如何にしてK博士はほうき星を手に入れたか?

 ある日、山の頂上にある鉄塔にほうき星の尾が引っ掛かった。それを聞き付けた青年Aは、アルミニュームの袋をもって、鉄塔へと続く森へと入っていた。

 森は静かで暗かったが、ほうき星の出す光と、キロキロという音を目印に進むことができた。無事にほうき星のもとへとたどり着いた青年Aはほうき星をアルミニュームの袋に詰めるとそのままどこかへと行ってしまった。

 それから、数日が過ぎたある日、とある町工場の一つから、こうこうと光る、天球儀が運び出された。この天球儀が青年Aの手に渡ったかは定かではないが、ちょっとした隙に誰かに盗まれてしまい、しばらく行方不明になっていたのは確かですが、キロキロと音を立てる天球儀は、K博士の自慢のコレクションのひとつになったそうです。

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