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学会員インタビュー③なかやまさん

天海春香学会Vol.4出版記念として、"学会員"の皆様へインタビューを行う当企画。
今回はなかやまさんのインタビューをお届けいたします。

インタビュー:そにっぴー/ペチマ
文:スタントン


本を作るということ

――まずはISF11、お疲れ様でした。

なかやま:
お疲れ様でした。

――我々天海春香学会が参加する傍ら、なかやまさんもISFに(サークルとして)参加されていました。

なかやま:
これに関しては、天海春香学会Vol.1が初めて "同人" というものに関わらせていただいたきっかけでして、本を作るということに前向きになれたのも天海春香学会のおかげなんです。ISFに関しては10も11も参加させていただいているんですけど、きっかけは天海春香学会だということはお伝えしたいなと思います。「本を作るうえでこういう苦労があるんだな」「全員のお力でこの本が出来た」というのを私も実感しましたね。

――自分で本を作ってみないと見えないものってありますものね。しかも、出していただいた本のなかには「一人天海春香学会」なんていうのもありまして・・・・・・

なかやま:
学会でまとめたものをツイッターで出したときに、結構反応をいただいていたので、「これは作ってお届けしたいなあ」と思っていたんです。春香学会についても広めたかったので、出せて良かったです。

――ツイッターでよく話題になるものですと、Vol.3に寄稿いただいた春香のリボンの位置に関する文章(※リボンの装着位置の観測による10年後の天海春香予想)に関連した、春香がずらっとならんだ画像。あれが定期的にバズるたびに学会の宣伝をいただけるので大変感謝しております。

なかやま:
あれに関しては、今年(※2023年)にツアーズ(※アイドルマスター ツアーズ)がでて、「リボンの位置がこんだけ変わってますよ」って言ったらまた反響をいただけて。さらに、ミリアニのものでも「予想通り確認できましたよ」って言ったら反響をいただけたんです。

なかやま:
「天海春香のリボンを観測しているものなんですが」っていうツイートを結構広めていただいて、反応をいただけた年だったなあと思います。

――ある程度仮説を立てて、結果を検証して、まとめて作品を出して、そのあとにさらに新しいデータが出たときに「その方向であってたんだ」と検討ができるのが学会・研究っぽくて見ていて本当に楽しいです。

なかやま:
Vol.3のときに「リボンは年々下がっている」「先輩としての役割を果たすときには前にでてくる」と結論づけたのですが、まさにその予想曲線通りに、もしくはそれを超える動きをしているので、今後も期待できるなと思います。

――もうひとつ、ISF11ではミリポンのまとめ本を出されていました。美咲さんと茜ちゃんが(作品のなかで)回しているのを見ると本当に茜ちゃんがお好きなんだなと思うのですが、茜ちゃんを含めて「春香と誰かのこういう展開が見たい」という希望はありますか。

なかやま:
春香と茜ちゃんの絡みというのはなかなか(公式では)ないんですけれども、今後見てみたいなと思います。私はアニメから春香さんに入ったんですが、春香と千早と伊織の三人で漫才するっていう話を昔から書いていまして、この三人組は漫才トリオとして自分のなかであるんです。公式ではたぶんないでしょうけど、それをまた書けたらなあって思います。

――ボケとツッコミという関係性の二人組と違って、三人だともう少し複雑な関係性になると思います。この三人ではそれぞれどういう立ち回りをすることになるんですか。

なかやま:
伊織がツッコミなんですけど、千早がボケなんですね。それで、春香は回し&小ボケな感じです。「春香が回して小ボケをして、そこに伊織が突っ込んで、それに乗っかって千早が大ボケをする」というサイクルを回しています(笑)。グリマス(※グリー版アイドルマスター ミリオンライブ!)時代には「ドラマシアター」というものがあったので、あのときにはこの三人の漫才をずっと書いていました。それが私の二次創作のスタートでしたね。

