[プロット]Flyspeck Story序章

序章/1200字程度
補足(ネタバレあり)/1500字程度

///序章///

ある日、[主人公の住んでいる村]が、[隣国]から来た[軍隊]に破壊される。
村人たちは、交戦しながら、多大な犠牲を出しつつも何とか一部の人間を[近くの街]に逃がすことができた。逃げだした人間の中に[主人公]と[主人公の妹]も含まれていた。

[主人公の住んでいる村]は、[隣国]から移住した人々が作った外国人の街である。森を切り開いた場所に位置し、農作物や薬草、食肉や革製品などを[近くの街]に卸していた。[主人公の住んでいる村]と[近くの街]の関係は良好であった。

事件の直後、[主人公の住んでいる村]の生き残りによって、事件のありさまが[近くの村]に伝わった。しかし、[近くの街]の警察署と[主人公たちのすむ国]の政府は、[国境付近に密輸トンネルを所有する盗賊団]と仕業と発表した。[主人公の住んでいる村]の人間は警察署に呼び出され、執拗な取り調べされた上、事件が[国境付近に密輸トンネルを所有する盗賊団]によるものであると念押しされる。

事件を生き延びた[主人公の住んでいる村]の住人は、[近くの街]の空家や商家などに仮の宿を取っていた。公式な発表と証言の食い違う[主人公の住んでいる村]の人々は[近くの街]では孤立した存在となっていった。事件によって両親をも失ったショックから立ち直るまもなく、[主人公]と[主人公の妹]は冷たい現実に歯噛みする。

数日後、[主人公]と[主人公の妹]は教会に身柄をあずかられていたが、[主人公の住んでいる村]の様子を見に行くことを決意する。事件の際に重傷を負っていた[主人公]が、何とか歩けるようになったからだ。[主人公たちの住んでいる村]にたどり着いた二人は、破壊された村のありさまを目の当たりにし、打ちひしがれる。

[主人公が住んでいる村]の奥に進んでいくと、[青年]と[神父]の二人組が村の様子を調べているのを目撃する。事件のことを知っているかもしれないと思い[主人公]と[主人公の妹]は二人に声をかけた。

[青年]と[神父]は[隣国]から[主人公が住んでいる村]の破壊された事件のことを調べに来たと話した。[隣国]でも事件のことは伝わっており、事件に[隣国]の軍隊が係わっているかもしれないという噂があるからだ。[青年]と[神父]の二人は、貴重な生存者の情報として[主人公]達の証言を熱心に聞きとった

[青年]と[神父]は[特殊な民間組織]の一員であると名乗った。二人は主人公たちの証言をまとめると、[隣国]に手紙で報告した。

[青年]と[神父]は[近くの街]にも多くの人脈があり、食物を加工する工場で[主人公]が働けるよう内々定を取り付けたり、酒場の隅で心無い噂をしている酔っぱらいと話し、実は[主人公の住んでいる村]にいた知人の死を心から悼んでいることを吐露させたりした。これを見て、事件とそれ以後の出来事によってこわばっていた[主人公]と[主人公の妹]の心は和らぎ始める。

***

[近くの街]の教会の神父が、[主人公]をかくまったのには理由があった。[主人公]の名前が、復讐の女神と酷似していたからだ(主人公の名前:Alec , 復讐の女神:Alecto)。不吉な運命を感じた神父は、[主人公]が復讐の女神の虜になるのを恐れ、[主人公]達から憎しみの感情を少しでも取り除こうとしていた。

[主人公]は考えていた。[青年]の好意に頼って[近くの街]に定住するのが賢い選択だと。しかし、ここに残ることで、[主人公]は事件の蚊帳の外に置かれてしまう。ならば、事件のさなか[村長]の口から洩れた人物([襲撃者達の長])を追って[隣国]に足を踏み入れた方がいいのではないか?[主人公]はその考えを[青年]に打ち明けると、[青年]は再び[隣国]に手紙をだした。

[青年]の話によると、[主人公]と[主人公の妹]を証言者として保護するために[隣国]へと連れてくるよう、指示を受けたという。不安と期待をな抱いたまま、[主人公]と[主人公の妹]は街を出ることにした。

[近くの街]の教会の神父は、[主人公]と[主人公の妹]が[青年]と[神父]に出会ったことに運命を感じていた。[神父]からの説得もあったが、[青年]が心の底から[主人公]達を気遣っていることを感じたからだ。[主人公]と[主人公の妹]達が自然に正しい道を歩くことに望みをかけた[近くの街]の教会の神父は、人知れず[主人公]達が復讐の女神の虜にならないように祈った。そして、彼らが[近くの街]から姿を消した以降もそれを続け、彼らを気に掛ける人々には彼らを追わないようにと繰り返しさとし続けた。

