見出し画像

まちがいだらけの関西人リプライズ

東京の人間が大阪に行ったら
正解がないんだよね
関西弁使ったらちがう
東京弁使ったら気取ってる
じゃあ大阪俺行かね~よ

爆笑問題・田中裕二 4/25「秘密のケンミンSHOW」

この話題は当初想定していた順番では
もう少し後の予定だったのですが
水道橋博士らしき方がこの話題に関連した私のツイートをリツイートしてくれたのでこの先に取り上げることにします。
そしてこれは次世代芸人が希望の光を見せてくれたシリーズでもあるので流れ的には「連続」しています。

 「らしき方」と書いたのは、公式マークが右についてるのでまぁホンモノかとは思うのですが、ザッカーバーグ公認のニセ上彰なんていう詐欺師が猛威をふるっている昨今ですので油断は禁物です。

さて田中氏の発言は「裸の王様案件」でもあります。
「裸の王様案件」というのは、言い換えると
「え?それって言っちゃってもいいんだ」という案件です。
タイトルにリプライズとつけているように私自身は以前にもブログで書いた話題ですが、今回の田中氏の発言によって、やっと世間的にも言っていいことになったんだとなったわけです。
 そんなわけですから「ケンミンSHOW」のこの回はある意味、「神回」といっていいでしょう。

 要するに大阪府民は出口のないことを非関西圏の全国民に強要しているわけです。
中央に対する対立軸ということなら多様性を担う存在といえますが、実際には彼らのやっていることは「排他」、つまり単なる差別主義です。
 中央に対する対立軸という構図になり得ないのは彼らが「中央」というものを全く理解してないからです。

よう考えたら
東京って田舎モンしかおらん

千鳥・大悟 2023/11/4「千鳥かまいたちアワー」

 さすが大悟氏はダウンタウンなどの昔の関西芸人に毒されることなく「中央」を理解しています。というか近畿地方以外のすべての国民は100年前から理解している概念ですが。

 東京は他の道府県と違い、「作業スペース」あるいは「発表スペース」といった「共有スペース」にすぎないのです。
 厳密にいえば元々の居住者もいるわけだから二重構造だろうと言うかもしれませんが上京したての人と5年目の人と20年目の人は連続するグラデーションで明確な境界はありません。

 様々な地方から集まってくるわけですから、みなが方言を喋っていたらコミュニケーションに支障を来します。そのための言葉なので「標準語(共通語)」なわけでそれを「東京弁」といっちゃっているところが認識不足なのです。実際、ヨンアさんとかローラ・チャンさんとか日本語自体は堪能な外国出身のタレントさんであるとか、来日した韓国アイドルに関西弁が通じなかった場面がテレビではたま見受けられましたが、「ナニイッテルノカワカリマセン」というリアクションに対して、あろうことかMCのダウンタウン浜田氏は「バカにしてんのか!」と逆切れしていました。
 そういえばジャンクスポーツという番組で若かりし頃の古閑美保さんがしゃべりはじめたら
「メチャクチャなまっとるやないか」と浜田氏はつっこんでいましたが、「~やないか」なんてなまってるどころかモロやないか。

 方言が通じなかったというエピソードはトーク番組の定番のひとつですが、通じなかったことに対して相手が悪いかのように逆ギレするのも関西人の特徴です。
 浜田氏といえば妻の小川菜摘さんまでもが年をとってきたら浜田氏の関西弁を聴きとれなくなってきたと「ボクらの時代(2024/05/05)」で言っていました。

 今はデフレなみに長期慢性化したお笑いブームの影響であたかも共通語かのように通じていますが、先述のような外国人以外でも、たとえばテレビをあまり見ないという人の中にも関西弁はどうも理解しづらいという人はいるのです。

 この大阪中華思想のような横暴がのさばってしまったウラには日本全国にはびこった慢性的な「関西憧れ」があるのだと思われます。
 京都はかなりむかしから多くの女子の憧れの地です。大阪はいつからだろう?と考えるとさきほどから浜田氏の例が頻出していることからもわかるようにダウンタウンの影響が絶大だと思われます。それ以前の関西弁の有名人という島田紳助と島田洋七とやすきよぐらいしか思い当たりません。「藤山寛美 3600秒」も放送していましたが、これは若者があこがれるようなコンテンツ(もしくはキャラ)ではなかったと思います。さんまさんは?と思われるかもしれませんが氏が離陸しきったのはむしろダウンタウンより少し後だった気がしますし、少なくとも「ひょうきん族」の当時は関西文化は東にはほとんど浸食していなかった。
 一方でダウンタウンの恵方巻についてのトークなどはリアタイで見ていましたが、あっという間に流行った時は、あの日のガキ使のトークが元か!と彼らの影響力に驚かされた記憶があります。
 
