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学会員インタビュー⑥れぽてんさん

天海春香学会Vol.4出版記念として、"学会員"の皆様へインタビューを行う当企画。
今回はれぽてんさんのインタビューをお届けいたします。

聞き手:そにっぴー/ペチマ
文:スタントン

――

美也、エミリー、そして春香

――今回のVol.4では "Haruka with…"と題した特集テーマを設定しまして、春香と他のアイドルを組み合わせた原稿を募集しました。れぽてんさんは「春香とこの子の絡みが見たい、コミュがみたい」というような組み合わせはありますか。

れぽてん:
春香さんとの組み合わせでいうと――私の担当アイドルが美也と、最近エミリーも加わったのですが――自分の担当アイドルと絡んでくれたら嬉しいですね。

――例えば春香と美也だと、『初恋バタフライ』のコミュで一緒になったことはありました。春香と美也であればどういう絡みを見てみたいですか。

れぽてん:
うーん、難しいですね。二人とも同い年なので、「手を取り合って一緒に同じユニットで頑張ろうね」みたいな話が見られたら嬉しいと思っています。

――なにか劇的なことが起こるわけではなく日常のほんわかした、平和な感じでやってほしいですか。

れぽてん:
そうですね。春香さんが "先輩っぽく" あってもなあ、という気持ちもありますし、逆に美也がリーダーシップを発揮して……という感じでもなく、のんびりした感じの話がいいですね(笑)。

――最近エミリーを担当に加えられたとのことですが、本当に "最近" なのですよね。

れぽてん:
はい、1か月前くらいです。新米も新米で。

――春香とエミリーだったら、どういう絡みが見てみたいですか。

れぽてん:
春香さんとエミリー……どうなるんですかね。少なくとも私が知っているなかで、公式で絡んでいるのって覚えがあんまりないです。

――確かに、ユニットでは一応TCの『World Changer』で一緒にはなっていましたが、直接絡んでいた印象は薄いです。(コミュなどを)見返したら気づきがあるのかもしれませんが……

れぽてん:
私もコミュを見返していないのですが、先ほど仰っていたTCですと、演技に悩むエミリーに対して春香さんがアドバイスをする、というシーンはあるかもしれないですね。

――春香といえば演技が強いアイドルとしてコミュでも描かれていますから、春香とエミリーの関係性ではそういうものも見られるかもしれませんね。少し話は変わりますが、今回もご参加いただいたとりむねにくさんが主催をされた、近未来アウトサイダーの合同本があります。

――この本のなかではそういった(春香とエミリーの)話もあったりするので、ぜひ見ていただけたらと思います。

れぽてん:
その話、ありましたね。あれは春香さんに興味がある方にはおすすめな本というか、近未来アウトサイダーに狂っている方を見ると楽しいのでおすすめします。


勇気ある選択

――以前、れぽてんさんがいらっしゃる「宮尾美也世界一可愛いの会」主催で、美也P春香P対談をさせていただきました。対談から1年数か月経ちましたが、この時から春香の印象は変わりましたか。

れぽてん:
春香さんの印象かあ。印象という意味では何かが変わったわけではないと思います。春香さんの供給を追いきれていないということもありつつ、私のなかで「春香さんについて分かっていないこと」が当時からそこまで変わっていないということもありますね。

――それでは、春香Pの印象は何か変わりましたか。

れぽてん:
あ~、そうですね。私が関係を持たせていただいている春香Pさんが当時からそこまで変わっていないから(印象も変わっていない)だと思うんですが、春香さんに限らず、ASの子を担当されている方って「その子だけの担当」っていう方が多いと思うんですよ。私がミリオンライブ!を主軸にさせていただいているからだと思うんですけど、「春香さんしか好きじゃない!」みたいな人があんまりいなくって、結構複数人担当されている方が多いんだなあっていう感じがしました。