そんな人々を思いをよそに、[主人公]達は出発し、[国境]を越えて、[隣国]の[国境の街]にたどり着いた。

///序章終了///

補足:[主人公の住んでいる村]
もともと[主人公の住んでいる村]の[村長]たちは[隣国]の住人であった。彼らは[隣国]の統一戦争で功績を上げた者たちであったが、[隣国]を出て、自分たちの理想の村を作り上げようとしたのだ。しかし、もう一つの目的があった。[諜報組織]の一員となり、[主人公達の住んでいる国]の軍事的な動向を[隣国]の警察に報告するためだ。
やがて生まれてきた[主人公]達を代表とする第二世代が育った以後も、この任務は続けられていた。もっとも、[主人公]達には一切そのことは明かされなかった。彼らは村の中心人物だけを集めた会議でのみ密談を行ったからだ。(序章では明らかにならない)

補足:国境付近に密輸トンネルを所有する盗賊団
[隣国]と[主人公の住んでいる国]の国境付近に大量の密輸トンネルを掘っており、両国にまたがって違法薬物や違法輸出品を運搬に行う組織。頻繁に軍隊と警察の合同作戦によって彼らのアジトや密輸トンネルの破壊作戦が実施されている。

補足:[軍隊]
統一戦争の終結後、[隣国]には二つの勢力があった。
一つは[隣国]内の乱れた政治を一つづつ正していこうとする勢力。
もう一つは、様々な矛盾を抱えながらも、国境の外へと拡大しようと考える勢力。
[軍隊]は後者の組織の隠密部隊。統一戦争以後も、少数民族などを対象とした民族浄化などを秘密裏(半ば公然に)に行っていた。[主人公の住んでいる村]を破壊したのは、[諜報組織]がその立場を利用して、[主人公の住んでいる国]の関係者と友好関係を維持するパイプ役を務めていたからだ。(序章では明らかにならない)
[軍隊]は、[主人公の住む村]の[諜報組織]を完全に撃滅することに成功したが、襲撃のさなか[村長]の口から漏れた[襲撃者の長]の名前は[主人公]の耳に届いており、その結果、[襲撃者の長]の名前は[主人公]の証言を聞いた[主人公の住む国]の警察、そして[青年]にも伝わることになる。

補足:[特殊な民間組織]
[隣国]の[国境の街]は、国境にあるため違法滞在者による犯罪が懸念されていた。彼らは、違法滞在者が犯罪を行わないように、ひそかに接触をするなどして事件の発生を防ぐ役割を担っていた。彼らの組織には外国人の個人情報が大量に保管されており、少ない人数で何とか切り盛りしている。
実際には[ある組織]の下部組織であり、[ある組織]の意思に沿って運営されている。

補足:[ある組織]
『セパレーター』『インシュレーター』『schismatic』『seceder』……。 様々な名称で呼ばれている団体群を指している。「引き剥がす」といった意味合いの全ての言葉がこの組織を連想させる。主に『異物』と呼ばれる社会生活に危険を与える可能性のあるマジックアイテムとその使用者に対する監視と隔離を行っている。 組織に無関係な人々より無自覚のまま情報を吸い上げられるような人員配置を行い、この組織の倫理に順ずる行為を行う人々の活動を影ながら援助している。過去の統一戦争直後、[椅子を占める者]によって編成され、運営されているがその行く先がどうなるか、まだ予測は立っていない。(序章では明らかにならない)


補足:名詞
主人公:アレク・クラッドストン
主人公の妹:エリス・クラッドストン
青年:フェリクス・ウェストブレッド
神父:ギルバート・カラス
村長:ラザルス・カートランド
襲撃者達の長:カイル・シルドクラウト
椅子を占める者:オットー・ロヴァエール

主人公の住んでいる村:エルク
近くの街:サウス・クレイヒル
国境の街:テール・シティ
主人公の住んでいる国:ニューブリュード共和国
隣国:ローランド王国
国境:ライアート・バイ・ライン(灰色の平行線)

国境付近に密輸トンネルを所有する盗賊団:タブ・ストラクチャー
特殊な民間組織:グラス・シード(草の実)
諜報組織:ライドレス・ハウンド(瞼のない猟犬)
軍隊:"レルミット"

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