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【飲食業界×ブロックチェーン】最近気になったプロジェクト紹介!

こんにちは。ブロックチェーンリサーチャーのゆずです。

最近ブロックチェーンを活用した事例について調べる機会が多かったので今回はその中でも面白そうだと思ったプロジェクトをいくつか紹介していきたいと思います。

元々はビットコインの仕組みとして作られたブロックチェーンですが、今では広く活用方法が見出されていて様々な業界でブロックチェーンを用いた実証実験が行われています。

本記事ではその中でも飲食に特化したプロジェクトをいくつかまとめて紹介していきたいと思います。


天水チェーンリンゴ

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概要
天水チェーンリンゴは中国甘粛省の天水市で栽培されているブランドリンゴの「天水リンゴ」のトレーサビリティ向上を実現するプロジェクトです。天水リンゴは偽物が市場に多く流通し、売り上げが低下し、農家の方々は頭を悩ませていました。その状況を打開し、天水リンゴのブランド価値を取り戻すために天水市行政とブロックチェーンの開発を行なっている纸贵科技(ジッグラト)が協力してプロジェクトを進めていきました。

天水リンゴの表面には画像にようにQRコードがプリントされています。
このQRコードを読み取るとスマホからリンゴの情報を簡単に入手することができます。

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ブロックチェーンには、リンゴが栽培されている農地の情報から成長過程、検査結果、物流の足跡まで細かく記録されています。

期待される効果
偽物でないことの証明
リンゴの生産地や流通経路が改竄できないブロックチェーン上に刻まれているため本物の天水リンゴであると証明することができます。QRコードをコピーしてしまえば偽物を作ることは可能ですが、リンゴの表面に全く同じコードを日焼けさせることは日照時間など様々な条件が必要なため難易度が高く、偽物を作ることのコストパフォーマンスが悪くなるように設計されているようです。

安全性の明示
このプロジェクトでは、リンゴが本物であることを証明するだけでなく、リンゴ自体の安全性も証明している。QRコードの情報には安全検査の結果や農地で使用した肥料の情報も入っているので、消費者はこれらの情報をチェックし、安心してリンゴを購入することができるようになっている。

結果
このプロジェクトでは導入後のレポートも公開されていたのでまとめておきます。

・りんごに付いているQRコードの読み取り率は300%以上(=一つのリンゴ あたり3回以上読み取りがされている)
・再購買率は150%まで回復、消費者の信頼を無事取り戻せた
・このプロジェクトにより市場に出回る偽物が淘汰されていき、本来の収入が農家の方々へしっかりと還元されていった

SAKΞ

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概要
SAKΞはEthereum上で構築されているDEXであるSushiswapより発足したプロジェクトです。SushiswapのIDOプラットフォームである「Miso」でERC20のSAK3トークンが販売されました。このSAK3トークンを一定枚数集めると画像のオリジナルボトル付き日本酒を購入することができます。

SAKΞについて
日本酒
SAKΞは純米大吟醸無濾過生原酒生酛雫という珍しい日本酒の日本酒です。1894年より100年以上酒造を行なっている北西酒造のプロデュースの元、国内外に向けた日本酒のアンバサダー「酒サムライ」であるエリオット・フェイバー氏によって精選されています。

ボトルデザイン
SAKΞのボトルパッケージデザインは世界的に有名なデザイナー・発明家・建築家グループであるビャーケ・インゲルスグループ(B I G)とアーティストのジョナサン・ジェイ・リーによって手がけられています。
ボトルの水平線のデザインは伝統的な日本の水田とその波を表していおり、上部のコルクのデザインは手ぬぐい、着物など、日本の伝統的な衣服デザインを意識して作られています。

期待される効果
日本酒の海外マーケティング
Sushiswapは24時間の取引高が6位(2021年6月現在)と世界中でよく使われているDEXの一つです。このようなDEX上でプロジェクトを行うことにより、海外に幅広くリーチすることができます。日本酒を知らない海外のクリプト人口に対して認知・注目を集めることができます。

日本酒の新しい楽しみ方
日本酒そのものだけでなく、ボトル自体も一つのアートとして制作されているので飲み終わった後にもこの体験を楽しむことができる。「中身は美味な酒、外見はアート」二つの楽しみがあるのでプレゼントとして送る際にも嬉しさが2倍になるかもしれません笑。

相手住所を特定せずにプレゼントを送れる
普段プレゼントを送る際には受取人の名前や住所など個人情報が必要になる。しかし、SAK3はERC20トークンなので受取人のウォレットアドレスのみでギフトを送ることができる。個人情報に対する考え方、個人とプライバシー保護を強化する風潮が強まっていけば、この構造のプロジェクトは増えていくかもしれないです。

あとがき

食品業界は流通段階での異物混入、食中毒、原産地表記の偽装などまだまだ様々な問題を抱えています。これらの問題はブロックチェーンで解決できる可能性が大きいので多くの企業が実証実験を始めています。有名なところだとIBMが、IBM Food Trustという食品管理のチェーンを開発しています。

食品業界に限らず、様々なブロックチェーンプロジェクトが実社会の中で動き出しているのでこれからも面白そうなプロジェクトをどんどんリサーチしていきたいと思います!

おわりに

私がインターンしているBlockchainではブロックチェーンの導入の相談から開発まで行っているので興味があればぜひお問い合わせください!
https://block-base.co/

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