2次方程式の解の種類の判別について

例題)$${m}$$は定数とする。次の2次方程式の解の種類を判別せよ。
          $${x^2+mx+4=0}$$

この2次方程式の解の種類は$${m}$$の値にって変わる。具体的な数字を代入して解の種類をみてみよう。
$${m=5}$$のとき、2次方程式は$${x^2+5x+4=0}$$となる。解の公式を使うまでもなく因数分解すると$${(x+1)(x+4)=0}$$より、解は$${x=-1,-4}$$である。つまり解の種類は異なる2つの実数解である。
$${m=-4}$$のとき、2次方程式は$${x^2-4x+4=0}$$となる。因数分解すると$${(x-2)^2=0}$$より、解は$${x=2}$$である。解の種類は重解である。
$${m}$$の値を2つ挙げて解の種類を見てみた。その2つの解の種類は異なっていた。ここで疑問は、$${m}$$がどんな数字のときに、「異なる2つの実数解」になり、「重解」や「異なる2つの虚数解」になるのかである。その$${m}$$の範囲を示してください、というのがこの問題の趣旨である。解の種類の判別は判別式でできるので、判別式を利用して範囲と解の種類を示していこう。

判別式$${D=m^2-4\cdot1\cdot4=m^2-16}$$
$${(i)}$$$${D>0}$$のとき、上の判別式を代入すると、$${m^2-16>0}$$
この$${m}$$についての2次不等式を解くと、$${m<-4,m>4}$$である。$${D>0}$$と$${m<-4,m>4}$$は同じことを異なる式で言っているのと同じである(これを同値という)。なので、「$${D>0}$$のとき、異なる2つの実数解をもつ」というのを言い換えて、「$${m<-4,m>4}$$のとき、異なる2つの実数解をもつ」と言おう。この問題はそもそも$${m}$$がどんな値のときにどんな解の種類になるかを示すことだったので、この言い方をすべきなのだ。

$${(ii)D=0}$$,$${(iii)D<0}$$の場合も同じように考えると、
$${(ii)}$$$${m=-4,4}$$のとき、重解
$${(iii)}$$$${-4<}$$$${m<4}$$のとき、異なる2つの虚数解
となる。これでどんな$${m}$$の値のときに、どんな解の種類になるかを分けて示すことができた。あなたが好きな$${m}$$の数字を言っても、上の答えに当てはめて、解の種類を答えることが出来る。この問題を解くことはこれができるようにすることでもある。$${m}$$が100なら、異なる2つの実数解であり、$${m}$$が0なら異なる2つの虚数解である。


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