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血圧が高いとなぜいけないか?

年齢が上がるとともに上がってくる血圧。
テレビでも130超えたら血圧高めと言っています。
でも、なんで高いのがだめなのか?
これに答えられる人は案外少ないです。
ということで、基本のところを一緒に考えてみましょう。

A
検診で血圧高いって言われちゃってお医者さんのところ行かないと・・
でも薬飲み始めたら一生飲まないといけないんだよね・・
B
うーん。血圧高うて何か困ってる?
A
いいや、普通に元気だよ。
B
飲む理由は血圧高かったら動脈効果進むからやで。

動脈硬化って脳卒中とか心筋梗塞になるんでしょ?
B
そう、せやけどキミももう動脈硬化始まっとるで。
A
ウソ、検診でも何も言われなかったよ。
B
動脈硬化いうたら老化と同義語やからな・・
人間生まれた瞬間に老化も動脈硬化も始まっとんねん。
A
それなら薬を飲んだら動脈硬化は進まなくなるの?
B
確かに進むのを遅らせる効果はあるけど、動脈硬化は年齢とともに進む度合いのほうが大きいわ。
A
どの程度?
B
70代で血圧高いひとで薬を飲む人と飲まへん人を5年間追跡して脳卒中になるかどうかみた研究調査があってん。※久山スタディ

やっぱり血圧か高いと脳卒中なりやすいよね?

せやな、予想通り、薬飲まへんかった人は100人中10人、薬飲んで血圧下げた人は100人中6人が脳卒中なってん。

100人飲んで4人減ったのか・・

この話は続きがあって、薬をのまんでもええ、血圧が高うないひとも追跡してんねん。

それで?

飲まんでもええ人も100人中4人が脳卒中ならはってん。
言い換えたら高血圧で薬飲んで血圧下げたひとが100人おったら、お金と時間使うて病院通うて
・意味あった人・・・4人
・意味なかった人・・・96人
ていう結果や。

それならどうして血圧高いと病院にかかれとお医者さんは言うの?

アメリカで1960年代に下の血圧が115〜130とムチャクチャ血圧高いけど無症状の人を70人ずつ1年半追跡調査したら無治療群27例、治療群2例が発症したらしい。
これやったら2.8人に一人が治療してよかった、ていう結果になるから、そこまで高いと意味あると思う。

そこまで高くない人は?

価値観と医療システムの問題やな。

価値観はなんとなくわかるけど。

統計上はそこそこ(上の血圧が140超)血圧高いだけでも、発症の確率はちょっと上がるから、「ちょっと」に意味を見出す人は血圧の薬をんでもええと思う。
ただ、最終的に人間の死亡率は100%やから、最終的には発症、死亡の時期を延ばす効果しかあらへん。

そうだよね。

医療システムの問題は、3つに分かれるわ。
一つめは、医療の対象が「症状のある人」から「異常のある人」に変わったこと。
画像診断が進んでガンが早期発見、早期治療ていう流れになって、同じように脳卒中とか心臓病を引き起こす高血圧も早期発見、早期治療ていう流れになった。
患者さんからしたら新聞テレビで、危ないキケン、お医者さんの診断を、言われてるから病院行くねん。
せやけど患者さんは、どの程度血圧上がったらどの程度キケンかわからんと病院行って、診察受けて血圧が心配です、言わはる。
お医者さんもそう言われたら「では血圧の薬を出しましょう」いうことになるのはしゃあないと思うで。

なるほど、2つ目は?

特に大きめの病院とか、有名な病院行ったらわかるけど、待ち時間がエライことになってるわ。
よう3時間待ちの3分診療言われるけど、お医者さんは時間があらへん。

血圧高い人一人ひとりに「最終的にはあなたは必ず死にます。統計上あなたの血圧ではこれぐらいの発症率なのですがどうしますか?」いうてさっき言うたような話して、患者さんが決めるまで待ってたら、時間がなんぼあっても足らんようになる。
それよりはマクドみたいに『高血圧セット』用意して、「そうですね、あなたは高血圧ですね。高血圧の方にはこのセットをおすすめいたしますが、いかがなさいますか?」言うたほうが、手っ取り早い。
病院に来てる人はみんな、「血圧が高い」いう自覚はあるから病院に来てるのであって、高血圧セットを買う確率は高うなる。
この方式やったら、「患者さんが希望しました」いうことになるし、このあと定期的に通ってもらえたら売上も上がるから、こういう勧め方するお医者さんは多いねん。

そうだね、患者さんも後ろに何人も並んでる人がいれば、早く決めなきゃ、て思うからね。
で、最後は?

最後は高血圧治療のガイドライン、いうのがあって、特に専門医になると、そのガイドラインを遵守するように教育されてるわ。
血圧高いけど薬を飲みたないいう患者さんがおったとする。
で、ガイドラインに従わずに、患者さんの希望通り薬を出さんかったとする。

すると?

何にもない間はええねん。
でも、高血圧のせいで脳卒中なったとしたら「なんであのとき薬出してくれへんかったんや!」いうて本人か家族が怒鳴り込んでくる可能性もある。
そういうこと言うて来る人は、はじめに「私は薬飲みたないんです」言うたこと、大概忘れてんねん。
そんなリスク取って患者さんの希望通りにするより、「ガイドラインに脳卒中の確率上がるて書いたあるから、薬を飲んでください。」言うたほうが、売上も上がるし、文句も出えへん。

なるほど

結局、患者さんが事前にさっき言うた情報を知ってて、「薬飲まへんリスクも受け入れます」てはっきり宣言せんと、たいがい薬は出されるもんや思うて間違いない。
そもそも、薬飲みたない人は病院行けへんけどな。

どっちを選ぶにしても、患者も理論武装が大事、っていうことだね。

糖尿はちょっとややこしなるけど、コレステロールもおんなじような考えでええと思うわ。
要は病院にかかるお金と時間ていう保険料払うて、得られる結果は「発症しなくなる」とは違う。
得られる結果は「発症の時期が遠くなる」ていうことは理解しといといたほうがええわ。
まあ、薬飲んでたら「なんとなく安心」いうのはわからんでもないけど・・

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