ミリポン

――今回のVol.4では、「ミリポン」の天海春香に関するお題についてまとめていただいています。そもそも、ミリポンはどういった経緯で始められたのですか。

なかやま:
元々シンデレラに関する大喜利をする「デレポン」という企画をされている方がいたんですが、私のフォロワーさんが「ミリポンはだれかやらないのか」「やってくれたらなあ」ということをツイートしていたんです。それで、「じゃあ私やりますよ~」と引き受けたんです。試しにお題を投げてみたら思いのほか反響があったので、毎週やるようになりました。

――それから、5年も続けてこられたのはすごいです。

なかやま:
私も「よう続いたなあ」とは思います(笑)。毎週金曜日、できなくても土曜日には欠かさずやっているので。ライブに行っても「ミリポン、見たことありますよ」って言ってくださる方が増えているので励みになりますし、辞め時が分からなくなりました(笑)。

――Vol.4に参加しようと思ったときから、このテーマで参加されることを考えていたのですか。

なかやま:
そうですね。このテーマにしようと思っていました。Vol.2のインタビューで「自由研究的なことがしたい」って答えたんですよ。

——もし次の学会誌の企画ができたとしたら、どんな作品を書いてみたいですか。

なかやまP:
春香さんについてはまだまだ気になることがあるので、調べてみたいですよね。ただ、行き着く先がどうなるかわからないから、事前に調べて、落ち着いた状態で書きたいなって思いますね。もっと実践的なことを書いてもいいかなとは思いました。自由研究みたいな、「春香さんに関する○○やってみた」みたいに体張るやつでもいいかな(笑)。

Vol.2出版記念インタビューより

なかやま:
その回答の背景として、ミリポンの回答まとめをぼんやり考えていて「ミリポンを使って天海春香を分析する記事を春香学会で出そう」と思っていたんです。

――かなり長期的に考えてくださったんですね。

なかやま:
ミリポンを5年やって、春香の誕生日もミリポンで5回やったので「5回やれば見えてくるかな」と思って書かせていただいたんです。前々から計画していましたね。天海春香を分類して、何が見えてくるのかまで書きたかったのですが、筋があるものがかけたと思っています。

――スニッカーズコラボのお題とオフショットのお題については、画像を使っている関係で載せられていませんが、ご自身でまとめられたのですか。

なかやま:
そこまで細かくはしていませんが、他の3題(※文中で掲載した3題)とそこまで大きくずれる結果ではなかったので、この3題に絞りました。まさか、ミリポンの回答者も研究としてまとめられるとは思っていなかったでしょう(笑)。

――印象的だったのが、皆さんが衝撃的な回答をすればするほど、その逆の春香の本質が見えてくるという考察です。

なかやま:
回答者の方は――私も回答するときにそうするのですが――アイドルのあるあるを一旦考えて、それを越えていくというプロセスを通るので、春香の持つ魅力やいいと思っていることの逆を言って面白くするんです。この結果のアテはあったのですが、どのくらいの割合で出るのかなあと思いながら分析を進めていきました。

――「今後もアイドルの個性を深堀りする手段としての大喜利の可能性に期待していただきたい」と最後の文にあります。まさにそういう意味では、新しい考察のアプローチなのかなと興味深かったです。

なかやま:
お題を出した日には、みんな(お題の)アイドルのことを考えてくれているんだなと思うとうれしくなります。運営特権で春香の誕生日と茜ちゃんの誕生日のときには必ずアイドルネタをぶっこみます(笑)。

――なかやまさんから、書ききれなかったことや追加したいことは何かありますか。

なかやま:
春香が転ぶということに対しての回答が思ったより多岐に渡っていて。天海春香の「転ぶ」という行為を深く考えたことがなかったなあという気づきを得ました。転んじゃうというのは、ドジっ子という属性だと思うんです。でも、いわゆるトラブルメーカーではないし、危なっかしいと思いつつ周囲が支えちゃう。ミリアニでは、ライブのシーンで出てきたときに春香がよろめくのですが、千早と美希がそれを支えます。ほっとけないし危なっかしいと思いつつセンターとして支えてもらっている春香像。非常にバランスのとれた属性だなあと思いました。この辺りは深掘りしたら楽しそうですし、考察していただける方がいたらなあと思いました。