先述の「関西憧れ」の先輩である京都は長年、多くの女子の憧れの地でしたが「えげつない差別思想」という点でも大阪と相似形をなします。
 よく出身地をテーマにしたトーク番組でギャル曽根などが「京都出身というと怒られる」など言ったりしていますし岡崎体育さんはライブの目標を東京ドームではなくさいたまスーパーアリーナに設定したのは宇治出身者のシンパシーなどとも言っていました。
 あまり事情がわからない関東出身者がこれを聞くと、住所が頭が横浜市となっているだけで実際には山のほうに居住している人はハマっ子を名乗るよな(笑)…みたいな軽いノリと思われるかもしれませんが、実際にはえげつない生地差別の慣習があるのだと
「京都ぎらい」井上章一著
という本を読むとわかります。

 そこには洛外とか洛中とかくっっっっっっっだらない定義があって、イマドキいいオトナがそんなこという?みたいな差別発言が京都ではまかり通っているというのです。
 この本の中では大阪人は京都人を下に見てくさしてくれるたのもしい存在のように書かれていますが、その構図自体が差別的でくっっっっっっっだらないメクソハナクソ構造です。

 いいオトナがそんなこという?に関しては私も経験があります。私は大阪に本社がある服飾生地の会社の東京進出のための支店社員として働いていたことがあるのですが、ある日、社長が上京し、私たちが開拓した取引先に同行するというテコ入れ営業のようなことがありました。ひとしきりルートを回り終えて営業所に戻ると
「関東弁を聞いているとむしずがはしるわっ!」
と吐き捨てるように言い放ったのでした。
 私はそんな社長にたいして大人げないとか失礼だと思ったかといえば、そんなこともなく、入社したてだったこともあり、なんとかこの手ごわそうな社長に好かれたいとむしろ媚びていました。そしてもうひとつ繊維業界では関西勢が一大勢力として存在したので、お笑い界に先駆けてある種の「関西憧れ」があったのです。和歌山はみかんの産地ですが、繊維業界にとって生地の産地でもありましたした。
 今になって思うと、
「社長、あなたが今日会ってきたデザイナーやマーチャンダイザーといった方々は広島出身だったり、東北出身だったりしたのですよ」
と言ってあげたい。

 ここでもうひとつ思いだしたことがあるのですが、今でこそ埼玉や千葉を「地方」というくくりで語られますが、東京生まれ東京育ちの私の記憶を高校生くらいまでさかのぼると、それらの県の扱いはほぼ東京でした。
 神宮前に住んでいた友人は千葉の柏に家を買って(もちろん親が)引っ越したのですがフツーにそこから世田谷区の千歳船橋まで通学していましたし、予備校の友人の家の家業は柏で炉端焼きの店をやっていたのでこれまた授業おわりに皆で食べに行ったりと、ほぼ東京なイメージで近年の食べ歩き番組のおかげでやっと房総の海と漁師と海の幸の存在を意識できたくらいです。
 ウエストランドのネタにあった「埼玉も千葉も東京」はまったく正しい見方で、「とんで埼玉」につながる偏見の源流はタモリ氏の「ださいたま」発言だと思われ、タモリ氏は卓球部員を数万人単位で減らした「卓球はネクラスポーツ」発言など社会を悪くした戦犯といえます。落ち度のないひとをディスってもよいという悪魔のフォーマットはゲス極・川谷絵音氏が批判した「ちゃかし、嘲笑の文化」に通じ、あの「テラスハウス」の悲劇とも地続きだと思います。そういえば今や世界基準では完全にアウトなはずの「外国人の拙い日本語」という差別ものまねもタモリ氏の宣教師ネタから京都人のチュートリアル徳井氏のヨギータに受け継がれています。
 そしてダサイタマなどの落ち度のないひとをディスるという構図は、くっっっっだらない京都大阪などの生地差別思想に通じます。
 大阪で維新が突出して強いというグロテスクな構造も象徴的です。なぜなら大阪維新の会は差別思想のデパートのような政党だからです。

