Instagramにおけるコマースの未来 / 来たる未来に向けて何を準備すべきか?
こんばんは。
久保です。いよいよW杯が今日から始まりますね。
サッカー好きの僕にとっては、4年前のベルギー戦を思い出すだけで熱いものが込み上げてきます。。
今回の大会も熱い熱い感情を抱きつつ、しっかりと応援したい次第です⚽️
さて、ここ最近は事業における組織面の課題をnoteに記すことが多かったですが、直近のInstagramの動向が激しくなってきたので、特にInstagramにおけるコマースの方向性についてまとめようと思います。
Instagram運用に関わる方や、Instagramマーケティングに携わる方に読んでいただけると、参考となる情報をまとめるように意識していますので、皆様の感想をお待ちしております!
Instagramはもう厳しいのか?
イーロン・マスクによってTwitterが動乱を迎えていますが、その傍らでMetaも大規模解雇を進めました。
Instagramマーケを主戦場として見ている中でも、確かになかなかオンラインチャネルでのコマースは進んでいるようで進みきっていない印象です。
Metaにしても、TikTokにしても、今後台頭が期待されるLemon8やBeRealにしても、SNSという事業は結局のところ「人を集めて、ユーザーの可処分時間を使わせる」ということに他なりません。
そこに広告としての価値が生まれ、媒体に集まる人と可処分時間が増えることによって、その中でユーザーの熱を集める方法をハックした個人/法人がマーケ会社として現れるわけです。
そういう意味で見てみると、ユーザー数の増加や一人当たりのアプリの使用時間、そして広告収益の推移を見れば、その媒体の成長度合いがある程度推測できます。
Instagramにかぎって見ていくと、実は国内月間アクティブユーザー数(MAU)は2019年に発表された3300万人を最後に、以降3年間一度も発表されていません。
ユーザーの伸びが顕著であれば、公表しないメリットがあまりないので、おそらくユーザー数の伸びは鈍化しているのではないか・・?
という推測が立ちます。
その裏付けとしてMetaのIRから広告収益の推移を見てみると、
Asia-Pacificだけでなく世界的に広告収益の推移は鈍化傾向にあることが見て取れます。
広告頼りの収益構造を脱却すべく、2020年10月に日本でも投げ銭機能が実装されました。
クリエイターの収益化を実現すれば、そこに乗っかるクリエイターもさらに増えるので、狙いはとても分かりやすいものでした。
が、その後音沙汰がなく、おそらくこの文面を読んでいらっしゃる方もInstagramで投げ銭をやったことはないと思うので、、盛り上がりには欠ける結果と言えるでしょう。
ということはInstagramはもう終わりか。。。。
と、言うにはまだまだ早計かと!!!!!!
あくまでこれは広告というInstagramサイドの収益性の問題であり、ユーザーがInstagramに対してどんな熱を持っているかはまたまた全然違う話になります🔥
国内のInstagramに関するユーザーのインサイト状況
今年の調査で見ても、国内ユーザーの50%近くがInstagramをきっかけに商品を購入した経験があるという旨の回答をしています。
ちなみに、最も購買に影響を与えるのはやはり口コミ。いわゆるUGCです。ブランドにとっては今後も買ったユーザーがポジティブに発信をしてくれるようにユーザー設計を図ることが求められます。
企業サイドから見ても、Instagramは予算面でも他の媒体に比べて多くの予算がついていることが見て取れます。
ここまで見ていくと、Instagramが国内市場において熱をまだまだ集めていることが見えてきます。
以前のような「映え」を集めるユーザーの集積から、モノを買うきっかけの場へとシフトしきっていることは間違いないでしょう。
Instagramにおけるコマースの来年の動き
Meta側の動きとして現時点で発表されているものの中で、コマースに大きく関わりそうなものは以下の3つです。
フィード投稿でのリポスト機能の実装
https://getnavi.jp/digital/785843/リールにおけるクリエイターへの収益化チップ制度「Gifts」の実装
https://www.xda-developers.com/instagram-is-internally-testing-gifts-a-new-tipping-tool-for-its-creators/Meta Pay を活用したチャット内でダイレクトに商品を買うことができる機能の実装(これが熱い)
https://about.fb.com/news/2022/07/buy-products-on-instagram-in-chat/
2番目のチップ制度は、まだまだクリエイター集めを諦めていないということで、それ以上でもそれ以下でもないと思われます。
1番目のリポスト機能は、ずっとInstagram側が避けてきた機能であり、なんなら「いいね数」はもはや見れなくなっている中での発表だったので少々驚きです。
ですが仮にリポスト機能がつくのであれば、拡散される前提での投稿の作成や、拡散されることで完成する投稿など、運用する側には多くのユーザーを巻き込む施策が求められるはずです。UGCの必要性もさらに増しそうです!