他作品

――Vol.4の他作品について、気に入った作品はございますか。

なかやま:
前も運営の対談で挙がってたんですけど、スタントンさんの文章(ミリシタ4コマ春香さん・おめめ細めがち説)。やっぱね、「集計してまとめてこうですよ」という考察が好きなので(笑)。 "おてて挙げがちお口開けがち" に続いて楽しく読ませていただきました。ただ細めている、というだけではなく、どういった場面で細めているのかとか、立ち位置とかそういたことまで触れられている考察でした。面白く読ませていただきました。

なかやま:
もう一つは、MCのお話(※MC回顧録 ~従姉妹春香 運命の1か月~ ろーらんさん著)ですね。私は、MCに関しては茜ちゃんを推していたので(春香陣営の動きを)外から見ていたんです。投票企画の形式には賛否がありますが、「アイドルのためにこういうことを頑張れたよな」と語れるエピソードになると思うんです。そういったところを春香さん視点で語られているのが良かったです。

――他のアイドルを応援している方であっても、文章に込められた歓びや悔しさなどの感情は共通だと思っているので、そう言っていただけると嬉しいです。

なかやま:
ドラマがあるなあと思って。こちらは客観的に書かれていますが、個人視点でも色々詰まっているんだろうなあって思います。

――初稿は二万字あるって仰っていましたよ。

なかやま:
もう本にしちゃいなよ!って思いますね(笑)。読んでいて、(色々なエピソードがあるなと感じて)目頭が熱くなるんです。そういう文章です。

面白そうなネタ/春香と茜の違い

――今後こういうことを書いてみたい、やってみたいという希望はありますか。

なかやま:
そうですね……リボンに関して新たな情報も出ましたし、いろいろなご意見もいただけたので深掘りしたいなという気持ちがあるのですが、春香学会でやるかはちょっと未定です。Vol.5が発表されたときに面白そうなネタがあればいいなあと思ってます。

――僕(ペチマ)も天海春香さんと野々原茜さんの担当プロデューサーです。同じ担当プロデューサーとして聞いてみたいのですが、もし春香と茜で書くとしたらどんなものを書きますか。

なかやま:
私が野々原茜を推したいな、と思ったきっかけがあまりにも天海春香と違う存在だったから、というのがあるんです。茜ちゃんって、グリマスのテキストでは遅刻してくるし、台本覚えてないし、空気でなんとかなるっしょって言って現場を滅茶苦茶にして帰るコミュがあったりするんですよ。「こいつはなんや!天海春香を見習えや」と思っていたら、実は仲間想いだったり、自分の立ち回りを気にしたりというそういう一面があることに気づいたんです。天海春香から見て野々原茜というのは、(春香が)できないムーブ・立ち位置を持っている子だと思うんです。逆もそうなんですけど。根幹には共通点もどこかにあると思うんですけど、おそらく対照的な部分を多くピックアップするほうが書きやすいと思います。

――確かにそうですね。茜ちゃんは天真爛漫な子として描かれることが多いので、春香さんとは真逆なイメージがあります。もし機会があれば文章で書き起こしてほしいなあといち同じプロデューサーとして思いました。ありがとうございます。

ミリポンまとめ本・好評頒布中

――他に、なかやまさんから伝えたいことはありますか。

なかやま:
ISF11で頒布したミリポンまとめ本がまだ我が家に10冊ぐらいあるんです。BOOTHを開いていますので、ご興味のある方はぜひ!春香さんのお題も入れていますので。


探求

――あなたにとって天海春香とは。

なかやま:
今年でいうとミリポンも5年たちましたし、リボンの研究もし続けています。春香は「探求し続ける対象」ですね。春香自身の世界も、関係性もこれから広がっていきますし、「天海春香ってこうだよね」という結論が簡単に出ないと実感した1年でした。

―――
探求し続けるなかやまさんの姿勢が伺えたインタビューでした。

なかやまさんの作品も掲載しております天海春香学会Vol.4は、現在BOOTHにて頒布中です。
ぜひお手に取っていただけますと幸いです。


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