Hide and Seek.
ある日、リンデンの並木道で、オペラハットを目深にかぶったお月さまが、お星さまを原料にした密造酒の瓶をあおりながら歩いていると、リンデンの後ろからお月さまにむけてピストルを撃った者がいた。
お月さまは、驚いてその場でハンドアップをしたけど、もうなんの気配もなくなっていた。
不思議に思ってリンデンの木の下を一本一本みて回ったが、結局そこには誰もいなかった。
『おかしい、誰もいない!』
『なんだって、いるじゃないか!』
そういって、お月さまのかぶる帽子のふちに小石のようなものがとんできた。
やっぱり誰もいなかった。
懐を探すと、シガレットが無くなっていた。
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