死んだ祖母からのクリスマスプレゼント

12/25の早朝。
いつもより早く起きた私はまだ眠かったためもう一度寝ました。
その夢の中でクリスマスプレゼントをもらいました。

夕方、私と妹だけが家にいました。
いつも電気をつけることを忘れてしまう私たちは、その日も電気をつけることを忘れて、夕日のオレンジ色の光が家の中に届いていました。
夕飯を作らなければならない。すっかり忘れてた私は冷蔵庫の余り物を見て、レシピを探してと歩き回り、焦っていました。
すると突然2階から祖母が降りてきました。
手伝うよとでも言いたげに、一階に降りるとすぐに台所に来てくれました。
何故か料理が下手な妹と共に、夕飯の準備をしています。
私は台所から3mほど離れた居間で作れるレシピを探していたところでした。
そこで私は一つの違和感を覚えました。
「おばあちゃん、なんでいるの?」
実は私の祖母は3ヶ月ほど前に亡くなったばかり。49日も終えていました。
祖母はそれに答えず微笑むとゆっくり頷きました。

真面目に夕飯を作る妹とは対照的に、私は慌てていました。
ディズニーアニメが大好きな私は、これは魔法かもしれないと納得しました。
もうこんなことは2度とないかもしれない、後悔したくない、でも何をするべきなのか……。
体調を崩す前の元気な姿の祖母は、真剣な表情で妹に話しかけていました。
2人の声は聞こえないけど、祖母は料理が下手な妹にアドバイスをしているのだろうと考えました。

アドバイスが一旦終わったのか、祖母が居間に入ります。
泣きそうな私を見て微笑んでいました。
「おばあちゃん、記念の写真撮ろう!」
質問ではなく、宣言でした。
祖母が答える前にスマホを取り出します。
すると祖母は、驚いたように私の腕を止めました。
「危ないからやめなさい!もし目なんかあったりしたら、」
いつもの口調で私に注意をします。
でも私は一瞬スマホの画面を見てしまっていました。
でも祖母が言うような目が合うなんてことはありませんでした。
画面には私しか写ってなかったからです。

元気だった頃の、冗談をよく口にし、仕事をするために家の中を歩き回り、髪の毛もまだ茶色に染めていた頃の祖母でした。
死んだなんて忘れてしまうくらい元気で、本当は生き返ったのではないかと思っていました。
でもやっぱりもうこの世にはいないんだな〜と実感した私は涙があふれていました。

「じゃあ、ハグしていい?」
そう言うとすぐに祖母は両手を広げてくれました。
私が恐る恐る抱きしめると、祖母が強く抱き返してくれました。ちゃんと力強さを感じました。
(今となっては夢なのに不思議ですね。)
どこから手紙を持ち出したのか、いつの間にか私の手には祖母への手紙がありました。
(葬式の時に書いた手紙かもしれません。)
号泣してうまく話せない私は、それでも読み上げます。
料理を作ってる妹は困惑した表情を浮かべていました。料理のひと段落がつき、次どうすればいいのかわからず助けを欲していた表情と私は受け取りました。
でも、私は手紙を読むのをやめません。もう正直夕飯なんてどうでも良かったです。
次の日には祖母は消えてるかもしれない。
手紙を読み続け、これまでの感謝の言葉を口にします。
祖母はそんな私を見て幸せそうに微笑んでいました。

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