――(スタントン)確かにそうですね。そにっぴーさんしかり、ペチマさんしかり、複数担当が今の主流ですものね。

れぽてん:
どっちがいい、悪いという話ではないです。春香さん一筋という方もいいと思いますし。ただ、AS担当の方達は "歴戦の方たち" という印象があるので……

――怖いっすよね……

れぽてん:
言い方がアレかもしれませんが、若干近寄りがたかった感じもしました。でも、話してみるとフランクな方が多いですし、「ミリオンライブから春香さんを知った癖して、お前何様なん?」みたいな方もいらっしゃらなかったので(笑)。優しい方ばっかりだなあと思っています。

――天海春香について知っていこうと思ったきっかけは何かありましたか。

れぽてん:
春香さんに興味を持ったきっかけですね。いろいろ遡っていくと、やっぱり6thライブツアーでの「笑って!」じゃないですかね。「笑って!」は春香さんのソロ曲で、それをCleaskyの二人がカバーという形で披露して。私もCleaskyの二人が大好きなので、「笑って!」から春香さんに入っていった感じです。

「笑って!」の話が出た途端に100点を連発するそにっぴー氏

れぽてん:
アニマスも見たんですけど、最初から「春香さんを中心に見よう」と決めていたんです。この子はどういう子なんだろうと。いやあ、面白い子でしたねえ。

――春香担当Pの私(ペチマ)としても、春香の楽曲から興味を持ってくださったのはすごくうれしいです。

れぽてん:
ミリオンライブ!がASの先輩方の楽曲をカバーするという勇気ある選択をしてくれたからこそ出会えたと思っています。

ミリシタおすすめ春香コミュ3選

――書いていただいた文章についてお伺いします。「ミリシタおすすめ春香コミュ3選」は、Vol.4に参加しようと思ったときから書こうと思っていたのですか。

れぽてん:
そうですね。Vol.2にも参加させていただいたのですが、その時には一文字たりとも春香さんのことを書いていなかったので……(笑)。せっかく今回参加させていただくなら、「流石に春香さんのことを書かなきゃな!」と思ったので、春香さん中心に書こうとは決めていました。
ただそこからこのテーマを決めたのは――文章中にも書いたのですが――私自身がミリシタからのプロデューサーなので、せっかくだからそれを書こうと思いました。

 私はミリシタからアイドルマスターの世界に本格的に触れ始めた人間だ。そう、私の主戦場はミリシタであり、ミリオンライブになる。だから今日は、私という一ファンの目線から見て、天海春香への考えを深めるのに大いに貢献した「おすすめコミュ」を綴っていきたい。

「ミリシタおすすめ春香コミュ3選」より

――文章中で3つコミュを選んでいただいたのでそれぞれお伺いします。まず、メインコミュ58話の『キラメキ進行形』のコミュについて。れぽてんさんはこう書かれています。

 春香さんは、その時からアイドルを夢として語っていた。春香さんはそれを「なんていうか普通(の夢)でしょ?」と言う。確かにそうかもしれない。(中略)けれど、それを叶えてしまうのは「普通ではない」のだ。

「ミリシタおすすめ春香コミュ3選」より

――れぽてんさんから見て、春香さんは「普通ではない」と思いますか。

れぽてん:
これはすごく難しくて……春香さんって普通じゃないと思うんですけど、接している限りは普通の女の子だと思うんですよね。アイドルって特別な存在じゃないですか。でも、コミュを見ていると普通の学校で友達が喋っているような、そんな感じだなあと思うんです。この子はなんなんだろう……。

――それを踏まえて、次に紹介いただいたコミュについても見てみます。私たちのR@inbow!イベントコミュ3話。このイベントコミュは、アイドルとしての「あなたの輝きとは?」を各アイドルに問うていく形式ですが、それに対する春香さんの回答を引用して、春香が普通という言葉を使っていることに着目しています。

 歌やダンスがすっごく得意ってわけじゃないし、特別美少女ではないし・・・・・・。でも・・・・・・えへへ♪ そんな普通なところを、応援してもらえて・・・・・・それが私の『輝き』かなって!