そして何よりも今回取り上げたいのは、
Meta Pay を活用したチャット内でダイレクトに商品を買うことができる機能の実装
これは中々に面白いことになりそうです!
Instagramにはショッピング機能という直接商品サイトに飛ぶことのできる機能が存在しています。
ユーザーの衝動買いを促すものであり、これによってInstagramを起点とした商品購買行動を増加させる狙いがありました。
ただし、弊社で見ている限りではありますが、この機能を使用して直接の購入があることはそこまで多くはありません。
ユーザーの行動としてはULSSASという行動モデルが提唱されるように、Instagramの中で完結することは少なく、実際はInstagramからGoogleに場所を移してそこで決済がなされるという、売上に対しては間接的に効果を示す結果となっていました。
ショッピング機能から直接買うというよりは、
インスタで見て
プロフィールからサイトに飛んで
サイト内でいくつか調べて
購入する
という導線が多い印象です。
Instagramからの直接購入が伸びなかった理由は
アプリ内で決済を完結させられないこと
画像ベースの媒体で商品の訴求を個々別に伝えきれないこと
この辺りが挙げられます。
そして、今回のMetaPayによるDMでの決済はこの課題を解決し、ユーザーがInstagram内で衝動買いを完結させられるようにする狙いがありそうです。
確かにチャット内で接客を対応できるようになった場合、オンラインで購入するユーザーの不安を取り除くことができるので、そうなると一気にInstagramが直接の購入媒体として台頭しそうです。
MetaPayの実装に伴い求められるInstagramマーケティングサイドの打ち手
(おそらく半年くらい実装まで時間はかかるでしょうが)
来たるInstagram内のコマースの動きに備えて、企業側は何を準備すればよいのでしょうか?
弊社が現在取り組んでいる部分をいくつか紹介いたします。
1. ユーザーが拡散しやすい導線の整備
UGCが大事なことは全くもって変わりません。
ここに関しては、
「買った人に拡散してもらう」
ということも大事ですが、どちらかというと
「拡散してくれる人に買ってもらう」
という導線の方が重要です。
これを読んでくださっている方の中には、
「インスタはやってるけど見る専!」という人も多いはずです👀
そんな人に投稿して拡散してもらうことは正直難しいものがあります・・
それよりは、Instagramで情報を集め、発信もしている人に買ってもらえるか?その導線が重要と言えるでしょう!
UGCの成功事例としてKATEのリップモンスターがよく挙げられますが、
あれこそ発信層が購入する導線を整えた最たる事例と言えます。
2. DMにおける自動応答の整備
MetaPay導入によってDM内で商品購入が完結するとして、
社内でDMでの接客が必要になってきます。
もちろん、ユーザーからの問い合わせが微量であれば担当者数名でも対応できるかもしれません・・が、より規模感の大きなアカウントだと、、、大変なことになります。
そこで、自動での応答や問い合わせの絞り込みが重要になります。
実はその機能は既に実装されています。(ただしめちゃくちゃ大変です)
Meta Business Suit 上で実装が可能になったのですが、まだまだ現状はやり方すら日本語では出ていないレベルの状況です。
実際に活用している国内企業だと、
fasmeと&honeyのコラボで「恋髪」とDMで送るとそこから先自動応答で診断結果まで示す、というものがありました。
&honey はクリエイティブの見せ方もさることながら、Instagram内においても複数の施策や機能を惜しげもなく進めていっており、凄まじい伸びを見せています。
この辺の機能を実際にうまく活用できると、商品購入までのユーザーのストレスを減らしつつ、接客の効率化を図ることができるようになるはずです。
想定される課題
もちろん新しい機能が入り、Instagramという媒体がより一層ユーザーの熱を集めることは素晴らしいことですが、マーケターサイドから見ると一定の不安要素もあります。
私が最も懸念している事項は、、
Instagram からの購買と既存のCRMをどうやって紐づけるか??
はい。ここに尽きます・・!
ECという市場全体で見るならば、
「Shopifyとどう紐づけるか?」と言ってもよいかもしれません。
流石に何らかのインサイトはInstagram側から示されると思いますが、
基本的にInstagramのインサイトは不親切なことが多いですし、
企業側にとって購買データが既存のECシステムとInstagramに別れることは、リタゲ/リマケの側面からあまり好ましくないと言えます。
その辺をどう管理するか?という部分は我々も動向次第で早めに手を打っていきたいと考えている部分ではあります。
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誰かShopifyと連携するアプリ開発してほしいな…(小声)w
最後に
かなり長くなりましたが、Instagramという媒体は来年以降もSNSマーケティングの主戦場であり続けるはずなので、毎日の投稿、頑張りましょう💪
それでは今週も頑張りましょう!!!
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