アーティストのアーカイヴ実践
*上記の授業用につくったnoteを一部改変して公開しています.
1) アーティストの死後、どうなるか?
例: 渡辺好明、中園孔二、篠田太郎、国府理、三上晴子
渡辺好明(享年54歳)
https://www.yoshiakiwatanabe.com/
中園孔二(享年25歳)
國府理「 水 中 エンジン 」再制作 プロジェクト
https://www.kcua.ac.jp/arc/wp/wp-content/uploads/2020/12/EitW.re-creation.document.pdf
アーティストの死後、作品はどうなる?
作家の人生よりも作品の生の方が長い(こともある)
(注:数千年残りうる傑作や、死後に作品評価が高まるスター作家もいる。ただし、生み出される作品数に対して、世に語り継がれる作品は一握りである事実が大前提。作品の一生は儚い場合の方がむしろ多い。世に残る傑作を・・・!)
誰かがアーカイブしてくれているわけではない(求む専門職・・!)
2) 作品のアーカイブ
指針
保管時に心掛けていること
・公開して差し支えないものは極力公開していく(ポートフォリオ、Youtube)=公開することで転載され、より強固なデータベースが構築される
・記事掲載はなるべく引き受ける
・どんなメディアでどう記録するのがベターか作戦を考える
・基本的に作家自腹になるので、予算の問題は常にある
・物撮りはまとめて撮れるけれど、展覧会の記録は後からできない
・ファイル名の命名規則
明確に作っておかないと、後になって検索できなくなる
ex; 20230702_Geidai_1
写真のクレジット
森美術館での展示風景を例に;
写真クレジットの課題
・クレジットが長すぎる
こんなに紙面を割けるケースは稀では?ショート版を作る?
・特に紙面が限られており、フォントを小さくできない新聞掲載時は不利(画像が小さくなってしまう要因にもなるし、新聞は紙面の校正時の確認が原則できないので、間違ったクレジットが掲載されてしまうケースも)
・カメラマンのクレジットはどこまで必須なのか?
・クレジット管理システム?
数万枚の画像、クレジットをどう管理すれば良い…?
・クレジットの整理、どなたかにご依頼したい(悩み)
・掲載誌等のクレジットのチェックバック対応が大変(急な問い合わせが多いこともあり・・)
・そもそも校正が得意ではないのでミスを見落としまうことも(重要なものは人に有償で依頼していますが、掲載料が出ないことが多いので、赤字に)
・写真(画像)とクレジットを合わせてお渡しするベストな方法とは?(悩み)
サイトスペシフィックな作品展示をいろんなメディアで記録する
AKI INOMATA@あいち2022のケースを元にケーススタディ
*画像は転載NG
記録写真(展示)
記録写真(物撮り)
記録写真(製作中のメイキング)
記録映像(展示)
記録映像(メイキング)
VR
・3次元の情報は3次元でないと伝わらない部分も多い
・3DCGは、閲覧方法・アーカイブ方法が難しい
・図面は別途必要?(スケール感がわかりづらい)
*下記のリンクより、是非グリグリやって鑑賞してみてください
VR: Hayato Wakabayashi
展覧会カタログ
・資料性が高い
・間違った情報が載ると後々困るので、校正時には細心の注意を払う
・展覧会の準備と並行するとスケジュール的にかなり厳しいが、最近は展覧会の終了後に出るケースが一般的になっている
インストラクション
ケーススタディ 金沢21世紀美術館に収蔵された作品をもとに
何が作品であって何が作品でないのかをハッキリさせる
何が作品の肝なのか? 自問自答する意味でも良い機会
インストラクション(再制作指示書)
*非公開につきリンクを削除しています
3)作家活動のアーカイブ
RM
https://researchmap.jp/akiinomata
・研究者の場合はReserchmapでほぼ網羅できるのでは・・?
・すごく使い勝手が良い
・論文などは自動で追加される(便利)
ポートフォリオ
ポートフォリオは下記より公開しています(2022バージョン)
https://www.aki-inomata.com/shared/img/profile/20220917_portforio.pdf
・更新が大変 現在148pp….!
・デジタルで見るので、A4横位置がスタンダード
・編集力が必要
・作品の素材をなんと記載するか?
例:Installation with living hermit crabs: hermit crabs, resin, seawater, aquarium tank sets (dimensions variable)
HD video
Photos
・バイリンガル=日英両表記が望ましい 英語力が必要?
書籍(掲載)
書籍(単著)
書籍(共著・寄稿)
雑誌
展覧会DM /フライヤー
・展覧会実施の証拠になる
・変形サイズが多く、データがない場合もあり、保管・整理は難しい
展覧会ポスター
デザインしてくださった大西正一さんのサイトより
https://mo-d6.com/works/graphic/0080.html
新聞
・スクラップブックに貼っていく
・原則、公開することでアーカイブする戦法なのですが、新聞は著作権的に公開できないのでその点が難しい
ウェブサイト
各種作品データ
・映像作品のデータ・写真作品のプリントデータ(公開出来ないものも多く、後から見つからず困ることも多数)
・HDDが壊れたら?クラウドにアクセスできなくなったらどうする?
展覧会企画書
ドローイング
CG(制作資料)
インタビュー
日本語の記事の例:
英語の記事の例:
ドキュメンタリー映画(ドキュメンタリー映像)
活動を捉えた映画・ビデオ 例: ウォーホール、バンクシー、ドリッピング
↑英語字幕が入っており、海外へ発信されたドキュメンタリー(貴重)
↑美術館が公式で制作した映像は資料性も高く、大事な資料
↑CNNで放送された番組のアーカーブ。当時、英語がカタコトでお恥ずかしいですが、さすがCNN. 桁違いの発信力です
↑上記2つは国内で放映されたテレビ番組のアーカイブ
とてもよくまとまっています.(一方で権利的に数年でアーカイブが消えてしまうことも多々あります。悲しみです)
↑スマホ用の縦映像でのドキュメンタリー
映像がとても綺麗
↑布施先生のYoutube番組
他のアーティストの映画事例;
講演会・トーク
まとめきれないのですが、過去の登壇実績はこちらに
SNS
instagramやTwitterなど
特にInstagramは海外の方のアクセスも多く、閲覧性がとても良い
ただしソーシャルメディアは常に炎上の危険性もあり、そうでなくともコメントやメッセージがたくさん来るので、(人によっては)返信等の仕事が大変になるケースも.
AKI INOMATA Instagram
https://www.instagram.com/akiinomata/
(to be continued,,,?)
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