 標準語を拒否するくせに、ドラマの俳優の方言にはケチをつけるわけですね。わたしの母は福島県のいわき市の出身でしたが映画「フラガール」を見て「お母さんの田舎の言葉だ」とうれしそうにしていました。が、その方言とて完完全再現になっていないのは意味が通じてしまっていることからもわかります。
 どういうことかというと幼少期の私は夏休み母の田舎で、親戚の言葉が半分くらいしか理解できずにストレスフルにすごした記憶があったのです。全国的に若い世代ほど方言がゆるくなっているという傾向があることをさしひいてもです。
 標準語を拒むということは他の地方の人たちとのコミュニケーションをも拒むということです。
 そして方言の精度にいちいちひっかかるような人はエンタメを解さない人ともいえます。
 なぜなら映像だろうと舞台だろうとエンタメは「キメ」の世界だからです。言葉以外にもあえてリアルを追及しないというものはいくらでもあります。ベッドシーンなどは最たるものでしょう。
 名高達郎さんの関西弁にケチをつけていた視聴者のつぶやきに誰かが「彼は京都出身だ」とつっこんだら「でもなんだかヘン」とくいさがっていました。そもそものはなし、日本語の芝居のセリフは日常会話と乖離がある言語なので標準語であってもドラマと同じしゃべり方をしている一般人はいないでしょう。

 最近、関東の芸人が関西のお笑いファンからうけたボイコットのような仕打ちの思い出エピソードがバラエティなどで語られますが、それらがなぜいままで正面切って批判されなかったのか不思議ですが、「大阪がお笑いの本場」という幻想と関西中華思想の横暴をゆるした「関西憧れ」はむしろ日本のお笑いを20年くらい停滞させていかもしれません。
 ヤーレンズや令和ロマンという、「毎年、新しいやつ出てくるよね」というのとは違った次元の人たちを見るとそう感じてしまいます。
 特にヤーレンズ 楢原氏の標準語に対するアプローチは目からウロコでした。
 「…そうはいってもやっぱ関西弁って強力だよね」…という思いこみをみごとに吹き飛ばしてくれました。
 以前、銀シャリの橋本氏が「芸人が認める芸人」みたいな企画で何組かのコンビについて「関西弁では出せない魅力」みたいに紹介していたことがあったのですが、自分の視野の広さとか公正性をアピールしたいだけで内心は関西弁がいちばんとか思ってんだろうと疑っていましたが、ひょっとしたら橋本氏自身のあの細かすぎるツッコミも標準語で再構築したらむしろパワーアップするのかもと思ってしまいました。橋本氏の声質となにわしゃべくりのリズムはどちらかというと演芸場ノリですが、細かすぎる"拾い"の内容は少しも演芸場向きではありませんから。

 ヤーレンズら昨年のM1ファイナリストになにより未来の光を見出せるのは仲間同士仲がいいことです。
 優勝決定の瞬間、祝福し合う姿はスケボーやクライミングのライバルたちの関係性のようでした。
 ダウンタウン王国の一国支配のころはコンビ仲が悪いのがカッコイイなどというバカげた風潮がありましたが、ライバル同士でも仲がいいというのはファンにとってもいいことだと思います。
 クライミングやスケボーの選手たちは先にパフォーマンスをした選手が気づいたコースのくせなどを教えあったりするそうです。
 ひところは野球選手などが「正直、ライバルが怪我をしてくれたら内心はうれしい」などと発言したりして、それがプロの厳しさみたいに持ち上げる風潮がありましたが、いまでは野球でもオフにはチームの垣根をこえて自主練を合同でしたり指導さえしたりするようになりました。
 これがファンにとってもいいことなのは明白です。だれかの怪我や失策を見るより、ベストvsベストでの勝ち残りを見るほうが高いレベルのパフォーマンスを見ることができるからです。
 まぁ、スケボーやブレイキンに関してはストリートスポーツの代表が権威の象徴みたいなオリンピックに出るんじゃねーよという気持ちもありますが。

さて、冒頭でふれた水道橋の件
話題のキモはとんねるずです。
私のツイートはこうです。

とんねるずというビッグネームもなにわ中華思想独裁状態の向こうに永らくうもれていましたが2024/04/30のフジテレビ「ぽかぽか」のオープニングでブラマヨ小杉氏は「過去イチ好きなゴールデン番組」というお題に
「とんねるずのみなさんのおかげです」(1988-1997)」をあげたのです。当然のように「関西の人も面白いと思うの?」などと不思議がられていました。
 西川きよし夫妻がゲストの回というのにもめぐりあわせのようなものを感じてしまいます。案の定「やすしきよしちがうんかい」とつめられていました。
 それに対して「芸人をめざす前から好きだったのはとんねるず」といいVHSに録画していたら弟が「ムツゴロウ王国」を上書きしてブチ切れたというエピソードにまでふれました
 念願かなってとんねるずの番組に出演できたということも語っていましたが、私もそれをリアタイで視聴していて、とんねるずが好きすぎてからまわりしてしまったみたいな発言をしていました。