(前略) 私は結局、彼女が「普通」であるからこそ、他の誰でもなく彼女のファンになったのだと思う。(中略)とにかく、彼女にどこか一点でも「特別」を感じていたら、私は彼女のファンになっていなかっただろう

「ミリシタおすすめ春香コミュ3選」より

――これはどういう意味でしょうか。

れぽてん:
確かに、説明が要る箇所だと思います。さっきも言った通り、アイドルって特別な存在じゃないですか。そして、絶対手が届かない。この "手が届かない" という言葉は、学校で普通に会って話したりできないという意味で。
私はあんまり、特別なものが好きじゃないんですよ。自分の手が届かないものに憧れる人もいると思うんですけど、手が届かないものってさみしいじゃないですか。私が求めているものは、親近感とか、普通の感覚とか、そういったものなんです。春香さんが例えば、すごく歌がうまい子だったりとか――春香さんはいまもめっちゃ美少女ですが――めっちゃ美少女で学校でも高嶺の花みたいな、そういう存在として描かれていたら、私たちと同じ人間として捉えられないんです。端的にいうと感情移入が出来なかったと思うんです。

――春香の「普通なところ」に惹かれていたということですね。その観点でいくと、担当されてらっしゃる美也やエミリーも心の近さや親しみやすさがあるのですか。

れぽてん:
そうですね。担当歴の長い美也から話をさせていただくと、色々頭で考えていて努力もしているけどなかなか成果がでてこないという子で。私としてはそこが魅力だと思っています。あとは、エミリーもすごい一生懸命なんです。物事に対してどうやったら上手くいくだろうか、悲しんでいる人がいたらどうしたらいいのか、そういうことを考える子なのが好きになったポイントです。美也のときに話した親近感とは別のところで、そういう(一生懸命な)ところに共感しました。

――春香の好きなところと、他の担当アイドルの好きなところとが共通しているのが垣間見えて面白いです。

春香と普通

――もうひとつ、文中で紹介いただいたコミュが「Legend Girls!! イベントコミュ5話『ただ、伝わるもの』」です。こちらでは静香を通した春香に注目されていますが、紹介いただいた3つのコミュとも「春香と普通」という関係性に着目されていますよね。

れぽてん:
関連、しちゃってますね(笑)。

――春香を語るうえで、「普通」というのは欠かせないという認識なのでしょうか。

れぽてん:
そうなるんだと思います。結果だけ見ると(笑)。たぶん、私が春香さんの普通なところが好きなのでそうなっちゃったんだと思います(笑)。

――執筆にあたって、「このコミュも紹介したかった」というようなものはありますか。

れぽてん:
あくまで春香さんに焦点を絞ったときに上手く言語化できそうだったのがこのコミュだったんです。そこから外れてもいいんでしたら、メインコミュ85話をうまく話せるようになりたいなあ。

――初恋バタフライ。以前、美也P春香P対談でもがっつり話したのですが、このコミュについて伝えたいことは何かありますか。

れぽてん:
美也のコミュなので美也を中心に描かれているのはもちろんなのですが、春香さんのどういうところを伝えたいというよりか、自分の好きな春香さんと、自分の担当アイドルに接点があるのが嬉しいです。これを契機にして、美也と春香さんの絡みがもっともっと、もっともっと増えてほしいと思います。

ミリシタでも春香さんのことがわかる

――文章について、何か補足したいことはありますか。

れぽてん:
なんでこの文章を書いたかというと……春香さんって、存在が偉大なんですよ。

――偉大。

れぽてん:
存在が大きくて、アイマスのセンターという言葉で括られることが多いと思うんです。そういう意味でいうと、春香さんって存在が大きすぎて、「どこから入ったらいいんだろう」ってなると思うんですよね。春香さんのことを知ろうとしたときに、据え置きのゲームでもそうですし、携帯型のゲームもそうですが、春香さんのことをプロデュースできるゲームってこれまでもたくさん出ているじゃないですか。そうなったときに、「『ミリシタ』っていうのも、春香さんのことを知ることができる一つの選択肢なんだよ」って少しでも伝えたくて。スマホ一つでできる手軽なものなんですけど、その手軽さにやましさを感じる必要はなくて、意気込んでXbox360を買おうとする必要もない。ミリシタに触れるだけでも春香さんのことがわかるんだよ、というのをちょっとでも伝えたいって思いました。

