いつもと違うお月様の話

 夜、きれいなお月さまが上っているのを見て、多くの人が街頭で足を止めた。何故なら確かに月はきれいだったのだが、それは確かにいつものお月さまとは別のお月さまだった。
 これは大層珍しいというので、街の人々は手にビールのグラスを掲げながら、歌を歌って大変に盛り上がった。
 この間、本物のお月さまはどうしていたかって?ポリスのビルディングに投げ込まれた石を包んだ紙切れにかかれた情報をもとに、街角の空き家に紐で縛られていたお月さまを、ポリスが苦労して助け出したということだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?