなどは多くの人の注意を引きつける話題であろう。AIというか機械はこれまでにも人の身体活動や知的活動を加速する道具として社会に取り入れられ、ある職業はなくなり、新たな職業を生み出してき
もっとみる「舞台におけるサイバネティックス」
私は東京大学先端科学技術研究センターで身体情報学という研究分野に取り組んでいる。身体情報学では、人間も一つの情報の入出力を行っている「システム」として捉え、その身体的特性や認知的特性の理解を深めることで、その機能を拡張する人間拡張技術の研究開発を扱っていて、身体表現に対しても並々ならぬ関心を抱いている。
オランダのハーグには、振付家のイリ・キリアンの手によって一躍世界的なダンスカンパニーに成長し