他作品について

――Vol.4のなかで、気になった作品やお好きな作品は何かありますか。

れぽてん:
イラストのほうですと、特集テーマのとりむねにくさんのイラスト。

れぽてん:
これが、私が最近ハマりかけているような気がしなくもない宝塚歌劇をモチーフにしたもので、ポスター風なんですけど。とりむねにくさんのこういう雰囲気の絵はとてもいいですよね。春香さんは演劇の方面でも活躍できると思うので、そういう意味でもこのイラストはすごくいいなあと思います。

――この答えにスタントンさん(※ヅカオタ)もにっこりしていると思います。

――(スタントン)わっほい!

れぽてん:
ひーるのーとさんが書かれているはるかれんのお話。これを読んで、「春香さんと可憐ってこんな絡みがあるんだ」っていう発見がありまして。一つひとつ丁寧に描写を読み解いて文章にしてくださっているんですけど、はるかれんの "必然性" がすごいなあと。「この2人しか考えられなくない?」って思ってしまうくらい説得力のある文章が展開されているんです。単純に一人でやるよりも、二人以上でユニットを組む時のほうが、可能性が広がるんだなあと。読んでいて楽しい文章でした。

れぽてん:
それから、草Pさんのハルカニウムの話。爆笑しながら読んだんですけど……(笑)。最初から最後まで、ふざけていないんですよね。ハルカニウムっていう元素があるという世界観を前提として描かれている真面目な文章なんですけど、これを読んでいると「ハルカニウムって実在するのかな? 私が知らないだけかな?」って思ってしまうんですよね(笑)。

――「お笑い芸人は自分のネタをするときに笑ってはいけない」という話がありますが、それをやっているような気がします。

れぽてん:
あとは、アイカさんの文章ですね。これはなんというか、読んだらわかると思うんですけど……一つひとつ、丁寧に気持ちを言葉にしていらっしゃって。「自分も振り返ってみたときに、担当アイドルをプロデュースするきっかけってなんだったんだろう」って思い出したくなる文章でした。読んだ後に心が温かくなる文章だと思います。あと、文章にでてくる「宮尾美也と同じ重さの土嚢」については私も存じております(笑)。

――宮尾美也世界一可愛いの会が発行した「みゃお38月号」にある、「宮尾美也を感じたい」にでてくるのですよね。

れぽてん:
(Vol.4を)読んだときに「あ、まだ家にあるんだ」って思いました(笑)。大切にされているんだなあと。

今後やってみたいこと

――今後、天海春香学会でやってみたいことはありますか。

れぽてん:
春香さんの誕生日前夜祭の企画があったじゃないですか。

れぽてん:
そこで春香さんのオリジナルのコミュを作る企画があったと思うんですが、あれが面白かったので、プロデューサーが集まってオリジナルコミュを考える会があればまたやってみたいなと思います。それと、学会誌に絡めていうなら、春香さんと、自分の担当の美也とエミリーを絡ませたコミュを考えたら面白いなあと思います。

矛盾

――あなたにとって天海春香とは。

れぽてん:
「矛盾したアイドル」です。文章でもこのインタビューでも話がでたのですが、普通の存在である天海春香がアイドルをやっているというのは、考えれば考えるほど面白いなあと思うんです。「普通」と「特別」という言葉を併せ持っているので矛盾しているな、と。

――

「普通」と「春香」の関係についてじっくりとお話いただいたインタビューでした。

天海春香学会Vol.4は現在BOOTHにて頒布中です。ぜひご覧くださいませ!

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