お月様が泣いていたお話

 ある月のきれいな夜、窓の方を見ると上から縄ばしごが降りてきた。
 私が縄ばしごを上っていくと、いったいどうしたわけか縄梯子の上の方にいるお月さまが、シクシク泣いていた。

 落ちるぞ!と誰かが叫んだ。
 すると、お月さまが空から外れて、地面に落ちてしまった。
 お月さまはコーン、という音を立てながら、西の彼方へと転がっていってしまった。

 それを聞いた悪友のFが、ポリスをやり込めて西の方を捜索したところ、絞った雑巾のようになったお月さまを拾って帰ってきた。

 合衆国の有名な学者はその話を聞いて、国際大百科事典に新しい三角法の定義を書き加えたといいます。

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