 当時ヤフー知恵袋に「小杉さんは関西人なのにとんねるすのファンなのですが?」という質問があったのですが
「あれはテレビ的に言ってるだけです。関西にとんねるずファンはひとりもいません」
というのがベストアンサーに選ばれていました。

 かつては(ひょっとしたら今も)テレビドラマ方言警察のようにこういうカルチャー警察もまめに書きこみをしていました。私はそうした書きこみ真に受けていたので近畿地方はとんねるず真空地帯なのだと本気で思っていました。
 ただよくよく考えると人口の多い大阪を含む近畿地方がまるごとアンチだったらそれでトップに君臨できていたのだとしたら逆にすげえなとも思いました。
 実は「仮面ノリダー」などは一度も見たことのないくらいの距離感なので、特にとんねるず推しというわけでもないのですが、野球好き、映画好きとしてはイチローよりも先にメジャーの球場でプレイする日本人野手を演じた石橋貴明さんはエンタメ人として魅力的ではありました、そんなエンタメ性も受けつけないのだとしたらむしろ関西人は人生損してるなとも思ったりもします。

https://www.youtube.com/watch?v=Lj1OHTMe6bk

Major League II (1994)

ツイートに記した水道橋博士「藝人春秋 3」には2000/10/25にMBS『たかじんONEMAN』に呼ばれた時、番組の冒頭でいきなり
「あんなあ、お前ら東京やからあえて聞くけどなあ、とんねるずって、オモロないやろ? どない思う?」
などとかまされて萎縮してしまったというくだりが書かれています。もはやこれはパワハラを通り越して悪質なネガティブキャンペーンです。

ツイートに記した千鳥大悟氏というのは
2020/12/03「千鳥のクセがすごいネタG」で原口あきまさ氏の石橋貴明モノマネを見たあとのトークのことです

ノブ「うまいなぁ
大悟「背中まで似てんな」
ノブ「ほんまに似てるね」
大悟「いや、なんかちょっと緊張するもん、ホンマにタカさんの感じが出過ぎてて、やっぱ…ほんでココ(木曜9時)がそうやもんな。」
ノブ「そうそうそう」
大悟「『みなさんのおかげでした』やってたときやから、わしらが子供のころから見てたとんねるずさんの、やってた木曜9時やから」
ノブ「そう」
大悟「引き締まりましたよ」
ノブ「今の歌で引き締まったなぁ」
大悟「…なんか」
(ゲストの山之内すずさんに向かって)
ノブ「もう、ホンマにそれをみてボクらはお笑いをめざしたようなもんだから」
大悟「そう、すごかったんだから、そらぁ、もう」
ノブ「もう、食わず嫌いもやろう、オレら」
大悟「いや w いや、おこられるよ」

街の野良猫までがダウンタウンを目標にしてるんじゃないかという右へ倣えな風潮の中にあって、これはなかなかの衝撃発言でした。

ちなみにこの日の周辺は
12/5にはIPPONグランプリ
12/6にはTHE MANZAI2020マスターズ
12/12細かすぎて伝わらないモノマネ
12/14 THE W決勝
とお笑いイベント目白押しでちょっとしたしたお祭り感さえありました。

実は大悟氏は松本人志氏のまえでも(「酒のツマミになる話」2021/09/03)いかに石橋貴明がカッコよかったかと熱っぽく語り、そのエピソードに小島瑠璃子さんがキャーと黄色い声でリアクションするなどの盛り上がりをみせたということがあったのですが、松本人志氏はあきらかに居心地が悪そうでした。
 そのあとに綾小路翔氏がした、入口にインターフォンがあるようなお店に行ったら、先に松本人志さまご一行がいて、笑いひとつないアウトレイジみたいな雰囲気だったという「証言」には、最近の事件と地続き感があると思ってしまいました。
「松本さんは高圧的な態度をすることがあるのでそれで誤解されやすい」などと後輩芸人が擁護していましたが、初対面のしかも女子を威圧したらその時点でダメじゃんってはなしです。ぜんぜん擁護になってないよ。

そんなわけで松本人志の黒白にかかわらず、彼の退場というタイミングにはさまざまなめぐりあわせがあり、なにか時代は動いている?…ような気がします。

いまの一押しはヤーレンズ

です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?