呪い


男性らしく 女性らしく
田舎だから 都会だから
お母さんたるもの お父さんたるもの
これだから独身は これだから既婚者は
女なんだからもっと
男なんだからもっと
親がそうだから ひとり親だから
肌の色が違うのは 同じなのは
貧乏のくせに 金持ちのくせに
背が高いわりに 背が低いわりに
大人なのに 子どもなのに

あぁ
あの人も あの人も
あの人も呪われてる
かわいそう

親からの教えかもしれない
育ってきた家庭かもしれない
環境かもしれない
読んできた書物かもしれない
好きなアーティストの影響かもしれない
恩師の教えなのかもしれない


地層のように重なって、
彼らの当たり前になって、
気付いたら呪いになって、
他者に振りかざす


考えや意思を持つことと
呪いを強制することは全く違うこと

でもこんなことを言う私も
大人になって、これは呪いだったのか
と気づくことが恥ずかしながら多々ある

私の当たり前のものさしは
あの人にとっては呪いでしかない
それを押し付けてくるなんて迷惑すぎる行為だ。 
恥ずかしいし、私の呪いで傷ついた人にごめんなさいと思う

全員違う
全然違う

あなたが過去に成し遂げたことがあったとして、あの人も当たり前にそれが出来るわけがない
違うから
それはあの人が劣っているということでもない
ただ違う
それだけ

早く呪いから解いてあげて
いつもの景色が更に広くて深くなる

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