ほうき星と炭酸

 あるとき、河口の海に近いところにほうき星が落ちた。ほうき星は河の水を炭酸水のようにしてしまい、シューシューと泡立ててしまった。どうやら、ほうき星が水に溶け始めているようだった。カイネ博士がボートを持ち出して落ちたほうき星に近づくと、河に手を入れて、アルミニュームの真ん丸を引っ張りあげた。
『つまりはほうき星は炭酸を噴き出して進むのです!』
 カイネ博士がそういうと、拍手喝采が聞こえ、やがて彼らはいつのまにか人形にした板切れになってその場に転がった。
 その日、誰もいない河口に近い場所からほうき星がお空へと流れるのが多くの人に見られました。

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