栓が抜けた話

 夜の遅い時間、私が市立公園のなかを歩いていると、何やら輪っかのようなものにつまづいた。それは、ずっぽんという音を立てたかと思うと、ゴムでできた円筒とともに地面から抜け出てきた。
 すると、ずるずると何かが流れる音とともに、空の暗闇とお星さまが砂時計のように円筒が収まっていた場所に流れ落ちて行くのが見えた。
最後にお月さまが吸い込まれて、スポン!気がつくと辺りには鳥のさえずりが聞こえ始めていた。
 私はポリスに呼び出され、以後、厳重に注意するようにと叱られてしまった。

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