【温泉むすめ】「正」のエネルギーでクレーマーと対峙した、接客業の懐の深さ【TL時事ネタログ】

2021年11月半ば。筆者のTwitterのタイムラインでは「温泉むすめ」というコンテンツが炎上しかかっていました。

簡単に説明すると、全国の温泉をモチーフにしたいわゆる「萌えキャラ」やその担当声優が、温泉地を盛り上げる、というコンセプトのもとで展開しているコンテンツです。
キャラは分かりやすく萌えキャラで、しかもわりと掘り下げられた設定なので、旅行が好きなオタクが多い自分のタイムラインではそれなりに人気を博していました。

ただ、これはこのご時世あるあるなのですが、いわゆる「ツイフェミ」と称される、「(二次元三次元問わず)女性を性的に消費している(と自分たちから見るとそう見える)コンテンツ」を批判して炎上させている集団に目をつけられてしまったんですよね。
筆者はツイフェミについてさほど詳しいわけではないので(詳しい友人曰く、いわゆる正統派の"フェミニスト"とも違う主張なんだそうです、ムスリムとイスラム原理主義過激派みたいなもんかな)、彼女?たちがどこを不服としたかはわからないのですが、
確かに一部の温泉むすめのキャラの中には、「この設定で公共の空間にマスコットキャラクター的に置いておくには不快に思う層もいなくもない」キャラもいるはいるのですよね。

ここからは筆者の持論になりますが、「萌えキャラ」を「公共空間」に持ち込むことには慎重にならなければいけないと考えていて。
アイドルであったり二次元のキャラクターは、どうしても「それだけで抵抗がある」と感じてしまう人が一定数いる以上、例えば公共の掲示物であったり、温泉街などの市中にパネル展示するのは、そもそもそれだけでクレームが来たり、マナーの悪い客層が来訪したりのような「リスク」として捉えなければいけないな、と思っています。

話が逸れましたが、かくいうプロセスでツイフェミの皆さんが「温泉むすめはけしからん」と騒いでいて、まあファンの皆さんは当然大反発。
ただ、「盛り上げる対象」として当事者の温泉街サイドは、ある意味冷静に反応したというか。
誰が発信者かは見れてないのですが、Twitterのハッシュタグで「温泉むすめありがとう」をつけて投稿し、温泉むすめがあってこれだけいいことがあったかを、まさに「魅力を発信して盛り上げる」方向性で打ち出してきたんですよね。

これまでのツイフェミの二次元女子へのヘイト(と言っていいでしょう)が故の炎上に対して、そのコンテンツのファンのオタクは、ツイフェミへのヘイト、という同じ土俵で戦ってきました。
その少し前にあった「松戸警察のVチューバー採用案件」(詳細は検索して下さい)に対して、関係無い地方議員が署名運動をするなど噛みついてましたが、ああいう真っ向勝負をしても相手は増長するだけです。
かといって無視を貫けばどんどん相手の思惑通りに世の中がねじ曲げられていく、というのもまた事実で。
そんな中で、あくまで「温泉むすめ」の本来の目標である、「温泉の魅力を発信していく」ところにこだわって、相手も傷つけずに自分たちを守ったところに、温泉旅館の、接客業の懐の深さを感じましたね。

一連の考察の中で、温泉街サイドとしては温泉むすめは手放せない存在になったというのを見ました。ただでさえ客足が減っている中コロナが追い打ちになり、本来歓迎してなかったはずの「独身単独男性」でさえも誘客しないといけなくなった。ところがどっこい、そういったオタクはリピーターになってくれれば意外とお金落としてくれる良客なんだ、と。
どんな形でもお客様はお客さまだし、でもここで攻勢に出なかったのは、昨日の敵は今日の友、ではないけど、批判していた人だって未来のお客さまになるかもしれない、というところが根底にあるのだろう、と思いました。


以上、おしまい

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