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漢字資料の調べ方


そもそも漢字資料って何?

古代の碑文や能書家の遺した書跡を、人々が見やすいように本やデータベースとしてまとめたもの。作品単位でまとめているものや一文字単位で検索できるものがある。


資料サイトの二類型


漢字一文字単位で検索

33書法
楷書、行書、草書の三つに特化したサイト。読み込みは遅いが、非常に資料数が多い。たくさんの資料を一覧で見ることができる。版権説明には、書道家の死後50年が経過しているため、著作権法に触れることはなく、商用利用が可能と書かれている。書法迷というサイトの中にあるため、検索で出てこない。まず書法迷からアクセスするか、下記リンクからアクセス可能。中国語のみ対応。


書法字典
甲骨文字、金文、竹簡、隷書、魏碑などの資料が豊富。こちらも読み込みが遅いが比較的安定している。有料プランに加入すれば高画質の資料画像を入手可能。一部の資料には、「書法字典」というウォーターマーク(透かし)が入っている。有料プランに加入してもウォーターマークは消えない(表示が小さく控えめにはなる)。中国語のみ対応。


漢典
漢字を調べることができる字典サイト。中国大陸での書き順や、康煕字典、説文解字の字形と解説の内容を見ることができる。そのほかにも漢字文化圏での字形比較や、甲骨文字形資料、竹簡字形資料などを閲覧することが可能。中国語でしか利用できないが、日本漢字で検索できるため非常に有用。


小學堂
甲骨文、金文、戦国文字、小篆、隷書、楷書の五種類の書体の漢字資料を検索できる。特に甲骨文の資料が豊富。それだけでなく、漢字の古代の発音の資料も収録している。また、字形資料はCC0 1.0のパブリックドメインであるため自由な改変が可能で、クレジット表記なしで商用利用することも可能。台湾大学や中央研究院などが共同開発した台湾のサイトであるため、繁体中国語のみ対応。


漢語多功能字庫
香港の大学が公開しているサイトで、漢字の成り立ちや発音、資料画像を収録している。漢字の成り立ちや本義を調べたいなら、ここにアクセスするとよい。中国語のみ対応。



作品単位で検索

国立国会図書館デジタルコレクション
ありとあらゆる資料を保存しているサイト。中国の書跡の拓本などは著作権が切れたものが多数あるため、商用利用がしやすい。


中国国家図書館・中国国家デジタル図書館ウェブサイト(中国国家图书馆·中国国家数字图书馆网站)
中国の古典籍のデータベース。商用利用は禁じられているが、宋代の木版印刷本など様々な古典籍を閲覧することが可能。商用でなければ、ライセンス表記を行うことを条件に画像転載が許可されている。


臨池軒
書跡、法帖、碑帖を専門に集めているサイト。同じ石碑の拓本でも、全体像を一枚の画像に収めるものや、臨書用に拡大されたものなど複数の拓本を収録する。無駄なものがないシンプルなサイト設計がなされている。しかし簡体字で検索しなければ結果が表示されないため少々不便。簡体字の入力ができない場合、百度百科やウィキペディアで作品名を検索し、簡体字の作品名をコピーして検索すればよい。権利に関する声明はないため、転載の可否や商用利用の可否は不明。


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