見出し画像

アプレンティスは死んだ

アプレンティスは死んだ。
ゲートルーラーは変わろうとしている。
その過程において、象徴的なルーラーであったアプレンティスが息絶えようとしていた。
何故か?
手札ルーラーのインフレが始まったのである。

1.いままでのゲートルーラー

コスト前払い制によって毎ターン2枚のカードを気さくにプレイできるアプレンティスは、ゲーム黎明期から環境トップを走り続けていました。
それに対し、コストを都度払いするナイトは、初期手札2枚と毎ターン2ドローができ、プレイ枚数で言えばアプレンティスよりも有利に見えますが、そのルール上非常に厳しいエナジー制約を課されていました。

公式の想定は「プレイアブルカード枚数差をエナジーのやりくりで維持し、上手い人ならナイトで勝てるよね」というデザインだったと思われます。(某氏がそんなことを生放送だか○場だかで言っていたはず)

しかし現実は、前述の通りアプレンティスが環境を支配し続けていました。
エナジー制約なく、ナイト並みかそれ以上のカードをプレイさせてしまうカード群の所為です。おさらいしてみましょう。

①太陽系バックパッカー(エラッタ済)

コストで場のカードを「破壊」し、ダメージゾーンから通常召喚できるこのカードは、一見するとカードプレイ枚数が増えていないように見えますが、「即時パッカー」というバグ的挙動により弾けました。

コストによる破壊対象を即時カードとした場合、その即時カードを使用しても良いルール的抜け道により、場のカードを使用しながら4/4/1スタッツの生き物が湧き、手数が増えてしまうのです。
1ダメージ受ける処理により、そこで効果付きcntが捲れるのであればさらに1アクション増えます。
そしてアプレンティスには召喚権制約がなく、この効果にはターン1制限がありません。

何が起こるか。終盤にダメージゾーンに溜まったバックパッカーを即時カードを踏み潰して召喚、出てきたバックパッカーをダメージゾーンのバックパッカーで踏み潰して召喚、というのをダメージゾーンからバックパッカーが消えるまで繰り返し、その回数分cntガチャを引けます。

プレイ枚数差はトントン、或いはアプレンティスの方が多いくらいで、対してナイトにはエナジー制約、召喚権制約に縛られる。

しかしそんな状況が許され続けるわけもなく、エラッタによりバックパッカーのコストは「破壊」ではなくなりました。

これで環境に平和が

②ダルマゲドン
訪れませんでした。

このカードの雑すぎる強さはアプレンティスの独走を助長しました。
ナイトの初期ハンドアドバンテージ差を2パンで覆します。

ODでセットカードを増やせてしまうカード群も増え、アプレンティスは「プレイ枚数が少ないけれど強いカードを叩きつけられる」ルーラーではなく「プレイ枚数をかさ増しして物量差で圧殺する」ルーラーになりました。

そしてエナジールーラーにマトモなドローソースはもたらされず、アドバンテージを獲得できるようなユニットもなく、絶望的なまでのルーラー格差が生まれました。

2.オーバーロードの実装

7/19に実装されたオーバーロードは、今までのエナジールーラーを過去のものにするほどの性能がありました。
コスト前払い制ではあるが、手札があり、カードをプレイするたびに1マナ払う(カードのコスト問わず)というもの。

相手ターンにイベントカードを使用できないという制約こそありますが、それを補って余るほどの上質なユニット(高スタッツユニット)の安定供給により、アプレンティスは苦境に立たされます。

アプレンティスはリソース確保のためにイベントカード多めの構築となっており、またリソースを伸ばせる低級ユニットには盤面干渉力がほとんどありません
上級ユニットを引かないと相手の守備起きユニット突破もままならず、また引いた上級ユニットも相手に容易に突破されてしまうため、基本的にオーバーロードにマウントを取られ続ける格好となります。

オーバーロードの登場により、アプレンティスは淘汰されつつありました。

何より、オーバーロードは初期手札3枚、エナジー管理も不要、手札の強いカードを好きなタイミングで切れるということでイベントやたたりドライブのリスク抱えるアプレンティスよりも快適なプレイ感であるという点がとても大きく作用し、ガチカジュアル問わずオーバーロードで良くね?という空気感が漂い始めていました。

3.ルーラーアップデート

そんな中、ナイトがアップデートされ初期手札が4枚になりました。
先攻ドローで5枚、後攻で6枚からカードを選んで使用できます。

ダルマ、リソース確保奴でプレイ枚数差がそう簡単には覆らないバランスとなり、相手ターンのイベント使用、デッキコスト上限無し、というオーバーロードとの差別化も図られ、良調整であるという印象です。
つまり、ダルマやリソース部隊ありきの調整なので、これらを採用していないアプレンティスは死に絶えました。

採用しているデッキでやっとスタートラインに立つことが出来、そうすればダルマゲドンや黒雷等の高コストユニットをストレスなく展開することでアップデートKにAはまだワンチャンスあるように見えていましたが、

4.スペリオルレア、直衛召喚

次弾より実装されるレベル4ユニット群が非常に強力であり、ナイトオーバーロードともに強化される形に。
現在配布中の2枚は伸ばしたリソースを刈り取る性能をしており、また「直衛召喚」によって相手ターンへの干渉も可能になりました。

特にルシファーは天魔覆滅の効かない全体5点火力を即時でばら撒くことができ、そのまま強化で守備ゾーンに置く挙動により相手のターンをスキップすることができます。

ヴァベルシオンもゲーム終盤に相手の盤面を崩壊させながら相手にSTKをねじ込むことができ、コンバットも含めて尋常じゃないアドバンテージを獲得します。

アプレンティスはデッキ総コスト50なので、スペリオルレアを満足に搭載することが出来ません。しようとすると、デッキ内の不純物が増えOとKに余計に勝てなくなるまであります。

アプレンティスは死にました。時代に取り残されてしまった。

5.ゲートルーラーの明日はどっちだ?

しかしこのスペリオルレア、そしてオーバーロードというルーラーはパワーカードの投げ合い、メンコ的側面が強く、ゲームとして果たして面白いのかどうかは未知数です。

スペリオルレアはその性質上、多投できるようなカードではないため、スペリオルレア間、つまりデッキ内のフィニッシャーに相性差があり、それによってメタゲーム的なものが生まれるのかな、と予想しています。

現状ヴァベルシオンはルシファーの天さんお願いどうか死なないで大爆発で死にますし、けれど伏雷は耐えられるし、けどヴァベルシオンは伏雷を簡単に屠れるし、みたいな。

まだカードが出揃っていないので未知数ではありますが、少なくともオモチャとして、派手な挙動を押し付け合える面白さはあるので、今までよりもストレスは減っています。

上記のような、或いは未だ見ぬ他のカード群、ルーラーアップデートによって多様なデッキで遊ぶことができ、多様なカードを使えるようなゲームになることを祈っています。

もぎせんサーバーにて、のんびりと毎週対戦会を実施、各ルーラーや各種アーキタイプの強度等を検証しているので興味のある方はお声がけください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?